経営再建中の東芝が28日に開く定時株主総会に向け、米国の議決権行使助言会社グラス・ルイスが東芝の一部株主に、会社側が提案する綱川智社長ら9人の全取締役の再任案に反対するよう勧めていることが分かった。 助言会社が企業の取締役全員の資質を問題視するのは異例で、株主に重要な2017年3月期連結決算の正式報告を見送ることなどを理由としている。 助言会社は契約している投資家に対し、投資家が議決権を行使できる企業の株主総会で議案への賛否をどうするべきかアドバイスしている。グラス・ルイスの報告書は、東芝では15年に不適切会計問題が発覚して経営陣が刷新された後にも、米原子力事業で巨額損失が新たに見つかって決算報告が遅れるなど、「取締役会は適切に機能していない」と指摘。綱川社長についても「会社全体の監督ができていない」と批評した。