認知症の患者や家族にとって、待望の薬となる可能性がある。 製薬大手エーザイが、アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」の承認を厚生労働省に申請した。 国内の65歳以上の認知症患者は600万人を超え、2025年には高齢者の5人に1人に達するとされる。 アルツハイマー病は認知症の7割を占める。原因としては、脳の中にたまって神経細胞を壊す異常なたんぱく質「アミロイドベータ(Aβ)」が有力視されている。レカネマブは、定期的な投与によってAβを除去する仕組みだ。 効果を期待できるのは、認知症を発症する前段階である軽度認知障害(MCI)の人や早期の患者だ。臨床試験では、投与を受けた人は受けていない人に比べ、症状の進行が27%抑えられた。 これまでにない画期的な結果だった。米国では、今月6日に迅速承認された。 ただし、留意しなければならない点もある。 壊れた神経細胞を修復することはできないため、既に進行した