全国の裁判員裁判で10月末までに言い渡された執行猶予判決のうち、保護観察を付けたケースが7割に上ることが、読売新聞の調べでわかった。 昨年の保護観察付き判決は過去最低の8・3%にとどまっており、市民の司法参加で大幅に増えた形だ。これまでは執行猶予付き判決の中でも悪質な事案に付される例が多かったが、識者は「裁判員裁判で保護観察の意味合いが変わった。社会が被告の更生を見守る手段として活用している」と指摘する。 犯罪白書によると、1960年代まで執行猶予判決の2割前後に保護観察が付けられたが、2003年に1割を割り込み、08年は過去最低だった。 しかし、裁判員裁判では10月末までに判決があった46件のうち、10件で執行猶予付き判決が言い渡され、このうち7件で保護観察が付けられた。家族間の事件や、判決で「更生を誓っているが、意志が弱い」と指摘した被告に付される例が目立つ。 山口地裁は9月、夫が妻の
児童ポルノ禁止法の余波が続いている。メディアの取材も何社か続いていて、先刻まで、毎日新聞の取材を受けていた。記者によると、自民・公明両党で「児童ポルノ禁止法改正案」が国会提出されたという。つい数日前まで、「与野党協議で修正案がまとまったから、社民党の判断を早くしてくれ」という矢のような催促が続いた状況とは一変した。国会が対決モードとなったこともあって、この臨時国会で急転直下成立へということは、おそらくなくなったと思う。しかし、同時に私たちは、この法案がさして重要でなく「議論する必要もないほど当たり前で必要なテーマ」という認識をメディアが垂れ流している環境は、政権交代前と変わらない。 「修正案」と言っても「自民・公明」絶対多数の7月の国会で、民主党が「対案」として提示した内容も含まれた7月当時の案が、政権交代後も「既定事実」のようによみがえり、「社民党が表現の自由と立法事実の再確認」などと面
民主党が20日未明に衆院本会議での法案採決の強硬姿勢を同日昼に急に軟化させたのは、党内の実権を握る小沢一郎幹事長の意向を山岡賢次国対委員長らが忖度(そんたく)しすぎた結果だ。「小沢氏の意向は百倍に拡大解釈されて国会運営に反映される」(政府高官)と揶揄(やゆ)されるが、民主党は今回も小沢氏の意向に沿おうとして採決を断行した後、今度は小沢氏の怒りに触れて柔軟路線に転じたようだ。小沢氏とそれ以外の党幹部の意思疎通のまずさが露呈した形だ。 「きょうも昨夜に続き、また激戦になる。生活にとって重要な法案をあげるためには今日、委員会審議を進めないと(会期末まで)もう間に合わない」 20日午前8時半ごろ、山岡氏は未明の中小企業等金融円滑化法案の採決強行で寝不足気味の新人議員140人を前に声を張り上げた。同日中に残る11法案について衆院委員会と本会議での採決を終えるという強硬路線宣言だった。 だが、事態はこ
自民党と公明党は20日、18歳未満の性的な画像を個人で見るためだけに所有する「単純所持」を処罰対象とした児童買春・児童ポルノ禁止法改正案を衆院に提出した。 同法改正では前政権時代の昨年6月に「性的好奇心を満たす目的」での所持を禁じる自民・公明案と、「有償または反復して取得」した場合に限る民主党案の双方が審議入り。3党間の修正協議で一本化を目指したが、衆院解散でいずれも廃案に。政権交代後も与野党間の協議を探る動きがあったが、民主党と連立を組む社民党に規制強化への慎重論が根強く、自民、公明のみでの提出となった。 現行法は画像の所持を販売・提供目的のある場合しか禁じておらず、日本で単純所持が合法であることがインターネット上での画像拡散を招いているとして、国際社会から批判されてきた。提出者の高市早苗衆院議員(自民)は「子どもを守るため、国民に見える場で早期に審議されることを望む」と話した。【丹野恒
性犯罪を審理する仙台地裁(川本清巌裁判長)の裁判員裁判で、被告の男に「あなたはむかつくんです」と強い口調で発言した50代の男性裁判員経験者が20日、判決公判後に記者会見に応じ、「感情的になった部分があった。でも裁判長の制止が平常心に戻るきっかけになった。人を憎まず、罪を憎むということですね」と語った。 審理対象になっているのは、女子高生=当時(15)=に対する強姦(ごうかん)致傷罪に問われた宮城県大崎市の無職、結城一彦被告(39)。 男性は19日の被告人質問で、結城被告に「裁判が面倒くさいと思わないか」「二度と繰り返さない気持ちはどれくらいか」などと繰り返し質問。答えに窮する被告に「『反省します』とか当たり前の答えしか返ってこない」と強い口調で話し、「あなたはむかつくんです」と発言。川本裁判長に「そのへんで」と制止された。 判決公判後の記者会見では、男性の発言に質問が集中。感情的になった理
北朝鮮関連船舶の貨物検査を可能にする法案など、政府が今国会に提出した法案が20日午前、衆院の各委員会で相次いで審議入りした。与党は同日中に新型インフルエンザ対策法案や日本郵政などの株式売却凍結法案を含め計11法案を委員会で採決したうえ、24日の本会議で衆院を通過、会期末の30日までに成立させる方針だ。しかし、わずかな審議時間での採決強行が続くことになり、野党側の反発は強まりそうだ。 20日未明の衆院本会議では、中小企業や住宅ローン利用者を対象に、金融機関に借金の返済猶予を促す「中小企業等金融円滑化法案」(返済猶予法案)が、自民、公明両党が欠席する中、与党と共産党の賛成多数で可決、参院に送られた。同日午前の多くの委員会も野党が欠席する中、審議が始まり、衆院法務委員会では、裁判官報酬法改正案など3法案が20日午前、与党の賛成多数で可決された。 与党が衆院財務金融委員会で返済猶予法案の採決を
政府は19日、売春の強要や強制労働など搾取する目的で行われる人身取引の防止・撲滅に向けて新たな「行動計画」の素案を策定し、パブリックコメント(意見公募)を始めた。平成16年12月に策定された現行の行動計画に、児童買春事件への厳格な対応や、児童ポルノ排除への取り組み強化などを新たに盛り込んだ。 素案は内閣官房のウェブサイトに掲載。意見公募は電子メールやファクスで、12月3日まで実施する。寄せられた意見を参考にした上で、鳩山由紀夫首相が出席する犯罪対策閣僚会議で正式決定する見通しだ。
性犯罪を審理する仙台地裁(川本清巌裁判長)の裁判員裁判で19日、男性被告が女性の首を絞めたかどうかを弁護側が争っていることについて男性裁判員が被告人質問で「両手か、片手でやったか関係ない。むかつくんですよ」と強い口調で発言した。裁判長は「そのへんで」と制止した。 男性裁判員はそれまで、被告に繰り返し質問。被告の供述に「反省しますとか、当たり前の答えしか返ってこない」と非難していた。審理対象は、10代女性への強姦(ごうかん)致傷罪に問われた結城一彦被告(39)。昨年10月、路上で自転車の女性を転倒させ、首を絞めて乱暴したなどとして起訴された。 弁護側は18日の冒頭陳述で、起訴内容を大筋で認めた上で、詳細な状況を争うことについて「さまつと受け取られるかもしれないが、刑事裁判の目的には事実の真相解明もある」と述べていた。
衆院財務金融委員会は19日午前の理事会で、中小企業金融円滑化法案について同日中の採決を玄葉光一郎委員長(民主)の職権で決め、続く委員会で自民、公明両党が欠席する中、可決した。与党は法案を午後の衆院本会議に緊急上程し、同日中に可決、参院に送付する方針だ。自民党は委員会採決後に玄葉委員長解任決議案を提出した。松本剛明(たけあき)衆院議院運営委員長(民主)の解任決議案も提出する。与党は決議案を否決していく。 法案は17日の衆院本会議で質疑が行われた後、同委に付託されたばかり。与党は、残りの政府提出法案についても30日までの会期中にすべて成立させるため、審議時間を大幅に抑えようとしている。 自民、公明両党は、鳩山由紀夫首相の政治資金収支報告書虚偽記載問題などの追及を逃れるための「鳩山隠しだ」(川崎二郎・自民党国対委員長)と反発を強めている。両党の国対委員長は19日午前、横路孝弘衆院議長に会い、与党
衆院財務金融委員会は19日午後、金融機関に返済猶予などを促す中小企業金融円滑化法案を自民、公明両党欠席のまま採決に踏み切り、与党の賛成多数で可決した。共産党は質疑で「審議を続行すべきだ」と主張したが、採決では賛成した。民主党は午後の本会議に緊急上程し、与党の賛成多数で可決する見通し。自民、公明両党は民主党の採決方針に反発し、19日午前の参考人質疑も欠席した。 政権交代後、初めての採決強行となった。民主党は会期末が30日に迫っていることをにらみ、日本郵政株式売却凍結法案などについても、野党との日程協議が調わない場合は各委員会審議に踏み切る方針。自民党は玄葉光一郎財務金融委員長(民主党)の解任決議案を提出し、国会は一気に緊迫した。 中小企業金融円滑化法案は、18日の衆院財務金融委員会で審議入りしたばかり。玄葉氏は採決に先立ち、記者団に「政権交代後、最初の法案採決がこのような形になるのは残念だが
「児童ポルノ禁止法」をめぐる昨日の記事に対して、たくさんの反響をいただいた。しかし、委員長提案で全会一致という「水面下の動き」が活発化したことと、 夕方4時から開かれた自民党法務部会の決定が「自民・公明」案で国会提出することを決めたというのだから、「いったいどうなっているの」という問い合わせが届いた。まずは、共同通信のニュースは次のように書いている。 [引用開始] 児童ポルノ改正、再提出へ 自民「単純所持」禁止 自民党は17日の法務部会で、個人が趣味で児童ポルノ映像を持つ「単純所持」を規制対象に加える児童買春・ポルノ禁止法改正案の今国会提出を正式決定した。公明党に共同提出を呼び掛ける。 改正案は自公両党が与党当時に提出したものとほぼ同じ内容。先の通常国会では、購入などを規制する対案を提出した民主党と自公が修正協議を進めたが、衆院解散で両案とも廃案になった。 自民党の森雅子法務部会長は「与野
裁判員裁判が8月に始まってから10月末までに46件の判決が言い渡されたが、検察側が控訴したケースはまだない。 判決の中には、求刑の半分にまで刑が軽減されたり、起訴した罪の成立が認められなかったりしたケースもあるが、いずれも控訴を見送った。背景には、裁判員として加わった国民の判断を検察が尊重するなど1審の重みが増したという事情がある。 これまでの裁判員裁判の判決に対し、11日までに控訴が出されたのは弁護側による10件(1件は取り下げ)にとどまる。司法統計によると、昨年に言い渡された控訴審判決のうち、検察側が控訴したケースは殺人・同未遂事件で約12%、強盗致死傷事件で約5%あった。 裁判員裁判の判決は、大半が求刑の6割から求刑年数までの範囲に収まっているが、検察側の求刑とかけ離れたケースもある。 大阪地裁であった覚せい剤密輸事件の裁判員裁判では、9月9日、懲役10年の求刑に対し同5年の判決が言
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