自民党の大阪・関西万博推進本部(本部長・二階俊博元幹事長)が10日、党本部で開かれ、万博パビリオンの建設を時間外労働の上限規制の対象外とするよう求める意見が自民議員から上がった。同様の要望は、主催す…
府庁咲洲庁舎の50階から見える、建設が進む万博会場=大阪市住之江区で2023年10月6日午後0時55分、川平愛撮影 2025年大阪・関西万博で運航を予定する「空飛ぶクルマ」を巡り、乗客を乗せた「商用運航」に向けた機体量産が、開幕に間に合わない見通しとなっていることが分かった。事業者となる四つの企業グループ中、二つは量産に必要な安全認証取得が遅れ、うち1グループは商用運航を断念。調達できる機体数は4者とも最大数機の見込みだ。各事業者が12日までに明らかにした。 大阪府の吉村洋文知事は、空飛ぶクルマを「空の移動革命」と位置付け、万博での商用運航を契機に社会実装を目指すと強調してきた。13日で万博開幕まで1年半。安全を保証するハードルの高さが浮き彫りとなった。
2025年大阪・関西万博(4月13日~10月13日)は「失敗」だ――。目前にせまった国家プロジェクトを、開幕前からこう断じた本がある。 24年8月刊行の『大阪・関西万博「失敗」の本質』(ちくま新書)。国民の関心が高まらない万博を5人の書き手が多角的に検証する。なぜ「事後」ではなく「事前」か。執筆に加わり、編集も務めたノンフィクションライターの松本創(はじむ)さん(55)が恐れるのは「『なんとなくやってよかった』という空気感」。過去に開催した巨大イベントが念頭にある。 インタビュー前後編の前編です 後編・理念や哲学なき大阪万博 松本創さんが指摘するメガイベントの空疎さ 40年前の「名著」にヒント 本書の源流は、21年の東京オリンピック・パラリンピックまでさかのぼる。 開幕前日の7月22日、松本さんはX(ツイッター)でこんな投稿をしていた。 「『失敗の本質2020―東京五輪の組織論的研究』とい
万博推進本部会議後、記者の質問に答える吉村洋文・大阪府知事(右)と横山英幸・大阪市長=大阪市中央区で2023年11月1日午後5時7分、加古信志撮影 大阪府と大阪市は1日、最大2350億円に上振れする見通しとなった2025年大阪・関西万博の会場建設費について、増額分の負担を正式に受け入れると表明した。増額は20年に続く2度目で、当初の1250億円の1・9倍となる。国、府市、経済界の3者が3分の1ずつ負担するルールで、経済界も同日、増額を認めるコメントを発表した。国も開会中の臨時国会に提出する補正予算案に盛り込む予定で、近く増額を容認する。 会場建設費は外国の要人を迎える「迎賓館」やメイン会場の「大催事場」などに関する費用。資材や人件費の高騰を背景に、政府が8月、日本国際博覧会協会に必要額を精査するよう指示し、協会が10月20日、3者を前に500億円の増額が必要との結果を公表した。
世界都市博覧会のメイン会場となる国際展示場を視察し、説明を聞く青島幸男氏(中央)=東京都江東区有明で1995年4月20日、平野幸久撮影 パビリオンの建設遅れ、予算の上振れ、盛り上がらない機運……。開催まで1年余となった大阪・関西万博は、問題が噴出している。さらに能登半島地震が発生したことにより、多大な税金がつぎ込まれる万博への風当たりは強まるばかりだ。この状況を、30年ほど前と重ね合わせる男性がいる。東京での世界都市博覧会(都市博)を中止した元都知事・青島幸男氏(2006年に74歳で死去)の特別秘書を務めた辺見広明さん(73)だ。 <主な内容> ・なし崩しの公金投入 ・都市博の時と「同じ空気感」 ・圧勝の都知事選で変わった潮目 ・揺れる青島氏、犬は胃潰瘍に ・「開催」と「中止」の資料に差 ・30年前の教訓とは 費用上振れで「強行開催」の批判も 政府は23年12月、万博にかける費用を公表した
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