誰にもみとられずに自宅で亡くなる「孤独死」の現場で、遺族に代わり、遺品などを片付ける業者がいる。核家族化や独り暮らしの高齢者の増加で、今後も需要が高まることが予想される。遺族側の許可を得て業者に同行し長崎県内の孤独死の清掃現場を取材すると、現代社会が抱える課題が浮かび上がってきた。 県内の閑静な住宅街。古びた木造2階建ての家のドアを開けると、異様な光景が目に飛び込んできた。 日本酒やワインの紙パック、半額シールが貼られた総菜のプラスチックトレー、汚れた食器…。至るところにごみがあふれ返り、足の踏み場もなかった。風呂場の浴槽にまで空き瓶が放り込まれていた。 24日、遺品整理や不用品回収などを請け負う「アクアティック ドリームス」(長崎市)の清掃作業に同行した。「ここまでごみの量が多いのは珍しい」。水上亨一社長(51)はそう言って、社員2人と一緒にごみを分類しながら、手際良く袋に詰めていった。