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  • nix in desertis:書評:『南北朝時代』『隋』(中公新書)

    ・『南北朝時代』(会田大輔,中公新書,2021年) 中国の南北朝時代の概説書。講談社選書メチエの『中華を生んだ遊牧民』との違いは,あちらは鮮卑に焦点を当てつつ後漢代から北魏までの華北を扱っているのに対し,こちらは時代が南北朝時代のみで短い代わりに南朝も扱っている。北魏についての話題は似通っているが,当然あちらの方が濃い。両方読むのを勧める。北魏については主張が違うところもある。あちらの本では,魏の国号を採用し土徳をを採用したことについて,北魏が三国魏を継承する形をとったためと説明していたが,こちらは鮮卑は三国魏をも否定していて,火徳の後漢の後継王朝であることを示すため土徳の魏としたという説を採っている。 かたや南朝宋は東晋の時代にあった再統一への野望が薄れ,江南を本拠地とする諦めに沿った改革が進んでいく様子が描写される。西晋の滅亡によって伝統が失われたため,宮中祭祀等で”それっぽい新たな伝

    • nix in desertis:書評:『唐』(森部豊著,中公新書)

      ・『唐』(森部豊著,中公新書,2023年) 中公新書の拓跋国家シリーズの最後。2010年以降の中公新書にはその他に『殷』『周』『漢帝国』『三国志』もあるから,春秋戦国時代・秦が出てくれれば唐宋変革前は概ねコンプリートになる。ぜひとも企画してほしい。 閑話休題。唐は南北朝時代の諸王朝や隋に比べると300年近く続いた長い王朝であり,その中で様々な変化が起きている。王朝交代による変化ではなく,王朝の中での変化を描いた点で,本書は前二書と大きく様相が異なっている。とりわけ拓跋国家としてスタートした唐が次第に漢民族の国家に変容していく様子は唐代の醍醐味であろう。本書はまえがきで「それを「漢化」という,中国人中心主義のような,ありきたりな言葉でくくるのはどうかと思う」と牽制しつつも,拓跋国家の経験を踏まえた漢民族が,古代の漢とは異なる漢民族王朝をつくっていった様子が丹念に描かれている。 初唐の拓跋国家

      • Nix入門: ハンズオン編

        Nixの使い方を学ぶためのハンズオンガイド Nix言語の基本からNix CLIの使い方、パッケージのビルド方法まで、実際に手を動かしながら学びましょう。 前編: 『Nix入門』 https://zenn.dev/asa1984/books/nix-introduction

          Nix入門: ハンズオン編
        • nix in desertis:書評:『中華を生んだ遊牧民』(松下憲一,講談社選書メチエ)

          『中華を生んだ遊牧民』(松下憲一,講談社選書メチエ,2023年) 鮮卑と彼らが建てた北魏の歴史を追った本。同時期に発売された中公新書の『南北朝』とは北魏の部分は重なっているが,こちらは南朝の記述がほとんど無い代わりに,前史にあたる鮮卑の歴史が入っている。なお,著者は鮮卑についてモンゴル系かトルコ系かという質問に対して,厳密には解答できないとしている。遊牧国家は複数の部族の連合体であり,その各部族の言語や風習は多様であるというのがその理由であるが,これは質問と解答がずれている。著者自身「鮮卑のもととなった遊牧民はどのような人々ですかという質問であれば成立する」としているが,まさに読者の知りたかったのはここなのであり,国家としての鮮卑と諸部族名の鮮卑が別物であることだとか,民族という概念は近代的なものなのでここには容易に当てはまらないだとか,鮮卑がモンゴル高原を政治的に統合したとしても鮮卑語が

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