会談前に握手をする岸田文雄首相(右)と韓国の尹錫悦大統領=首相官邸で2023年3月16日午後5時15分、竹内幹撮影 岸田文雄首相は16日、来日した韓国の尹錫悦大統領と首相官邸で会談した。「シャトル外交の再開」などで一致した今回の会談を専門家はどう見るのか。日韓関係に詳しい2人の有識者に聞いた。 政権交代しても協力続く枠組みを 伊藤弘太郎・法政大特任講師 今回の日韓首脳会談は、2015年の慰安婦問題に関する合意後から翌16年の軍事情報包括保護協定(GSOMIA=ジーソミア)締結時にかけてあった関係改善の機運が戻る契機となり、両国の従来よりも踏み込んだ安全保障協力の実現につながるのではないか。 東アジアの安保環境は悪化しており、両国が接近するのは双方の危機感の表れだ。日本は今年の主要7カ国(G7)議長国として、5月に広島で首脳会議(サミット)を開く。基本的価値を共有する西側諸国の連帯に向け、リ