日銀の超低金利政策に甘えてきた借金財政を、政府はいつまで続けるつもりなのだろうか。 日銀は昨年末、市場で取引される国債の上限金利を従来の倍となる0・5%に引き上げた。それまでは国債を大量に買い集めて、金利を0%近辺に抑え込んできた。事実上の利上げである。 世界的なインフレを受け、米欧が大幅利上げに踏み切った。各国の国債金利も上昇圧力が強まり、日銀は政策修正に追い込まれた。 物価高は長期化しており、日銀は金利の上限をさらに引き上げざるを得ないとの見方が多い。異次元緩和を主導してきた黒田東彦総裁は4月に任期が切れる。 アベノミクスの柱として10年近く続いた金融政策が転換期に差し掛かったと考えるべきだろう。 そのツケが政府に重くのしかかる可能性がある。国債の元利払いに充てている費用は既に年20兆円を超す。金利が1%上がれば、支払い額は3・7兆円も増える。 だが、大盤振る舞いしてきた政府の危機感は