タグ

ブックマーク / www.honzuki.jp (19)

  • mizuさんの書評 ガラシャ【本が好き!】

    単なる恋愛小説ではない。 大切な人をひたすら愛し続ける儚い者たちを描いた物語である。 ガラシャは、能寺の変を企だてたことで有名な明智光秀の娘ある。そして、ガラシャという名前からも想像できるようにキリシタンである。 父、光秀が信長を討伐したせいで罪人の娘となり、幸せな生活が一変したにもかかわらず、ガラシャが父を愛する気持ちは色あせない。 また、そんな不幸なガラシャを懸命に支え、守り抜こうとするガラシャの侍女、糸。人は皆、自分がかわいいものだけど、糸はいつもガラシャの幸せだけを祈り、生きてゆく。 そして、ガラシャの舅、幽斎。 幽斎の明智光秀に対する熱く深い思い。友情という言葉では表しきれない人間愛。 一応は恋愛長編として謳われているので、ガラシャの恋心やガラシャの夫である細川忠興の狂った愛情なども描かれているが、印象に残ったのはむしろ色恋を超えた人間愛だった。 戦国の世の、いつも死と隣り合わ

    mizuさんの書評 ガラシャ【本が好き!】
  • 四次元の王者さんの書評 ルポ - 子どもの無縁社会【本が好き!】

    僕が書を手に取ったのは、僕らリタイア世代を支える若年層、子どもたちが今、どんな状況にあるのかを認識したかったからだ。 しかし書の内容、そんな生易しいもんじゃなかった。 冒頭に映画「誰も知らない」のストーリーが紹介される。 主演の男の子がカンヌ映画祭で主演男優賞を取った作品で、戸籍がなく学校にも通えない母子家庭の4人の兄弟を描いている。 母親が行方不明になり、誰にも知られずひっそりと命を絶つ女の子。 一生懸命に兄弟を支えていく主人公の男の子の絶望感……。 実は僕は書の題名を見て、まずこの映画を連想した。 その意味で書、僕のイメージどおりの内容だった。 構成は、救いようのない事例から現実的な社会問題へと順を追って章が展開する。 まず戸籍に名前が載せられず、文字通り闇から闇へと葬られてゆく児童の存在からスタート。 そして住民票にもとづいて生徒を管理する仕組みの義務教育の現場。 毎年公表さ

    四次元の王者さんの書評 ルポ - 子どもの無縁社会【本が好き!】
  • かもめ通信さんの書評 ファミリー・ライフ【本が好き!】

    移民の家族を描いた作品も、介護問題を正面からとらえた作品も、今ではもう決して珍しくはないかもしれないが、それでもこの一見静かで地味にも思える物語には驚きがつまっていた。 彼の記憶にある限り、両親は互いに相手を悩ませてばかりいた。 決して仲のいい夫婦とはいえず、 意見を違えることも多かったが、 生まれ育ったインドを後に 一家でアメリカ移住することには意見の一致を見いだした。 もっとも、当初から積極的だった父と違って、 高校で経済学を教えるという仕事に満足していた母の方は、 乗り気だったわけではない。 それでも母が決心をしたのには、 当時のインドの政情の影響もあったが、 なによりも彼と兄、二人の息子の将来のためだった。 とりわけ両親が成績優秀な彼の兄・ビルジュにかける期待は大きかった。 栓をひねれば出るお湯、 ボタン一つで動くエレベーター 郵便受けに投げ込まれるカラーのチラシ、 大きな図書館

    かもめ通信さんの書評 ファミリー・ライフ【本が好き!】
  • 休蔵さんの書評 世界は変形菌でいっぱいだ【本が好き!】

    世界には変形菌という生き物がいっぱいいるという。 書は、16歳の著者が変形菌と暮らしながら研究した10年の記録だ。 著者は5歳のときにNHKの「プラネット・アース」を見て変形菌に魅かれたという。 そして、お母さんに「あれがみたい」とねだった。 すばらしいのはお母さん! 日変形菌研究会なる研究会を探しだし、そこに著者とともに参加することに。 お父さんもフィールドワークを共にする。 家族の献身的とも言えるサポートが著者の成長を促したようだ。 この好スタートを大いに活かして、著者は変形菌の世界に潜り込んでいく。 などで知識を深めることは当たり前で、彼は変形菌を飼育して観察しつつ実験を行っているのだ。 研究をするための明確なテーマを著者は持っている。 例えば、同じ種類だけど、産地が異なる変形菌の比較検討。 その対象としてはイタモジホコリを選定しているが、その理由は比較的見つけやすくて育てやす

    休蔵さんの書評 世界は変形菌でいっぱいだ【本が好き!】
  • Scorpionsさんの書評 誰も教えてくれない 真実の世界史講義 中世編【本が好き!】

    ■世界史がつまらない当の理由 「馴染みのない単語ばかりで覚えられない」、「つながりがよくわからない」、「イメージしづらい」・・・ 「世界史がつまらない」というときに、よく耳にする理由といえば、このあたりではないでしょうか。 かくいう私もそうでした。 古代ローマ、ギリシャ、キリスト生誕の話をしていたかと思うと、項羽・劉邦が登場。隋・唐時代の中国の話になり、いつの間にやら十字軍が登場してきて、ルネサンスが起き、あっという間に産業革命が起きる。 そうこうしているうちに、3学期も終わりに近づき、さらに授業の進行スピードは加速。 アヘン戦争があって、ナチス・ドイツが現れ、米ソ冷戦が訪れる。 前後のつながりなんぞお構いなしに、かけ足で駆け抜けて終了。 こんな授業の進め方では世界史がつまらないものになってしまうのも当然なのですが、世界史がつまらない当の理由は、授業の進め方や単語、登場人物への馴染みの

    Scorpionsさんの書評 誰も教えてくれない 真実の世界史講義 中世編【本が好き!】
  • 量子的跳躍者さんの書評 ルポ - 子どもの無縁社会【本が好き!】

  • ayamayu11さんの書評 おとなの教養―私たちはどこから来て、どこへ行くのか?【本が好き!】

    ちょうど一年前、私は高専に進学した息子の懇談でアメリカ人の担任の先生と話をした。一般教養科目を及第点にすることに必死で、せっかくの息子の得意な理系専門科目の成績が下がってきてると私は話したが、先生は教養科目の大切さを必死に主張していた。 今、思えば恥ずかしい話である。 池上さんいわく大学設置基準が自由になったことで、各大学は学生に評判の悪い一般教養科目をやめてしまおうという動きになり、結果的に常識のない若者が増えたと言われているらしい。 一番きっかけになったのは1995年の地下鉄サリン事件。オウム真理教には理科系のエリート大学の卒業生が数多く入信してサリンを製造していたという。なぜそのような事態が起きたのか著書でも自論を述べている。 ハーバードやマサチューセッツ工科大など海外のエリート校では、すぐに役に立つことはすぐ役に立たなくなる。すぐには役に立たないことが実は長い目で見ると役に立つ と

    ayamayu11さんの書評 おとなの教養―私たちはどこから来て、どこへ行くのか?【本が好き!】
  • いなさんの書評 主婦病【本が好き!】

    結婚して数年も経つと、夫婦生活の有無に関わらず、夫の性はにとって負担になっていく様子が印象的だった。 このは、専業主婦、子供の居ない主婦、と言った一見気楽な立ち位置の女性の、言葉にすることが難しい澱みのようなものを表現した短編集でないかと思う。 各話にほぼ共通しているのは、不倫している夫、変態風俗に通う夫、ゲイの夫…など、とは違うところで性欲を発散している夫と、そんな夫に対し自分の性に向き合うである。 夫婦の性がすれ違っていく話が多いが、夫の日常を支える主婦が、生活の中でも夫とすれ違っていく様子が、端的に表現されているシーンが多い。 そして、主婦の抑圧された性=生命力もよく表現されている。 どの話にも共通して、「金髪で黒い服の若い男」が登場する。 夫たちは言葉にできない負担や不満を日々の生活で与えてくる。しかし経済的には安定をもたらしてくれる。 その対極の存在として、忘れてしまって

    いなさんの書評 主婦病【本が好き!】
  • あかつきさんの書評 砂漠の女ディリー【本が好き!】

    女子割礼――。 アフリカの赤道直下の一帯(および、アフリカ系移民のあいだ)で今なお行われている風習だ。1999年時点で、年間200万人の女子に行われているという。 男児の割礼は、包皮を切って亀頭を露出させるのみだが、女児の割礼は陰核の切除のみに始まり、陰核を切除した上に大陰唇・小陰唇を削ぎ取った後、排泄と月経のための小さな穴を残して縫い閉じてしまうものまで様々である。 切除には、ナイフや石、ガラス片や歯などが用いられ、縫い閉じられた会陰は夫となる男性がナイフで切開する。 今では、「割礼」と言うより「女性器切除」と表現するのが現状に則している。 何のためにその風習ははじまったのか。 その起源は二千年前とされる。おそらく、貞操帯や、中国の纏足のようなものだろう。 純潔と貞節の証、女が性の歓びを知ることへの根源的な恐怖、夫の快感を高めるため。 女性蔑視としか思えない風習だが、当事者たちにとっては

    あかつきさんの書評 砂漠の女ディリー【本が好き!】
  • 臥煙さんの書評 異国トーキョー漂流記【本が好き!】

    早稲田大学探検部出身の筆者が東京で出会った変な外国人たち。笑いの中にもほろ苦いペーソスの混じった極上のエッセイ。 探検部出身。海外に怪獣を探しにいったり、ゲテモノ料理べたり、多くの著作のある筆者。 日で出会った変な外国人たち。多くは海外を訪問するための語学の勉強。 故郷を離れ異国トーキョーで暮らす外国人。 自分探しの旅の途上に出会った前衛舞踏を学ぶフランス人女性のシルビィ。 社交的、日では黒人男性がモテる、陽気なようで実は孤独だったコンゴ人のジェレミー。 スペイン人のパロマにスペイン語を学びながら筆者の彼女との別れについて。 征服され文化を抹消された民族の哀しみ、せい複写の言葉でしか自己を表現できないジェレミーの兄、コンゴ人作家のドンガラ。 悪徳業者に騙されペルーからはるばる日に働きにくるが、結局帰国するウエキ。 大連から日そしてカナダへ。中国政府と日、カナダ、少しでも住みや

    臥煙さんの書評 異国トーキョー漂流記【本が好き!】
  • のり(^ ^)さんの書評 青の数学【本が好き!】

    問題を解けると感じた際のたかぶりや、書きなぐって解を導き出せたときの達成感を思い出しました。 数学、いいですよね! 数学を苦手な人でも楽しめるストーリーです。というのも、中二の娘のお気に入りで、借りて読みました。 数学オリンピックで惨敗した栢山は、尊敬する柊先生の言葉を胸に、古書店の主人の教えを受けます。ネット上での数学対決を知り、対戦しながら壁にぶつかり成長していきます。その先には、以前偶然出会っていた京花凛の数学が見え隠れしています。 数学の話も興味深いですが、高校生たちのそれぞれの葛藤も描かれています。数学をする人たちの悩みもあるようです。なぜ数学をやるのか? なぜ対決するのか? 数学にどっぷり浸かったものにしか知ることができない世界が描かれているかのように感じて、とても惹きつけられました。しかし作者は文系出身で数学者ではないようです。だからこの距離感で読みやすいのでしょう。 この作

    のり(^ ^)さんの書評 青の数学【本が好き!】
  • マーブルさんの書評 科学の扉をノックする【本が好き!】

    『博士の愛した数式』で優しい世界を見せてくれた作者が、科学の世界を訪ねた。作家の目を通して見たその世界はより魅力的で、初めて望遠鏡を通して見た月の冷たい明るさや、博物館にひっそりと輝く鉱物を思い出す。 文系の代表格でありそうな作家である作者が科学の世界を訪れる。 そこに描写されるのは当然作家の目を通した世界。科学者がその立場から自らの仕事を語るのとはおのずと色合いが違ってくる。 宇宙の秘密に触れて人間を考える。 鉱物の永き美しさに人の命の一瞬の大切さを知る。 遺伝子とそれを創りだした存在に、死について安らぎを抱いて考える。 極小世界を見るために作られた道具に、人間の探求心を知る。 アメーバのような粘菌が危機に際し、個々が集まって一つになり、ナメクジのように移動。適当な環境を見つけ、細胞壁を体内に作り固定化。子孫を残すために自らを犠牲にして胞子を作る話は生命の不思議さを感じる。 動物の遺体を

    マーブルさんの書評 科学の扉をノックする【本が好き!】
  • 爽風上々さんの書評 火山と地震の国に暮らす【本が好き!】

    では常に火山噴火と地震の脅威にさらされていると思うことが必要なようです。火山学者の著者がそのような実情について、様々な思いを書いています。 火山学者の鎌田さんは火山の知識についての書籍も多数出版されていますが、このはそういった知識以外の随筆的な思いを書かれたものです。 したがって、特に火山や地震の災害発生と科学者の研究との関連など、知識を伝えるということに関しての思いと言ったものも含まれています。 書出版は2011年7月で、ちょうど原稿を書き上げて見直している最中に東日大震災が起こったそうです。 そのあとにも余震や関連する地震、さらにそれらによって刺激されたかのような火山噴火も続いています。 また東南海の巨大地震も危惧されている中で、科学者の研究とそれをいかに防災、減災につなげるかと言うことも重要になっています。 著者は火山学が専門ですので火山噴火の災害についての記述が多いのです

    爽風上々さんの書評 火山と地震の国に暮らす【本が好き!】
  • やまけるさんの書評 ヤクザ1000人に会いました!【本が好き!】

    ときおり、を読む前から、「もうこの面白いに決まってる!」 とわかるときがある。 私見ですが、以下3つの条件にあてはまるものはまあ大体面白いと思ってます。 一つは、面白かった作品の続編 一つは、信頼できる読書家が絶賛している作品 そしてもう一つは、綿密な取材に基づいて書かれている作品 書、『やくざ1000人に会ってきました』はこのうち3つ目に当たると直感しました。 1冊のかくためにやくざ1000人に会う人が今までにいただろうか? (いやいない) もちろん仕事の関係でよく会うという人は他にもいそうですが 著者はやくざにアンケート調査を実施しそれをもとに書を書いたという。 こんなことする人はなかなかいない。 だから、たぶん今までにないに仕上がっているに違いない。 そう思って読み始めした。 結論から言うと、面白かったです。 ただ、1000人分アンケート集めきれてない項目も多く、その点は

    やまけるさんの書評 ヤクザ1000人に会いました!【本が好き!】
  • りゅうちゃんさんの書評 読書の腕前【本が好き!】

    読書とは何なのか? 書評家の岡崎は、興味深いことを述べている。 「あらすじで読む日の名著」というが前に出た。 こうしたの存在を岡崎は「なんともったいないことをするんだ!」と一喝。 私も岡崎の意見に賛成だ。現代人はプロセスを無視して結論を先に求めすぎる。 それでは読む楽しみがないじゃないか。 こんな言葉も。 「新しい知識、知見を得ることは、自分の無知を確認することである」(P173) 確かに、新しい知識を得るのは無知だと認めることに他ならない。 読書人なら、このことを何度も経験しているはずだ。 「人間関係や社会を拒絶して、世の中を生きにくいと考えている人は、みな読書人の素質を持っている」(P211) この言葉は私に当てはまる。 の内容が怖いことはあるが、人の怖さには負ける。 <は即効性がないメディア> 確かにそうだ。 逆に即効性のある読書というのはギスギスしていて気持ち悪いだろう。

    りゅうちゃんさんの書評 読書の腕前【本が好き!】
  • 夏の雨さんの書評 「本をつくる」という仕事 (単行本)【本が好き!】

    は「もの」なのだ - 「というものがどのようにしてつくられているのかを、ノンフィクション作家の稲泉連氏がドキュメントで追いかけたのが、書である。」(続きは書評で) 雑誌の編集者でもあり装釘家でもあった花森安治は「一冊のというものは、著者と装釘者と印刷者の共同作品である」と装釘家としての自信の程を滲ませたが、晶文社の作品のほとんどを装幀した平野甲賀氏は「と読者をつなぐのは、あくまでもそのの中身だと思う。装丁は、ちょっとしたサービス。」と書いたことがある。 平賀氏の言葉は謙遜したものだろうが、それにしてもここにも職人としての自信がみなぎっているように感じる。 というものがどのようにしてつくられているのかを、ノンフィクション作家の稲泉連氏がドキュメントで追いかけたのが、書である。 というものをそれを作り手側から見ると、それが工業製品であることがよくわかる。 紙の電子書籍か、

    夏の雨さんの書評 「本をつくる」という仕事 (単行本)【本が好き!】
  • 生ハムさんの書評 ほめると子どもはダメになる【本が好き!】

    衝撃的なタイトルから、常識的な文。 「褒める教育」を重視されている欧米・西洋とは、 文化的な前提が違うよね、言葉以外のメッセージが大切だよね、という現実的な主張の一冊。 褒めることが自分の軸になっているので、すごい衝撃を受けたタイトル。 いかにも新潮新書の様なインパクトのあるタイトルですよね。 と思ったら当に新潮新書でした。 個人的にはそれでも、新潮新書は割と好きなが多いのですが、 このは自分が既に知っていることの繰り返しだったというか、なんというか。 「ですよねー。そうですよねー。」で終わってしまった感じ。 筆者の主張は至極もっともで、同感するところが多かったです。 ただ、のタイトルが、ずるいですよね。 当は、「実感のこもっていない褒め言葉で褒めた気持ちになっているだけでは」子どもはだめになる。 ですよね。 どんなことをしても、どんな結果でも、 あー頑張ったね良かった良かった

    生ハムさんの書評 ほめると子どもはダメになる【本が好き!】
    pur27
    pur27 2016/05/07
    よかろうとよくなかろうと、子どものしていること、その裏にある動機を認めてあげることが大切なのではないかなあ。
  • こまちさんの書評 お静かに、父が昼寝しております――ユダヤの民話【本が好き!】

    約二千年もの間、世界各地に散って暮らしてきたユダヤ人。 そんなユダヤ人社会の中で、語り継がれてきた民話がおさめれています。 とんちやユーモアのきいた楽しい読み物。 話の展開がどうなるのか、予想ができないくらいの話が面白い。 最後になるほどなあ~と、うならせるオチがついているのが楽しい♪ 読んでいるあいだは、まるで別世界にいるかのようです。 世界のあらゆる所で生きてきたユダヤの人々。 民話の舞台もイランであったり、ハンガリーであったり、様々です。 これがユダヤの民話の特徴のひとつだなあと思いました。 どんなお話がおさめられてるかというと…。 ちょっとだけ目次、紹介します。 ☆ふしぎな財布 ☆たまご一個とメンドリ千羽 ☆キツネの仕立て屋 ☆キツネとクマのクルミのとりいれ そしてもちろん、 ☆お静かに、父が昼寝しております があります。 この表題作、途中までは親思いだなあ~なんて読んでると、最後

    こまちさんの書評 お静かに、父が昼寝しております――ユダヤの民話【本が好き!】
  • ぽんきちさんの書評 雪【本が好き!】

    「雪は天から送られた手紙である」という有名な一節の原典はこのである。 物理学者、中谷宇吉郎による、現在の版で文170ページほどの(中谷は「この小さい」と読んでいる)は、昭和13年の初版時には、岩波新書から出されたという。書き下ろしの一般啓蒙書として世に送り出されたわけである。 以来、一時期は絶版に近い状態にも陥りつつ、平成6年に岩波文庫の1冊として刊行されることになる。時代を超えた「古典」と認められたといってもよいだろう。 中谷がここでしようとしていることは、狭義には、雪の結晶の観察およびその再現である。つまり、結晶を観察してその形状を分類し、温度・湿度などの外的条件と結晶の形状を関連づけ、人工的に結晶を作る装置を使って、自然と同様の雪の結晶を再現することである。 だが、書は、もっと広く、「科学的に考えるということ」の1つの例を、研究者自らが語り起こしたものだといってもよい。 雪

    ぽんきちさんの書評 雪【本が好き!】
  • 1