2010年春。1992年の最優秀2歳牡馬エルウェーウィンが浦河町の優駿ビレッジAERUにやってきた。20歳での移動を危惧する声もあったが「環境の変化にもすぐに慣れて体調はすこぶる良いですよ」というのは乗馬部門の担当マネージャー、島村博さんだ。 現在エルウェーウィンは、AERUの功労馬放牧地でミホノブルボンのライバルだったヒシマサル、そしてジャンパーとして活躍したケイティタイガーとともに余生を過ごしている。 不敗の2歳王者。それもビワハヤヒデをねじ伏せてのG1優勝というタイトルは18年の歳月を重ねても、その輝きを失っていない。「訪ねてくるファンも多いですね。やっぱりこの馬のレースは印象に残っているのでしょうか」と島村さんが言う。 2歳秋の新馬戦、そして京都3歳S、朝日杯3歳S(G1)と不敗の3連勝で2歳チャンピオンになったものの、その後は骨折による長期休養を余儀なくされた。復帰したものの精彩