京都市は10日、清水寺に続く参道「産寧(さんねい)坂」(東山区)の雑貨店が、無許可で伝統的建造物の外観を改修したとして、元の状態に戻す行政代執行を始めた。 指定地区内の建築様式を保護する「市伝統的建造物群保存地区条例」に基づく措置で、1976年の条例制定後、行政代執行は初めて。 産寧坂は土産物店や飲食店が立ち並び、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている。 店舗は昭和初期の木造2階建てで、昨年5月から店主のチリ人男性(51)が賃借している。改修には市と市教委の許可が必要だが、同店は無許可で正面外壁の木板を外し、ショーウィンドーに改装していた。 市職員ら16人が午前10時に同店を訪れ、代執行宣言を読み上げた後、外壁に木板を取り付けるなどの作業を行った。