天皇陛下のご即位20周年を心よりお祝い申し上げます。 主に平成の御代の中で生きてきた国民のひとりとして,陛下のご在位が20年目を迎えられたことは非常に喜ばしいことであります。平成の御代がなるべく長く続くことを願ってやみません。 ですが一方で,式典の様子をちらちらと拝見しましたが,どうも出席し祝辞を述べておられる方々の頭の中から,わが国の先住民族・少数民族の存在が消えてしまっているのではないかという懸念を憶えます。それはその無視された諸民族のみならず,日本国民全体,さらには陛下の不幸であります。このような不幸な考えを,まことに無礼な発言で申し訳ありませんが,国家の象徴という陛下の就いておられる地位が増幅してしまっているのではないか,という懸念を,わたしは拭うことができません。 陛下,われわれはかつてご皇室に国家を背負わせてきました。1000年以上にわたって,おそらくはそうでした。ですがその