チリ政府は、5月17日付の官報公示により、チリ南部アラウカニア州全域とビオビオ州のビオビオ地域とアラウコ地域に対し、緊急事態宣言(Estado de Excepción Constitucional de Emergencia)を発令した。 同宣言は、公序良俗に深刻な混乱がみられる場合や、国家の安全が危険にさらされている場合に大統領が発令できる宣言で、必要ならば地域住民の移動や集会の自由を制限する外出禁止令の発令が可能となる。今回の発令は、影響を受ける地域住民の日常生活への影響を最小限に抑えることを目的とし、対象地域の主要道路の自由な通過と安全を確保することに焦点を当てている。発令期間は15日間で、1回の延長が可能。2回目以降の延長については、国会での承認が必要となる。 同宣言を発令するに至った経緯には、南部地域の治安悪化がある。ガブリエル・ボリッチ大統領は、長きにわたりチリが抱える南部の