萌え絵は想像力を養わないは本当? 『新訳 赤毛のアン<上>完全版』(KADOKAWA) 絵本に使われる萌え絵は、今を感覚的につかみ取っている子どもたちに認められた絵柄であるということだが、絵本や児童書の萌え絵化に抵抗を示す大人の中には、「表情がはっきりしていることで、子どもの想像力が養われない」といった懸念を抱く人もいるようだ。それゆえ、子ども向けの本には、昔からのフラットなイラストが望ましいというのだが、それに対しても赤木さんは異論を唱える。 「モーツアルトは3歳で交響曲を聞いて飽きませんでしたが、普通の子は寝ますよね。それと同じように、古くからのいいものを受け取るには、その子自身に“いい器”が必要なんです。イラストにしても、最初から昔ながらのフラットな絵に感情や情景を読み取ることができるのは、それを受け止める才能のある子どもだけ。一般人の子にはムリです。もちろん、いい器を育てることもで