いつまでも実家に居座り、働く様子のないわが子。このままでは、自分たちの生活すらいつまでもつかわからない……現代の日本では、こうした悩みを抱える高齢者世帯が少なくありません。昨今深刻化している「8050問題」の実態と、家庭を崩壊させずにこの状況から抜け出すための対処法について、牧野FP事務所の牧野寿和CFPが、事例をもとに解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額 悠々自適な生活が崩壊…原因は無職息子の「実家占拠」78歳の夫(Aさん)と76歳の妻(Bさん)の夫婦は、どちらも公務員。年金を2人合わせて月37万円ほど受給しています。毎月の家計支出額は約33万円※で、貯蓄は4,000万円。毎年夫婦で旅行にも行き、悠々自適な老後の生活を過ごしていました。 ※ 老後の最低日常生活費は月額で平均23.2万円。ゆとりある老後生活費は平均37.9万円(生命保険文化センター「