「家出のドリッピー」という物語を読んだ。 かわいらしい雨つぶの子どもドリッピーが家出をして、キリギリスに出会ったり、風に運んでもらったりして旅をするというお話だ。 おとぎ話っぽくて、とてもおもしろい。 ただし一方で、実際の雨つぶの旅はもっとリアルでえぐいものに違いない。下水管で汚水にまみれ、下水処理場で再生されるドリッピー。そんなお話もあっていいんじゃないか。 ファンタジーの余地のないツアーに行ってきました。 (text by 三土たつお) 雨つぶの旅を追いかける 空から降ってきた雨つぶドリッピーの旅を追いかける。そんなつもりで雨つぶのゆくえを見てみることにしたい。 もちろん、ここでのドリッピーはしゃべったり悲しんだりすることはない。リアル液体としての雨つぶだ。 まずは地面に落ちてくるところから