18世紀に起きた産業革命以降、人類は科学技術の発展を追い求めてきた。農業や工業の生産性は飛躍的に向上し、医学の進歩で寿命も延びた。 一方、人間の活動によって自然は大きく損なわれた。地球環境は危機的な状況にある。 地球は、人類が圧倒的な影響力を及ぼす「人新世」の時代に入ったのではないか。地質学者らの間で議論が始まっている。 46億年の地球史を、地層から出土する遺物の特徴によって分類する地質年代の新しい呼び名だ。英語で「アントロポセン」、日本語では「じんしんせい」「ひとしんせい」と呼ばれる。 未来の地質学者は、この時代の地層から、おびただしい量のプラスチックや核実験の生成物であるプルトニウム、重金属などを見つけることになるだろう。 コンクリートなど地球上の人工物が、総重量で生物を上回ったとの試算もある。 大量消費モデルは限界 人新世を象徴する現象が地球温暖化の進行だ。各国の取り組みにもかかわら