NHKが本格的にインターネットの世界に進出した。テレビ番組を放送と同時にインターネットでも見られる「常時同時配信」などを楽しめる新サービス「NHKプラス」が4月1日から正式スタートする。利用申し込みは20万件を超えている。放送と通信の融合時代を象徴する取り組みだが、巨大組織がネットでの存在感を高めることに厳しい意見もある。公共放送からネットも含めた公共メディアを目指すNHKをどう改革すべきか。将来のあるべき姿とは。識者に意見を聞いた。(聞き手 森本昌彦) ■「あり得ぬ巨額資産、分割民営化せよ」 経済評論家の上念司氏 NHKの純資産(平成30年度末)は、単体決算で7666億円、連結決算では8646億円に上っている。民間企業でいうと、三菱自動車や出光興産に近い規模だ。公共放送は金をもうける必要はないわけで、あり得ない数字だ。 これだけの資産をため込みながら、一部で「荒っぽい」との指摘を受けるよ