これまで「和魂漢才」と「和魂洋才」で生きてきた日本人。グローバル化が急速に進む中 で、日本人はあらためて「日本文明とは何か」「日本人とは何か」を問われている。これからの時代を生き抜くために、日本人に求められる教養とは何か――。 宗教学者の山折哲雄氏が、有識者との対談を通して、日本人の教養を探る。 ※ その1:愛国心でも愛郷心でもない、日本人の教養 ※ その2:今の日本人は“情”が欠如している ※ その3:若者に日本の歴史をどう教えるべきか 安西:私は小中学校で、日本の原風景からの歴史をある程度教えていくべきだと思います。その一方で、日本の若い人たちが自分からそういうことを知りたいと思う環境を作ってくことも大事だと思います。そうでないと本当の血肉になりにくい。 それにはいろいろなやり方があって、例えば外国に出ると、そうした歴史を勉強したくなりますし、中国、韓国の人たちと話をすればむしろ日本に