JR西日本が11日発表した管内ローカル線の収支状況で、兵庫県但馬地域の播但線(和田山-寺前間)と山陰線(城崎温泉-浜坂間、浜坂-鳥取間)はいずれも赤字だった。沿線の観光関係者や住民からは「上下分離方式」に伴う地元への負担増や採算改善に向けた減便などを心配し、地域経済や利便性への配慮を求める声が上がった。(小日向務、長谷部崇、末吉佳希) 朝来市観光協会は、新型コロナウイルスの収束後を見据え、昨秋からインバウンド(訪日外国人客)の誘致を強化する方策を検討してきた。姫路市の世界遺産・姫路城や豊岡市の城崎温泉など周辺の観光地などとの連携を模索する。大阪や京都と結ぶ周遊ルートを定めて「PRしていきたい」という。 同協会の吉原剛史さんは「インバウンドの誘致には鉄道など公共交通は欠かせない。貸し切り列車などと組み合わせたサイクルツーリズムも考えており、影響がないか不安だ」と話す。 香美町香住観光協会の浜