地球上に住む者すべてに待ったなしの対策が求められている環境問題だが、どうやらその深刻さについてあらためて襟を正さなければならないようだ。我々の多くは現状の自分をじゅうぶんにエコフレンドリーだと思い込んでいるというのである。 9割の人々が自分は平均以上に“エコ”であると自認 いよいよオリンピックイヤーを迎えたが、懸念されるのはやはり夏の暑さだ。地球レベルで気候が変動してる中にあって、温室効果ガスの大幅な削減などの環境問題への本格的な取り組みは待ったなしの事態を迎えている。 もちろん個人のレベルにおいてもゴミを少なくするなどのエコフレンドリーな行動が求められているのだが、残念ながら今一度認識をあらためなければならない調査結果が届いている。我々の多くは現状のままでじゅうぶんにエコフレンドリーであり、個人レベルでは今以上の環境保全活動は必要ないと考えている実態が浮き彫りになったのだ。 スウェーデン
1年以上にわたるコロナ禍での経営で、多くの経営者が生き残りを賭けた努力を続ける中、2つの日本を代表する大企業の不祥事が世間をにぎわせました。一つは東芝、もう一つは三菱電機です。この2社には「昭和日本の大企業」という共通項があるわけですが、コロナ禍で経営にもニューノーマルなかじ取りが求められる令和の時代に、両社の不祥事にはあまりに非常識で時代錯誤な違和感を覚えた次第です。 東芝の一件は、株主総会におけるアクティビストからの退陣要求提案に対する車谷社長(当時)の保身に端を発しています。組織として監督官庁の力を借りた提案取り下げ圧力の行使や、第三者株主に対する議決権非行使要請などを行っていたという、監督官庁である経済産業省ともども、ガバナンス上、大変由々しき問題でした。同社は2015年に同じくトップの保身に端を発し、会社ぐるみで行っていた不正会計問題が明るみに出て、そのガバナンス不全が大いに問題
やっぱり日本はダメだ。アメリカのようには行かない。根本的に何かが違っている。なぜなんだ? アメリカ大統領候補の討論会が純粋に面白いワケ 27日に投開票される自民党総裁選挙は、当初こそかなり盛り上がったものの、すでに国民一般の関心は失速気味だ。報道はいまだに続いているが、連日、ほぼ同じ議論とキャッチフレーズが繰り返され、自民党員以外は関心を失ったようだ。 一方、アメリカ大統領選挙は、日本には直接関係ないのに、NHKは地上波で、ドナルド・トランプ前大統領とカマラ・ハリス副大統領の討論会90分超を完全生中継した。 同国では視聴者数は5750万人以上と推計されているが、日本でも、NHKをはじめ、多くのニュース番組ではトップ扱い、かつ大々的に報道された。この持ち回り連載で執筆しているかんべえ氏(=吉崎達彦・双日総合研究所チーフエコノミスト)にとっては、選挙分析は仕事だから(趣味でもあるか?)かぶりつ
「性的欲望」とはいったい何か セクシュアリティ(Sexuality)の学問的な定義とはなんでしょうか。セクシュアリティとは「性欲、性的欲望」のことです。いちばん短い定義、置き換え(翻訳)ですが、ちょっと露骨ですね。もう少し穏やかな言い方を好む人は「性愛」の言葉で置き換えます。ただこれは「『愛』とは何か?」というそれなりに厄介な問題をはらみます。もっと即物的には「性現象」と置き換えられます。 上野千鶴子さんは、日本におけるフェミニズムの大家ですが、日本のフェミニズム研究者には珍しく、若い頃からセクシュアリティへの関心をはっきりと持っていた方です(その点では尊敬しています)。その上野さんが、セクシュアリティとは「性をめぐる観念と欲望の集合」と定義しています(上野千鶴子「『セクシュアリティの近代』を超えて」)。 おおよそ良いと思うのですが「観念と欲望」だと「行為」が抜け落ちてしまいます。そこで私
新型コロナウイルスの感染拡大を機に、フレックスタイムやリモートワークを実施する企業も出始めました。朝の満員電車は多少の緩和がみられるものの、大きく改善しているわけではありません。感染リスクがあっても定時出社が変わらないのはなぜなのか、筒井淳也先生に聞きました。 定時出社を続ける経営トップの意識は 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、安倍首相は全国の小中高等学校に臨時休校を要請しました。国として大きな危機感を抱いていることの表れだと思いますが、一方で各企業は学校にならって休業することは容易ではありませんので、活動を継続させながらの感染防止対策を進める必要があります。 実際、一部の企業ではラッシュアワーの通勤を避けたり在宅勤務を奨励したりし始めました。しかし、東京の通勤電車は今も混雑が続いています。これは、多くの企業が従来通りの“定時出社”を続けているからだと思われます。 出社や退社の定時は、
あなたの会社は価格決定権を持っているか 多くの企業で行なわれている価格決定のフローは、下記の3つのうち、いずれかのパターンを慣習的、惰性的に実施している場合が多い。 ① 自社コストに必要な利潤を加えて価格を決める ② 自社 対 競合商品の強弱で価格を調整する ③ 顧客、取引先のいいなりで価格を決めさせられている この傾向は企業のマーケティング担当者と現実の価格決定の実例をインタビューしても同様であった。①はコスト・プラスという値決めの方法で、この発想である限り大胆な付加価値価格は設定しにくい。②③はよくある事例で、顧客価値創造プライシングではない上に、価格決定権を自社で持つ意志が弱く、圧倒的に主体性に欠ける。 価格支配力が移動した「ダイエー・松下戦争」 ここで象徴的な事例をご紹介する。1964年から30年間に渡ってダイエーと松下電器産業(現 パナソニック)の間で「ダイエー・松下戦争」と呼ば
上皇上皇后両陛下 宮内庁提供 渡辺允さんの心配していたこと 安倍晋三元首相が銃撃された7月8日の夕方、帝国ホテルの宴会場「孔雀の間」で、元侍従長渡辺允(まこと)さんのお別れの会が開かれた。会場に入ると生前をしのばせる写真が飾られていた。一人で馬に乗る少年時代のモノクロ写真、品格ある夫人と仲睦まじい夫婦の写真、孫世代も含め親戚一同アロハシャツを着て南の島で撮った記念写真などだ。 そして正面の祭壇には、朗らかな表情をした渡辺さんの上下に大きく引き伸ばされた写真があった。長身だった渡辺さんが瑞宝大綬章を佩用(はいよう)した燕尾服姿で、水色と黄色の勲章のリボンが目にも鮮やかに映った。 入口で迎えてくれた三姉妹の息女に挨拶した後、会場に入ると徐々に人が集まって来た。その中には川島裕氏(元侍従長)や羽毛田信吾氏(元宮内庁長官)といった宮内庁や古巣の外務省の関係者、メディア関係者のほか、上皇上皇后両陛下
代官山蔦屋書店にて、『起業家のように企業で働く』(クロスメディア・パブリッシング)刊行記念イベントが開催されました。著者の小杉俊哉氏と、HRDグループ・プロファイルズ株式会社の水谷壽芳氏が登壇し、企業の中で働きながら自らのキャリアを築く方法が語られました。本記事では、小杉氏が経験した、Apple時代の「起業家のように企業で働く」エピソードについて、キャリアの幅を広げる「楽しむ」重要性について語られました。 自分の「志」を会社で貫き通すためには 水谷壽芳氏(以下、水谷):せっかくなので、今日のお話を聞いて、小杉さんに直接質問されたいことがありましたら、と思いますが何かございますでしょうか。 企業人事の参加者:ありがとうございます。先ほどお伺いした話の中で、上司をどううまく使っていくか(というのが印象に残っています)。上司を黙らせるために、やるべきことをしっかりやった上で自分のやりたいことを通
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