科学以前、プリオンについてのエントリを書いたところ、「用語を正確に使って欲しい」という旨のコメントをいただいた。「プリオン」とはタンパク質性の感染因子で、何らかの原因で生じた異常型の"ホニャララ"タンパク質が正常型を次々と異常型へ転換していって増殖する。"ホニャララ"は何であっても構わない。「ウイルス」って言ったらそれがインフルエンザウイルスだったりHIVだったりするように。哺乳類の場合「プリオン」と言えば感染性を持つPrPSc、「プリオンタンパク質」ならば、PrPの正常型(細胞型)であるPrPCあるいは異常型のPrPScということになる。以前のエントリではあんまりこの辺を区別して書けていなかった。 さて、実は酵母(出芽酵母)にもプリオンがある。哺乳類PrPとは縁もゆかりもないタンパク質だけれども、プリオン様の振る舞いを示す。そのひとつがSup35というタンパク質*1。通常は翻訳終結因子と