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  • 📦 Nixでlinuxとmacの環境を管理してみる | Happy developing

    本記事ではNixを利用して、linux(nixos)とmacの開発環境を宣言的に管理していく方法について書きます。 設定は一つのrepositoryで管理し、git cloneして、makers applyを実行するだけという状態を目指します。 依存していいのはnixのみとします。 現状設定できている内容は以下です。 SSH(daemonの起動, authentication方法, userのauthorized keyの設置)FontTimezoneInput methodDesktop environmentUserPackage(実行コマンド+設定file)作成したrepository Nixについてまだまだわかっていないことが多いのですが、ひとまず使い始められた感じです。 そもそもNixとは現状の自分の理解ではNixとはpackage manager + build systemと

      📦 Nixでlinuxとmacの環境を管理してみる | Happy developing
    • nix in desertis:『「センター試験」を振り返る』を読む(1)論考編

      ・『「センター試験」を振り返る』(大学入試センター,2020年) 気づいていなかったのだが,令和2年(2020年)12月,翌月に最初の共通テスト本試験を控えたタイミングで,大学入試センターが『センター試験を振り返る』という本を発行していたことに先日気がついた。インターネット上で公開されているので,誰でも閲覧可能である。これがけっこう面白い。以下,気になった点を羅列しておく。長くなったので記事を2つに分け,(2)は明日更新する。 p.45から始まる論考1「ボーダレス化する高大接続」。高大接続の難しさは高校教育と大学教育の大きな違いに起因し,欧米諸国ではその接続期間として予備教育期間がとられる(ただし欧州では進学予備課程として中等教育の末期に,アメリカでは大学学部教育に置かれていてタイミングが異なる)。日本の場合はアメリカの制度に近いものの,実際には学部学科がおおよそ決まった状態で入学するため

      • nix in desertis:2022受験世界史悪問・難問・奇問集 その3(国立大)

        昨日の続き。本日の国立大でラスト。名古屋大が大きく報道されていた出題ミスを含む3つ,京大1つ。おまけで一橋大のレジェンドシリーズの解説を付した。千葉大と東京外大は未入手である。 1.名古屋大 <種別>出題ミス <問題>1 中国史上しばしばあらわれた「乱」には,乱徒が身につけたシンボルや反乱首謀者の名をとって命名される場合が多い。(編者により中略)〔 ⑦ 〕の乱(唐),〔 ⑧ 〕の乱(唐末),〔 ⑨ 〕の乱(明末)などは後者である。 (編者により中略)事実,隋末の乱は中国史上で最大規模の乱であり,四川を除く中国のほぼ全域を巻き込んだ。その特徴は極めて土着性の強いことにあり,典型的な群雄割拠の情勢をつくりあげた。この点は,唐末の〔 ⑦ 〕の乱が〔 ⑫ 〕の商業経路を利用して非常に流動的な動きを示したことと対照的である。つまり, 隋末と唐末の反乱の動きの違いは,〔    ⑬    〕ことを物語っ

        • nix in desertis:書評:深田久弥『日本百名山』

          『日本百名山』について,深田久弥自身はあくまで自分が登ったことがある山から選んだこと,深田久弥の選定であって日本の登山家の決定版的に選んだわけではないことを強調しているが,結果として日本百名山は神聖視されている。日本百名山の選定に対する不満としては, ・深田久弥が喧騒を嫌ったために過度に観光地化した山は外された(御在所岳など) ・深田久弥が登っていないために選ばれなかった(石狩岳など) ・標高が1500mよりも低い山は,筑波山・天城山・伊吹山・開聞岳の例外を除いて一律外された(比叡山など) ・選定が東日本,特に北アルプスと北関東に偏っていて西日本からの選出が少ない(蒜山・氷ノ山など) 辺りがよく聞かれるところで,これらの批判自体は当てはまっている。私自身,低山が外されたことについては疑問に思う。しかし,刊行から60年を経て,結局深田の百名山に代わる権威は出現しなかった。深田自身は神聖視を拒

          • nix in desertis:『岳人』「戦国の山」特集(2017年12月号・2019年12月号)

            登山雑誌はたまに買って読んでいるのだけど,面白かったので紹介しておく。モンベルが出している『岳人』の2017年12月号の特集が「戦国の山」で,好評だったがために2019年12月号の特集「続・戦国の山」であった。 まず2017年12月号の方から。取り上げられているのは丹沢・犬越路,小谷城,千草越,岩村城,天目山,天王山,賤ヶ岳,長谷堂城,越前大野城&戌山城,備中松山城,竹田城,坂戸城,岩櫃城,高根城,城井ノ上城,最後に佐々成政のさらさら越え。この他に縄張り図や用語解説,戦国時代の兵糧(干飯・芋茎の縄・兵糧丸等)レシピと実食感想レポートがついている。 賤ヶ岳は『ヤマノススメ』9巻でも登場していた。戦国の山の代表例と言えるかも。中川清秀の墓もあるので,『へうげもの』の聖地でもある。小谷城は麓に名物旅館があって,それも込みで去年に友人と行ってもいいかもという話をしていたが,どうせなら日本百名山にし

            • nix in desertis:書評:『グローバルヒストリーと戦争』(秋田茂・桃木至朗編著,大阪大学出版会,2016年)

              本書は並びが現代史から古代史にさかのぼっていくスタイルであるが,後ろの章ほど面白い。20世紀史はグローバルさが自明すぎて,グローバルヒストリーが面白さを発揮できないということだろうかとか考えてしまった。いくつか面白かった章を挙げておく。まず第6章,近世の東部ユーラシアではヨーロッパから伝来した火器を用いた「火薬帝国」が立ち並んだが,18世紀に入ると平和が訪れて火器の地位が低下していった。この17-18世紀に,銃火器を減らす周囲とは対照的に周囲からありったけのマスケット銃を吸収し,庶民にまで普及していった特異な地域がある。ベトナム北部の山岳地帯である。ベトナムの歴代王朝はその地形と武力に苦慮し,なんとか体制に取り込もうとしたが,それに成功したのは最終走者のベトミンだけであった。この山岳の戦闘集団の存在が最終的にディエンビエンフーの戦いに帰結するのだから,長期的な歴史の展開は予測がつかず面白い

              • nix in desertis:2023受験世界史悪問・難問・奇問集 その3(国立大)

                昨日の続き。本日は国立大をお届けする。集まったのはいつもの面々であった。一番注目されるべき問題が共通テストの日本史Bだったりするのは例年と少し違うところかもしれない。長くなったのでおまけは無し。東京外大は未入手。 1.共通テスト 世界史B <種別>??? <問題>3 C 中国における書籍分類の歴史について,大学生と教授が話をしている。 内 藤:18世紀の中国で編纂された〔 オ 〕の「四」という数字はどういう意味ですか。高校では用語として覚えただけで,深く考えませんでした。(編註:空欄オの正解は『四庫全書』) 教 授:〔 オ 〕に収められた書籍が,四つに分類されているためです。これを四部分類と言い,経部・史部・子部・集部からなります。 内藤:なるほど,例えば儒学の経典なら経部に,歴史書なら史部に分類されているという具合でしょうか。 教授:そのとおりです。史部について少し具体的に見てみましょう

                • nix in desertis:高校世界史でいかにリシュリューと三部会停止を記述するか

                  高校世界史深掘りシリーズの小ネタ。ルイ13世の宰相といえばリシュリューであるが,ルイ13世の在位年1610〜43年,リシュリューの宰相就任は1624年である(1642年に在任のまま死去)。つまり,ルイ13世とリシュリューのコンビが組まれたのは,ルイ13世の治世33年の後半,約18年ほどであった。ルイ13世は即位時点で9歳であり,母后マリー・ド・メディシスが実権を握っていた。そのマリー・ド・メディシスが,1614-15年の(全国)三部会に聖職者代表として出席・活躍したリシュリューに目をつけて登用した。その後,ルイ13世は長じて母の専横を嫌って親政を開始したが,それでも母の寵臣だったリシュリューは追放せず,どころか宰相に引き上げた。リシュリューはマリー・ド・メディシスの寵愛ではなく,その才覚によって宮廷に留まったと言えよう。 リシュリューの事績は多岐にわたるが,高校世界史上,その一つとして挙げ

                  • nix in desertis:「表現の不自由展 その後」と表現バッシングについてもう少しだけ

                    ・「あいトリ」騒動は「芸術は自由に見ていい」教育の末路かもしれない(森 功次)(現代ビジネス) → すでにあいちトリエンナーレの「表現の不自由展 その後」については一筆書いているが,この記事に引っ掛けてもう少しだけ言及しておきたい。 本記事には同意しかない。本件に限らず,自由な解釈が許されているのと,誤読が許容されているのは全くの別物というのはこの社会に蔓延している間違った観念である。「 批評には正解はないけど間違いはある」というさる方のブコメの言い方も良い。これが芸術性の無いものならばほぼそうならないところ,小説や美術作品になると途端にこうなってしまうのは,本記事のタイトルの通り,学校教育の美術で「自由な鑑賞」が過剰に強調されてきたために社会に広がってしまったものだと思う。 ただし,仮に読解が難しいもの,高い専門性が無いと読み解けないものや文脈が込み入っているものは,それを提供する側に誤

                    • nix in desertis:大河ドラマ「鎌倉殿の13人」

                      ここ10年ほどで大河ドラマを完走したのは「真田丸」以来である。お前,三谷幸喜作品しか見てないな? と言われるとはいそうですとしか答えようがない。これは私が三谷ファンだからということで許してほしい。「いだてん」は今にして思えば見ておいてもよかったかなと思う。 「真田丸」は,真田信繁という史実があまり残っていない,壮年期にのみ大活躍した記録が残っている人物を取り上げた。これによって,厳格な歴史考証陣営と綿密な考証を重ねて,可能な限り史実に寄せた青年期の約40回と,伝説上の真田幸村を描いた最後の約10回という切り分けを行って,バランスが問題になる歴史劇の史実と創作を上手く昇華させた。では,今回の鎌倉殿はどうか。この観点で見ると,本作は『吾妻鏡』をベースに描き,『吾妻鏡』が書いていない部分は自由に創作したという形になった。そのため最新の研究結果を上手く反映しているかと言われると,実のところ心もとな

                      • nix in desertis:書評:『世界哲学史』7・8巻(ちくま新書)

                        5・6巻の書評はこちら。 7巻「近代Ⅱ 自由と歴史的発展」 19世紀を扱った巻。よく19世紀が1冊に入りきったなというのが読む前の印象で,やっぱり無理があったかなというのが読後の印象である。サブタイトルの通り,大テーマはほぼヘーゲルとマルクスであって,その通りに論じているのはテーマ紹介の第1章の他,2〜4章まで。それもヘーゲルとマルクスを直接扱っているのは4章のみだった。後述するが,本巻のサブタイトルは「啓蒙思想・観念論からの跳躍」とした方が実態に即していた。なぜこのサブタイトルになったのか,第1章を読んでも理解できない。 個々の章で面白かったのは第3・4章。3章はショーペンハウアーとニーチェについて。ショーペンハウアーの思想は全然詳しくなかったのだが,本章で得た理解だけで言えば,本章自身でそう触れられている通り,ものすごく仏教思想に近くて驚いた。ショーペンハウアーがどの程度インドに触れて

                        • nix in desertis:ガーナ王国はいつ滅亡したか

                          受験世界史深掘りシリーズ。ガーナ王国はニジェール川上流域北方に存在した王国である。現在のガーナ共和国とは全く領域が重なっておらず,歴史的なつながりもない。ガーナ王国はサハラ砂漠を縦断する貿易,サハラ砂漠で採掘される岩塩とニジェール川の南側で採掘される黄金を交換する塩金貿易を管理して繁栄した。金は地中海沿岸から来たムスリム商人によって持ち帰られ,イスラーム圏の金貨鋳造に用いられた。このため11世紀半ばのムスリムによる記録では,ガーナ王国の首都クンビ=サレーは二つの居住区域に分かれ,片方にはムスリムが,もう片方には伝統的宗教を維持する住民が居住した。宮廷があったのは伝統的な宗教の住民区の方であり,森の中であったとされるが,現在の発掘調査ではまだムスリム居住区しか見つかっていない。 このガーナ王国に異変が起きたのは1076/77年のことである。マグリブを征服したモロッコのムラービト朝は宗教的情熱

                          • nix in desertis:鳥取旅行記(伯耆大山),主に大山寺参道の魅力について

                            今年の旅行の旅行記は今年のうちに片付けたい,ということでいそいそと書いていく。9月の連休で鳥取県の伯耆大山に行ってきた。この9月の連休は東日本が曇り空と予報されていたため,晴れを求めて西に行こうという話になり,百名山から候補地を探してここになったという形である。同行者はいつもの頬付(@hoozuki37)としいかあ(@c_shiika)。以下に説明するように,登山としても楽しかったが,それ以上に伯耆大山と大山寺参道は総合的なコンテンツにあふれる山だった。以下,順に説明していく。 伯耆大山は伯耆富士の異名もある通り,見る角度によっては単独峰になって非常に形が美しい。見る角度によっては,というのがミソで,実は地図で確認すると南東90度くらいで蒜山高原の方向に山脈が連なっていて,純粋な単独峰というわけではなかったりする。しかも富士山のような綺麗なお椀型というわけでもなく,北側はU字型に大きくえぐ

                            • nix in desertis:2024受験世界史悪問・難問・奇問集 その2(早稲田大)

                              昨日の続き。本日は早稲田大をお届けする。入試は7学部で収録した問題は16問であるが,そのうち2つの学部が10問を占めた(教育と商)。昨年もそうだったが,偏りが激しい。 18.早稲田大 文化構想学部 <種別>難問 <問題>2 設問7 下線部Gの事態は(編註:アメリカ大陸にはそれまで存在しなかった感染症が持ち込まれ,ヨーロッパ大陸にはトウモロコシやトマトなどがもたらされた),アメリカ大陸に到達した航海者の名にちなみ,何と呼ばれるか,記述解答用紙の所定欄に記しなさい。 <解答解説> 盲点事項。歴史好きは当たり前に使っている言葉だが,言われてみると高校世界史にはなかった。正解は「コロンブス(の)交換」。なお,新課程の世界史探究の教科書・用語集には記載されるようになった。フライング出題である。 19.早稲田大 文化構想学部(2つめ) <種別>難問 <問題>3 次の史料は,桑原隲蔵『考史遊記』(岩波書

                              • haskellとnixの話 - Qiita

                                この記事は、Haskell Advent Calendar 2022の23日目の記事です。 だいぶ荒削りですので、間違いがあるかもしれません。 目的 OSSのプロジェクトで4年ほどNixを使い続けてきました。 NixのHaskellのサポートの現状のいいところと課題を整理するのが目的です。 なぜNixを使うのかを確認したあと、NixのHaskellサポートをみて課題をまとめます。 なぜNixか、なにがやりたいのか? Nixはパッケージマネージャーです。各種Linuxディストリビューション, MacOSに入れられるものです。 Nixに期待していることはなんでしょうか? それは再現性と効率性ではないかと思います。 まずは再現性についてです。nixosのポータルの一番はじめにでてくるように再現性がもっとも重要でしょう。 手元の開発環境やクラウドの開発環境、各種のメンバーで開発するソフトウェアのバ

                                  haskellとnixの話 - Qiita
                                • nix in desertis:韓国の修能について少し調べたこと

                                  ・大学入試から「超難問」排除へ 私教育依存、脱却図る―韓国(時事通信) 韓国の入試制度を全然知らなかったのだが,簡単に調べてみると,そもそも日本でいう一般入試にあたるものは(実技が求められる大学以外)存在せず,1996年に廃止になっている。そして推薦入試や総合選抜にあたる制度「随時」での入学が約80%,共テ利用にあたる「定時」が約20%で,向こうでいう共テは「大学修学能力試験」通称「修能」と呼ばれる。修能は共テと同じで全問マークシートである。ただし,随時でも修能の受験は必須で一定の基準を超えないと門前払いを食らうようなので,結局修能対策は必要になる。ソウル大学校だと上位1%で切られるという情報も見たので,それは死活問題だろう。制度別の入学者割合が意外であったが,日本も一般入試が全廃されて推薦入試・総合選抜型・共テ利用の三択になったらこういう割合になりそうではある。共テだけで合否が決まるのは

                                  • nix in desertis:クワガタムシ他の昆虫を絵画に仕込むこと

                                    ・ある絵画にクワガタムシが描かれたのはなぜかという議論(Togetter) この件について。こういう静物画は17世紀のオランダだと珍しくないが,ドイツだと珍しいかも。とはいえ,昆虫を仕込むのは,実はヨーロッパの古典絵画で普遍的に見られる。昆虫を描くのは技量の誇示とだまし絵的効果が相場であるが,大概はハエを選ぶ。もちろん静物画に仕込むのはいわゆるヴァニタス,物はいつかは腐るのだという教訓の意味合いもあろうが,他のジャンルにも昆虫は闖入するし,象徴的意味合いだけでは説明がつかないものも多い。 たとえば,カルロ・クリヴェッリの聖母子の絵。一応,この絵では説明に「The apples and fly are symbols of sin and evil」とあるので,象徴的意味合いが込められているが,これにしたってどう考えても「こんなところに,場にそぐわないハエがいる」というだまし絵的効果をねらっ

                                    • Using Nix with Dockerfiles

                                      Nix is a powerful cross-platform package management tool. The benefits of Nix are far reaching, but one big benefit is that once you adopt Nix, you can get a consistent environment across development (on both Linux and Mac), CI, and production. I've been using Nix for many years and recently started building Docker images using a Dockerfile paired with Nix. This post will explain the benefits of t

                                      • nix in desertis:『ホーキーベカコン』全3巻(原案:『春琴抄』,漫画:笹倉綾人)

                                        原案は谷崎潤一郎の『春琴抄』。ただし,よく見ると原作ではなく「原案:『春琴抄』」になっているように,大きくアレンジが入っている。あえて断言してしまうが,これは最高のリメイクである。『春琴抄』と『ホーキーベカコン』はどちらを先に読んでもいい。しかし,被虐嗜好を持つ主人公の佐助はともかく,春琴の描き方がかなり違うので,個人の好き嫌いはあれ,どちらを先に読むかで印象が変わってくると思われる。 そう,最も大きく異なるのがもう一人の主人公,春琴である。『春琴抄』の春琴は20世紀末以降の目線で言ってしまえば割とよくあるタイプの暴力系高飛車お嬢様ツンデレであって,そこに目新しさはない。昭和8年の作品に現代の目線から目新しいも何もなかろうとは思うが,『春琴抄』は加虐趣味・被虐趣味を前近代的な主従関係と重ね合わせ,文字通りの盲目的な愛に昇華させたことに焦点が当たっていて,春琴のキャラクターが作品の焦点という

                                        • nix in desertis:2020受験世界史悪問・難問・奇問集(おまけ)

                                          以下はおまけ。良問と思った問題か,紹介・コメントしたくなった問題,コメントしておいた方がいい問題を並べておいた。書くのが遅れた分,ちょっと長めに。 〔おまけ1〕慶大・経済学部 <問題>1 問3 下線部Cに関連して,ポルトガル商人が日本と明との貿易を中継するようになった背景について,取引された主な商品と,明の貿易政策に振れながら,〔解答欄B〕の所定の欄の範囲内で説明しなさい。(編註:90〜100字程度) <コメント> この問題は日本史との共通問題で,確かにそれが可能なテーマである。しかし,どちらの科目であってもいつの間にかポルトガルが出現していて南蛮貿易をやっていることになっているので,説明を要求されると盲点である上に,それだけなら単なる難問だが,ちゃんと説明をつけようとするとその材料自体は基本事項として学習していることに気づくという,非常に良いところを突いていると思う。これは私自身も解いて

                                          • NixによるHaskell開発環境の構築 - syocy’s diary

                                            Nix package manager によって Haskell のスクリプティングおよびパッケージ開発の環境構築をしていく。 こいついつも環境構築してんな ここで触れられないこと Nix スクリプティング ちゃんとした開発 haskell-language-server の導入 パッケージの設定 高度な依存関係オーバーライド トラブルシューティング nix-shell の立ち上がりが遅い cabal run で cabal 自体の出力を無視したい Mac で nix-env -i が失敗する Mac で channel が消滅する こいついつも環境構築してんな 環境構築以外はブログに書くような一般性のあることをやっていないということで……。 ここで触れられないこと cabal.project によるマルチプロジェクトを扱う方法 外部の nix store を使うこと nix の新しいコマ

                                              NixによるHaskell開発環境の構築 - syocy’s diary
                                            • nix in desertis:三国志展でも,主役はやはり曹操だった

                                              東博の三国志展に行っていた。いかにも曹操の墓(曹操高陵)の発掘を契機に立てられたような企画である。展示のメインは後漢から三国時代にかけての出土品や伝世品で,曹操高陵からの出土品も含まれる。加えて後代の中国で描かれた三国志の絵画や,NHK人形三国志で使われていた人形,横山光輝の『三国志』の原画等も展示されていた。 実のところ,展示の大半は後漢代の装飾品や道具・武器,陶器などであり,当時に活躍した諸将縁の品は(当然ながら)あまり無かったので,当時の生活の様子はよくわかるものの,三国志の武将やエピソードを体感しに来たつもりだと肩透かしを食らうかもしれない。ただ,展覧会側もその自覚はあり,「○○もこれを使っていたかもしれない」というようなキャプションを入れる,『三国志演義』にある諸葛亮の赤壁での千本の矢集めを会場の天井と壁面を使って再現して設置する,コーエー『真・三國無双』シリーズの設定通りに巨大

                                              • nix in desertis:『絶対に解けない受験世界史4』が出ます

                                                すでにAmazon,honto等で発売中です。シリーズ存続のためにもご購入いただけると幸いです。 以下は3巻同様に,本書の紹介をFAQ形式で。 よくわかる! 『絶対に解けない受験世界史4 悪問・難問・奇問・出題ミス集』FAQ Q.目的や内容は前巻までと同じなの? A.全く同じです。大学入試における悪問や超難問,出題ミスを収録・解説した本です。本気で難しくて解けない問題から,日本語の崩壊した問題,単なる誤植,笑える問題,珍しい問題など,多岐にわたって収録しています。 1.入試問題作成の杜撰さを世の中に訴えること 2.出題ミスの事例を集めて,出題者へ提供すること 3.悪問を笑い飛ばして当時の受験生の無念を供養すること 4.世の中の世界史マニアに難問を提供すること を主な目的としています。 Q.収録範囲は? A.2021〜22年の全大学,2023年の早慶・国公立大です。2023年の国公立大まで入

                                                • nix in desertis:あのpixivfanbox規約変更騒動は何だったのだろうか

                                                  ・サービス共通利用規約改定と「禁止商品」「要修正商品」設定のお知らせ(pixiv) → 昨年の11月末,pixivが実写由来の公序良俗に反する商品を禁止商品,そうではないがpixiv運営の判断でまずいと判断されたものは要修正商品と定義し,それぞれの出品禁止や要修正依頼を行うと発表していた。前者は当然という話で反発がほぼ無かったが,後者はこの規約の適用範囲が有料利用のpixivfanboxやBoothに限れていて通常のpixivには及んでいないことや,該当する具体例が「児童に対する性的搾取及び性的虐待,近親相姦,獣姦,レイプ,人または体の非合法的な切断,その他」となっていた点から,あからさまな「国際カードブランド等の規約」由来の表現規制であるとして多少の批判が生じていた。これらは公序良俗に反する表現であるが,実在の人物を用いていない以上は法に触れていない。多国籍企業が国家権力を上回っている事

                                                  • nix in desertis:佐賀旅行記(2019年5月,『ゾンビランドサガ』聖地巡礼)

                                                    さすがに1年経過したり新展開が起きたりする前に書いておかねばなるまいと思われるので,旅行の記事を消化していく。しかし,それこそ放置しすぎて時間が経っているので,当時の情景を忘れている部分もあるので簡潔に。まずは昨年のゴールデンウィークに行った『ゾンビランドサガ』の聖地巡礼から。 〈初日:佐賀到着・かつみ屋・ガタリンピック会場〉 新幹線で佐賀到着からレンタカーを借り,急いで移動して,昼飯は『グルメランドサガ』漫画版『ゾンビランドサガ』でお勧めされていたかつみ屋へ。 どこに来たかわかるだろうか。 pic.twitter.com/Dn40ZT0vIa — DG-Law/稲田義智 (@nix_in_desertis) May 3, 2019 なお,このクイズ正解者がいた。すごい。店はやや狭く少し待った。ただし,うどんであるので回転率は良い。名物の鶏の皮を使った「すどりかま玉うどん」は絶品と言ってよ

                                                    • nix in desertis:「『宇崎ちゃん』バッシング騒動の雑感」に対する反応への雑感

                                                      はてブ等でいろいろ反応をいただいたので,コメントする価値のあるものだけ追加でコメントしたい。なお,これは1.コメント者に応答を求めるものではなく,あくまで第三者の読者にむけた追加のコメントである。2.はてブは基本的に記事主からの応答を求めるものではないと自分では解している。私自身,そのつもりでないブコメに大して記事主に応答されるとビビる。3.興味深いコメントの内容が必要なのであって,今回は誰が発言したかは考慮するつもりが全く無い。4.そもそもlivedoorブログからはてブにコールする直接的な手段がない。5.本編はあんなに伸びると思っていなかったのでかなり端折って書いたので,実は補足の口実としてはてブを使いたいだけ。という5つの理由から,idコール等はしない。また,この話題を長く続ける気はないので,本記事についたはてブやコメントには基本的に反応しません。 >宇崎花というキャラ自体に性的目線

                                                      • nix in desertis:自分が登った山の『日本百名山』を読む(雲取・大菩薩・富士山・天城)

                                                        66.雲取山 深田久弥は都会の喧騒が嫌いすぎて,「煤煙とコンクリートの壁とネオンサインのみがいたずらにふえて行く東京都に,原生林に覆われた雲取山のあることは誇っていい」とよくわからない褒め方をしている。また「雲取山は東京から一番近く,一番深山らしい気分のある二千米峰だけあって,高尾山や箱根などのハイキング的登山では物足りなくなった一が,次に目ざす恰好な山になっている」とする。これは現代でも変わっていない。かく言う私も初めて山小屋に泊まったのはこの雲取山だった。一方で,「一番やさしい普通のコースは,三峰神社までケーブルカーであがって,それから尾根伝いに,白岩山を経て達するものであろう」としている。現在では鴨沢から登っていくのが一番楽だと思われるので,当時は鴨沢ルートが荒れていたものと思われる。奥多摩を手に入れた東京都が,過保護気味に登山道を整備するとは,深田も予想していなかっただろう。それで

                                                        • nix in desertis:奇しくも『エーゲ海を渡る花たち』の逆コース

                                                          ・修道院所蔵の刀剣、5000年前のものと判明 伊ベネチア(CNN) → タイトルに「5000年前のものと判明」とあるのに,本文に「この合金は主に紀元前4世紀の終わりから同3世紀初めにかけて使われていたもので」とあって,どっちが正しいのかといぶかしんで原文に当たってみると,"the end of the 4th and beginning of the 3rd millennium BC" となっていたからタイトルが正しい。本文の方はmillenniumを盛大に誤訳している。 → ついでに本文の末尾に「修道院の記録文書の調査担当者によると、刀剣は1886年の8〜9月、トルコのトラブゾンにある同じ宗派の聖職者組織から贈り物として届けられたという。」とあるが,トラブソンとヴェネツィアで同じ宗派? となってこれも原文の該当部分を読むと,"the monastery is home to the M

                                                          • nix in desertis:ワクチン(モデルナ製)接種3回目の記録

                                                            2回目の記録はこちら。前回同様にTwitterで3時間おきに経過報告をしていたので,まとめておく。 準備:前回とほぼ同じだが,食料をタンパク質中心に変更。解熱剤(1回2錠でイブプロフェン150mgのもの)・ポカリスエット1.4L・冷えピタ1箱・ハムとベーコンとチャーシューと豆腐と納豆。直前の昼飯はケンタッキーで万全の布陣。またこれも前回同様,ワクチン摂取したのは木曜日の午後で,金曜日はあらかじめ有休にしておいた。 ----------------------------------初日(木曜日)----------------------------------- 3時間経過(18時):36.3度。平熱。腕の痛み含めて不調無し。 6時間経過:36.7度。腕はやや痛いが1・2回目よりも痛みが弱い。ちょっと眠いがこれは単純な疲労だろうと思う。他は身体に変化なし。 9時間経過(24時):37.1

                                                            • nix in desertis:国公立大・世界史の入試問題の論述字数の不安定性について(1)総字数編

                                                              大学入試問題は,基本的に昨年の傾向・形式が維持されると予期される。大学入試は選抜であるともに,その大学の講義についていけるだけの学力があるかどうかを測ることが目的であるから,大学の特色に沿った入試問題が課されるのである。結果として蓄積された過去問は「欲しい学生像」を伝えるメッセージとなっている。 ところが,受験世界史において意外と不安定なものがある。国公立大学の論述字数である。一回の試験で課される論述字数の多寡は,試験の傾向を決める大きな要素である。試験時間あたりの総論述字数が多ければ,制限時間の中で急いで知識を整理して文章をまとめる処理能力を測っているということになる。この場合,問題の要求自体は易しいことが多い。逆に,試験時間あたりの総論述字数が少なければ,比較的ゆとりのある試験時間の中で熟考する能力があるかを測る設定になっている。たとえば,字数が安定している大学を選んで言及すれば,筑波

                                                              • Nix – taming Unix with functional programming

                                                                You may be aware of Nix or NixOS. Users love them for being superior tools for building, deploying, and managing software. Yet, Nix is generally perceived as notoriously hard to learn. The core Nix ecosystem consists of several distinct components: Nix is a build system and package manager that comes with a configuration language to declare software components, the Nix language. Software made avai

                                                                  Nix – taming Unix with functional programming
                                                                • Nixとはなにか、パッケージマネージャとしての使い方の紹介 - Qiita

                                                                  Nixってなに? Nixの説明と簡単な使いかたを紹介したいと思います。 NixというとパッケージマネージャやOSとしてのNixOSの意味がありますが、ここではパッケージマネージャとしてのNixを説明します。 公式のマニュアルはこちらです。 Nix: パッケージマネージャの使い方 NixOS: NixOSの使い方 NixPills: パッケージを作るときのノウハウ集 Nixをパッケージマネージャとして使う場合は手元のWindows, Mac, LinuxでOSのインストールなしに利用することができます。 パッケージマネージャだけでなく、開発環境を含めた開発フローについてpythonを使った例を示します。 NixではパッケージのことをDerivationと呼びますので注意してください。Nixでは独特の用語が多いので用語集をつけました。参考にしてください。 OSのバージョンを気にしないソフトのイ

                                                                    Nixとはなにか、パッケージマネージャとしての使い方の紹介 - Qiita
                                                                  • nix in desertis:2021受験世界史悪問・難問・奇問集(国立大編)の落ち穂拾い

                                                                    先週公開した記事の,追加調査や読者の反応を経た補足。それほど大した内容ではないが,それなりの分量になってしまったので補足しておく。 1.共通テスト第2日程 まんま同じ地図が収録されている日本語論文がある(が論文名は忘れた)という読者の指摘があった。それが事実なら,問題文の「『パン=ヨーロッパ論』所収の地図を加工したもの」は大学入試センター自身が加工したようにしか読めないので,問題文が誤読させる文になっていて良くない。また,普通に考えると出典表記が必要である。名古屋大が前に『興亡の世界史』所収の地図を出典不掲載のまま利用したのと同じで,引用の条件を満たしていない。入試問題は著作者に事前に許諾を得ないまま著作物を利用することが可能だが,引用の条件は守る必要がある。私自身がその論文を確認しているわけではないので濡れ衣の可能性があるから,現時点ではあくまで可能性として指摘しておく。 3.東京外国語

                                                                    • nix in desertis:高校世界史における「古代」と「中世」の切れ目はいつか

                                                                      久々の高校世界史深掘りシリーズ。時代の区分はそれを定めた人の歴史観が現れるところであり,好きに定めてくれればよいし,便宜的なものだから不要なら決めてくれなくていいものである。とはいえ設定してくれた方が教育や議論の上で便利なのは,高校世界史でも同じである。教育指導要領では,中世と近世の切れ目と,近世と近代の切れ目が定められている。中世と近世の切れ目は,東アジアは明の成立(1368年),東南アジアは15世紀,南アジア(インド)はムガル帝国の成立(1526年),西アジアと中央アジアはティムール朝とオスマン帝国の成立(1370年・1300年頃),ヨーロッパは15世紀(象徴的な年号で言えば1453年だがバラ戦争は中世で扱う)である。一見すると法則性が無いように見えるが,どの地域もモンゴル帝国の解体と大航海時代(大交易時代)の始まりの影響という共通点があり,異論が出にくい切り方だろう。近世と近代の切れ

                                                                      • nix in desertis:伊香保温泉旅行記

                                                                        6月最後の週末に,渋川市・伊香保温泉を旅行してきた。東京の新型コロナウイルスの感染者数が再び増加する傾向が見られたので,7月はまた県外への移動の自粛が勧告されそうだということを見越して,急遽旅行の計画を立てた。当初の予定では行き先に妙義山を含んでいたが,石門巡りが落石により封鎖されていたのでこれを外し,榛名山をロープウェーで登るというぬるい旅行になった。以下,観光地別に。 《渋川駅》 北陸新幹線で高崎へ,そこから在来線の上越線に乗り換えて渋川駅へ。ここで自動車で来る頬付・隙間坊主待ち。 なかなかの景観。 pic.twitter.com/kPIrNrXvru — DG-Law/稲田義智 (@nix_in_desertis) June 27, 2020 渋川駅,名前の通り渋くてかっこいい。渋川駅の駅構内にある観光案内所のおっちゃんが異様に話好き&渋川愛にあふれる人で,公式やらご本人手作りやらの

                                                                        • nix in desertis:日時指定された異世界へ(ロンドン・ナショナル・ギャラリー展)

                                                                          Twitterで流れてきたTweetに「美術館とは,気軽に行ける異世界だった。日時指定で行けるようになっても気軽さがない」というものがあって,非常に強く同意していた。なんとなく美術館に行くのが億劫になっていたが,それを言語化できずにいたところであったので,まさに我が意を得た言葉であった。それでも異世界への思いは絶ち難く,重い腰を上げてイープラスのアプリを起動して,やっと行ったのが西美のロンドン・ナショナル・ギャラリー展であった。 本展は展示数が61点と少なかったが,非常に豪華だった。こういう海外の大規模美術館から借りてくる時は目玉展示が数点,後はまあ……ということになりがちであるが,今回は紛れもなく端から端まで目玉展示になるものがそろっていて,極めて満足感が高い。コロナ禍に巻き込まれて全然集客できていないのが非常にもったいない。ついでに言うと,宣伝もゴッホに偏っていたのはちょっともったいな

                                                                          • nix in desertis:白鵬引退によせて

                                                                            3/11にアップするつもりだったが,三度目のワクチン接種によって阻まれたので仕方がない。白鵬についてはすでにネット上に優れた評伝が多数上がっていて,特に付け足すところもない。たとえば次の2つの記事はすばらしい。 ・「相撲社会の大先輩に何てことを言うんだ!」孤独の大横綱・白鵬が18歳でうけた“父のゲンコツ”《素は“仏”の男が“鬼”を標榜するようになった理由》(文春オンライン) ・「横綱・白鵬引退に思う」(視点・論点)(NHK解説委員室) そこで,あくまで本ブログ上の記述に沿って私見をまとめつつ,こうした評伝で意外と触れられない取り口の変遷を中心に書き残しておきたい。 白鵬の人生は有名すぎるエピソードが多い。誕生日は3/11,父親のムンフバト氏はモンゴル相撲ことブフで5年連続6度優勝し,1964年東京オリンピックから5大会連続でレスリングで出場,特に1968年メキシコ大会では銀メダルをとった。

                                                                            • nix in desertis:高校世界史での「董仲舒」と「五経博士」の扱いについて

                                                                              高校世界史深掘りシリーズ。「前漢の武帝の時に,董仲舒の献策によって五経博士が設置され,儒学が実質的に官学化された」という説明は,受験世界史で昔からなされてきた。しかし,この説明には専門家から疑義が提出されている。五経博士の設置は班固の『漢書』が典拠となっているが,すでに儒学が官学化されている後漢代の視点からの歴史書となっているので,儒学官学の時代を長く見せようという班固の意図が働いていて,信憑性が低い。現在の歴史学では,武帝代に存在が確認できる博士は『詩経』『書経』『春秋』に限られること,五経博士がそろうのは早くても武帝の三代後の宣帝期であることが指摘されている。儒学の官学化の時期は「官学化(国教化)」の定義の揺れとともに議論があるが,儒学の官学化が完成した時期は前漢末から後漢前期に求められている。武帝代はそうした動きが始まった時期には違いないものの,完成した時期としては支持されていない。

                                                                              • nix in desertis:書評:『唐』(森部豊著,中公新書)

                                                                                ・『唐』(森部豊著,中公新書,2023年) 中公新書の拓跋国家シリーズの最後。2010年以降の中公新書にはその他に『殷』『周』『漢帝国』『三国志』もあるから,春秋戦国時代・秦が出てくれれば唐宋変革前は概ねコンプリートになる。ぜひとも企画してほしい。 閑話休題。唐は南北朝時代の諸王朝や隋に比べると300年近く続いた長い王朝であり,その中で様々な変化が起きている。王朝交代による変化ではなく,王朝の中での変化を描いた点で,本書は前二書と大きく様相が異なっている。とりわけ拓跋国家としてスタートした唐が次第に漢民族の国家に変容していく様子は唐代の醍醐味であろう。本書はまえがきで「それを「漢化」という,中国人中心主義のような,ありきたりな言葉でくくるのはどうかと思う」と牽制しつつも,拓跋国家の経験を踏まえた漢民族が,古代の漢とは異なる漢民族王朝をつくっていった様子が丹念に描かれている。 初唐の拓跋国家

                                                                                • nix in desertis:東北旅行記(仙台・山形,2019年8月)

                                                                                  昨年8月に旅行した東北旅行の記事を書いておく。 〈初日:移動のみ〉 夏コミ終了と同時に出発。コミケ不参加だったパレさんが合流して頬付カーに乗り込み北上。今回の旅行のコンセプトが「いつも旅程を詰め詰めにしてしまうので,今回は戦利品(同人誌)を車に積み込んで,旅館でだらだらしながら読む」とした。つまり,合計3人分の同人誌(200冊くらいある?)を車に積んでいたことになる。初日は移動のみで福島県某所のビジネスホテルに宿泊。同人誌を読む気力もなく爆睡。 〈二日目:仙台・かみのやま温泉〉 ビジホの朝飯を適当に食べて出発。昼飯は牛タンを食べたいということで,仙台駅前の某名店へ。美味なり。午後は青葉城へ。スタンプラリーのつもりで行ったのだが,観光に力がかなり入っていて意外と面白かった。特に仙台城VRゴーは傑作である。 種崎敦美に勝てなかった。 pic.twitter.com/xGqRZynIcL — D