米国テキサス州コーパスクリスティの池で水を飲む野ブタ。米国にとって外来種であるブタやイノシシは、カリブ海からカナダまで、さまざまな気候の地域に生息している。(PHOTOGRAPH BY ROLF NUSSBAUMER, NATURE PICTURE LIBRARY) 米国で野ブタが増えすぎて大きな問題になっている。 ブタはイノシシを家畜化した動物で、種としては同じSus scrofaだ。もともと北米には生息していなかったが、16世紀以降、ヨーロッパからの入植者が家畜のブタや狩猟のためのイノシシをたびたび持ち込んだことで定着した。今では、イノシシや野生化したブタ、それらが交雑したものなど(以下、本記事ではまとめて野ブタと呼ぶ)が米国で生息域を広げ、少なくとも35の州に約600万頭が野生下に暮らしているという。 野ブタは雑食性で適応力が高く、ほとんどどんな環境でも生きていける。カリブ海の島々や