ジャニーズ事務所(当時)を創業したジャニー喜多川氏(2019年死去)による性加害が社会問題化して、1年が過ぎた。旧事務所からアイドルらを引き継いだ新会社が本格始動したが、スターを夢見る子どもたちをさまざまな形で追い込みかねないアイドル業界の土壌を変える機運は高まっていない。国連人権理事会の作業部会は、アイドル産業では若いタレントがプロデューサーの要求に従わざるを得ない契約を強いられているなどと指摘。こうした環境が加害者側を罰しない風潮を生み出し「性暴力やハラスメントを助長している」としている。 人気グループ「アンジュルム」元メンバーの和田彩花さん(29)は、「ハラスメントのようなことに気付きにくい」業界の問題を指摘し、意識改革を訴える。法規制が進むアメリカのエンターテインメント業界の児童労働に詳しい琉球大准教授の白木敦士さんは、日本の構造的な課題を挙げ、「『次の喜多川氏』が出現しないとも限