欧州中央銀行(ECB)は10日、予想に反して金融緩和解除を加速させた。ロシアのウクライナ侵攻が記録的な高水準にあるインフレをいっそう押し上げる恐れがあり、ECBはインフレを成長減速よりも懸念していることを示唆した。 ECBは、ウクライナでの戦争は欧州にとって「転換点」だと指摘。資産購入プログラム(APP)による債券購入は5月から減らし始め、7-9月(第3四半期)にも終了させる方針を示した。ただ、利上げはその直後とは限らないとくぎを刺した。 ラガルド総裁は記者会見で、「政策委員会はインフレ率が中期的に2%の目標で安定する可能性が強まっているとみている。ウクライナでの戦争は特にエネルギー価格への相当な上振れリスクだ」と説明した。