ニートや引きこもりと呼ばれる若者たちの自立を促すための厚生労働省所管の「若者職業的自立支援推進事業」、通称・若者自立塾が岐路に立たされている。27日まで行われた政府の事業仕分けで「費用対効果が小さい」として「廃止」とされたためだ。引きこもりから立ち直るには時間がかかるうえ、現在の不況下では就業もままならない。「現場を見ないで廃止なんて納得できない」。社会に出ることを目指し訓練する塾生らは“机上の結論”に憤っていた。 「8年間ずっと自分の部屋に閉じこもっていました。いわゆるゲーム中毒。他人と会話する方法も忘れていた」と奈良県宇陀市にある若者自立塾「室生館」の塾生はいう。この男性(32)は、大学卒業後、しばらくアルバイトをしたものの、次第に自宅でゲームやパソコンにのめり込み、ほとんど外出しない生活になった。「なんとかせんとあかんって思うんですけど、しばらくすると、まあええか、と思ってしまって」