侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督=仙波理撮影 シネマニア・リポート Cinemania Report [#44] 藤えりか 中国語の映画といえば、1980~90年代は香港や台湾が主流だった。中国大陸が世界第2の映画市場へと躍進した今、香港映画界は元気をなくし、台湾独立支持派とみられた台湾俳優が中国映画から閉め出される事態も起きている。そんななか、台湾ニューシネマを牽引した2大監督、故・楊徳昌(エドワード・ヤン)と侯孝賢(ホウ・シャオシェン、70)がタッグを組んだ日本未公開の『台北ストーリー』(原題: 青梅竹馬/英題: Taipei Story)(1985年)が、4Kデジタル修復版として6日、公開された。来日した侯に、台湾・香港映画界の今、そして未来について聞いた。 『台北ストーリー』の舞台は、日に日に開発が進み、米国の影響も色濃い1980年代の台北。中国語で男女の幼なじみを指す原題『青梅竹