「グラン・トリノ」を観ました(@TOHOシネマズ横浜)。 タイトルロールの後、すぐさま描かれる「妻の葬式のシーン→息子夫婦&その子どもたちとの不和」という辺りを観て、もしかしたらこれは、イーストウッドにとっての「東京物語」なのではないか?と思いました。 「東京物語」の終盤にあった妻との別離で「グラン・トリノ」は幕を開け、血の繋がりのないモン族の隣人たちを、最初こそ偏見に凝り固まってた目で見ていた主人公の老人:ウォルトは、彼らとの交流を深めていく過程で「実の家族と接するより気が楽だ」というようなことを呟きます。これは笠智衆が、亡き息子の嫁である原節子に対して「(実の子どもたちより)あんたが一番わしらによくしてくれた」という構図と符合します。 ただ、ウォルト・コワルスキーという老人は、子どもたちの家々をたらい回しにされ、挙句に熱海の温泉地に追いやられても決して怒ることはない寛容さとは対極にある