筆者は今年1月、欧州中央銀行(ECB)が量的緩和(QE)を始める意思を明らかにする数日前に、世界のジャーナリスト、政策立案者、投資家が集まるジュネーブのセミナーに出席した。 セミナーでの議論は、安倍晋三首相が2012年に画期的な経済改革戦略に乗り出す前の日本の議論と酷似しており、非伝統的な金融政策が持つ潜在的な変革力の理解不足を反映していた。 非伝統的な金融政策に対する理解不足 実際、セミナーでは、欧州のエコノミストとジャーナリストが否定的な口調で話した。特にドイツ人はその傾向が強かったが、一部の英国人さえ否定的だった。 一部の人は「金融政策の力は限られている。金利がこれほど低い場合は特にそうだ」と言い、また別の人は「緩和型の金融政策がポートフォリオ入れ替えを促すことを期待することはできない」と付け加えた。 こうした発言は、嫌というほどお馴染みのものだったし、QEに基づく現行戦略によって日