大学生が厳しい就職環境にあえぐ中、薬学部生が空前の売り手市場となっている。 6年制移行のために2010年、11年に卒業生が途絶え、人材供給が止まっていたためだ。今春卒業した6年制の1期生には求人が殺到。大学からは「特需はいつまで?」といぶかる声も上がるが、ドラッグストア業界や調剤薬局の採用熱はまだ高い。 ◆「別世界」 日本大薬学部(千葉県船橋市)では今春の卒業生の就職率はほぼ100%。6年制移行前は8、9割だったが、今年は4月に入っても、沖縄県など人手不足の地方の病院などから求人が来るという。担当者は「2年間のブランクのためで、特需のようなもの」と語る。 他大学も事情は同様。横浜薬科大(横浜市)の担当者は「就職先に人気があるのは、病院などだが、規模を拡大しているドラッグストアの求人が多く、薬剤師免許を取って職に就けない学生はいない」と話す。 城西国際大薬学部(千葉県東金市)でも、