日産自動車は9日、栃木工場(栃木県上三川町)など国内5工場で、燃費や排ガスの測定データを改ざんするなどの不正を行っていたと発表した。対象は、抜き取り検査を行った1171台で、検査台数の半分以上を占めていた。日産では、資格のない従業員に完成車両の検査を行わせていた問題の発覚後もこうした不正を続けており、検査体制のずさんさが改めて浮き彫りになった。 不正があったのは、組み立てが終わった車両に対する抜き取り検査。燃費や排ガスの測定値が、自社で設定した基準を外れた場合に、都合良くデータを改ざんしていた。国の保安基準は満たしていると説明している。 測定の際、車の速度や試験室の温度や湿度が基準で定める範囲を逸脱していたにもかかわらず、適切に行われたかのように見せかけていたケースも確認された。 不正は少なくとも2013年4月から18年6月まで行われていた。 日産の山内康裕チーフ・コンペティティブ・オフィ