「結局、事情を考えると、突然解雇されても文句が言えないんです。今月の支払いができず食べ物もない人間がいるってことを……、もっと理解してほしい」 こう話すのは勤続年数20年のベテランドライバーの男性(60)である。 政府が「検討します」「検討しているところ」「検討中」と壊れたレコードのように検討検討と言ってる陰で、手元に残された最後の1万円の現金を握りしめ、不安に押しつぶされそうになっている人たちがいる。 「30万円もらえるまでどうにかしのがなきゃ」と踏ん張っていたのに、検討を重ねてまた問題が生じ、「やっぱり10万って。何を信じたらいいのか、もうわけが分からない」と、ただ天を仰ぎ、体を動かす力すら湧いてこない……。 先日、SNS(交流サイト)で「フィールドワークのインタビューを、今こそやりたいのにできない状況なので、新型コロナウイルスの影響で、派遣切り、解雇、倒産、減給など、生活が立ち行かな