この記事の写真をすべて見る 作家の高橋源一郎さんの新著『たのしい知識 ぼくらの天皇(憲法)・汝の隣人・コロナの時代』(朝日新書)は、高橋さんが開こうとしている私塾の「教科書」なのだという。学校嫌いの高橋さんが考える「知」や「先生」の役割とは? 高橋さんにお話を伺った。 * * * ――なぜ教科書を作ろうと思ったんでしょうか。 2005年から明治学院大学国際学部の先生になりました。引き受けたものの、何を教えたらいいのかわからない。ぼくは大学紛争の時期に入学して、ほぼ授業を受けないまま満期除籍ですから、大学という場所が何をするところなのか知らなかったのです。 そもそも、いわゆる「学者」ではないぼくが大学で教える意味はなんだろう。そこから、考えはじめました。たとえば、自分はどうやって学んできたのか。誰に教わって作家になったんだろう、と。 ――どんな先生に教わったのか気になります。 自分の先生