「ほんまに読むんか」 私は10代の頃、茶髪でヒゲも生えていてやんちゃな感じでしたが、いつも電車の中で歴史小説を夢中で読んでいました。相当奇異な目で見られていたでしょうね(笑)。 熱心に読書するようになったきっかけは小学校5年生の時、古本屋でたまたま見つけた池波正太郎先生の『真田太平記』です。私は京都で生まれ育ちましたが、関西では真田幸村は太閤さん(豊臣秀吉)を助けたヒーローとして、親しまれています。 子どもの私も聞きかじって知っていて「どんな人なん?」と興味を持ちました。 「ほんまに読むんか」と母に言われながらも全巻買ってもらい、読み始めたら一発でハマりました。以後、まずは池波先生の本を全部、片っ端から読破していきました。 『真田太平記』は、きちんと歴史を踏まえながらも、それこそ小学生の私が、12巻もの長い物語を最後までワクワク、ドキドキして読み続けられたぐらい、最高のエンターテインメント