吉海 直人(日本語日本文学科 教授) タイトルの句を見て「あれ変だな」と思った方は、俳句に造詣が深い人か、それなりに教養のある人です。何も思わなかった人は金沢出身の人か、俳句に関心のない人です。さて、あなたはどちらでしょうか。 これはよく知られている俳句の一つですから、知っていて当然です。ただし一般には、「朝顔につるべ取られてもらひ水」という形で流布しています。ところが千代女の直筆に「朝顔や」と書かれているものがあることから、本場の金沢では「や」の方を奨励しているのです(「に」から「や」に推敲)。だから金沢出身云々と言ったのです。 では「に」と「や」ではどのような違いがあるのでしょうか。なんだか古文の問題のようで申し訳ありません。文法的にはどちらも間違っていません。それならどっちがいいのでしょうか。わかりやすいのは断然「に」の方ですね。朝早く起きて井戸まで水を汲みに行くと、朝顔のつるが釣瓶
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く