父は身勝手で生活全般だらしなかった。 一緒にいると恥ずかしい思いをすることが多かった。 そんな父でよかったと思うことがある。 私自身にだらしなさとデリカシーのなさへの耐性がかなりあるのだ。 恥ずかしい… 子どもの頃。 父が普段じぶんだけ飲み歩いてばかりいるので、ほんとに時々だが罪滅ぼしで外食に行くことがあった。 父は小綺麗な料理屋やとんかつ屋みたいな店にも裸足にサンダルばき、 ギャンブラーの証の赤ペンの染みがついたジャンパーでズカズカと店内にすすむ。 たいていの場所でなんとなく場違いだ。 びっくりした顔でチラッと見られる事が多かった。 声もムダにでかくて目立つのだ。 自分が食べ終わると、堂々とゲップをしながら支払いを済ませさっさと店を出てしまう。 飽きちゃうのだ。 ここまで聞いただけで普通の人は眉をひそめるような下品な父。 普通のお父さんなら、子供が食べ終わるまで席で待つだろう・・・ 自分