マイナンバー(個人番号)制度を軸とする行政のデジタル化を、来年にかけて一気に進める―。政府が具体策の検討を本格化させている。 関連法の改定法案を来年の通常国会に提出する構えだ。個人情報の一元管理につながりかねない制度が強引に押し広げられないか。厳しく見ていく必要がある。 見直しの柱の一つは、預貯金口座との連結の義務化だ。一人1口座をマイナンバーとひも付け、緊急の経済対策などに際して給付の迅速化を図るという。 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う一人10万円の特別定額給付金の支給に手間取ったことが背景にある。マイナンバーカードを使ったオンラインでの申請が事務作業の混乱を招き、受け付けを中止する自治体が相次いだ。 そもそもの原因は、対象者を限定していた当初の給付方針を政府が一転させ、準備が追いつかないままシステムを稼働させたことにある。機に乗じてカードの普及につなげようとする思惑が絡み、事態をや