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呼吸器内科の検索結果41 - 80 件 / 142件

  • 在宅酸素療法はどのような患者にすすめるべきか、2020年ATSガイドラインから参照② - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

    2020年にアメリカ胸部医学会(ATS)から在宅酸素療法についてのガイドラインが提唱されました。 Jacobs SS, et al. Home Oxygen Therapy for Adults with Chronic Lung Disease. An Official American Thoracic Society Clinical Practice Guideline. Am J Respir Crit Care Med 2020;202:e121–41. 間質性肺炎に関しては、以下の2つの項目について解説されています。 安静時に重度の低酸素がある場合、在宅酸素療法は勧められるか。 労作時に重度の低酸素がある場合、労作時のみの酸素療法は勧められるか。 本日は、この項目②について解説します。 項目①の解説はこちらの記事をご覧ください▼ 労作時に重度の低酸素がある場合、労作時のみの酸

      在宅酸素療法はどのような患者にすすめるべきか、2020年ATSガイドラインから参照② - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
    • 急性増悪の発症頻度と90日死亡率 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

      2020年に約1000例のデータを用いて、特発性肺線維症(IPF)とIPF以外の間質性肺炎での、急性増悪の発症頻度と予後を調べた研究が、日本の単施設から報告されました。 Suzuki A, et al. Acute exacerbations of fibrotic interstitial lung diseases. Respirology 2020;25:525–34. 対象の疾患 対象は間質性肺炎の患者1019例 特発性肺線維症(IPF):462例 その他間質性肺炎:557例 非特異性間質性肺炎(NSIP):22例 過敏性肺炎(CHP):29例 膠原病に伴う間質性肺炎:205例 分類不能型間質性肺炎:301例 結果①:急性増悪の発症率 急性増悪の発症率 特発性肺線維症:8.38/100人年 その他間質性肺炎:3.21/100人年 非特異性間質性肺炎(NSIP):1.77/100人年

        急性増悪の発症頻度と90日死亡率 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
      • コロナ第4波、検査値と画像に見られる異変 | 呼吸器内科医

        20世紀前半に大流行した「スペインかぜ」では、1億人近い死者のうち、基礎疾患のない若年者の死亡数が際立って多かったことから、サイトカインストームを来した症例が多かったと考えられています(調べる術はないですが)1)。病原微生物から体を守るはずの免疫系が、体内で暴走して自らを攻撃するということです。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と同様にコロナウイルス感染症であるSARSでも、サイトカインストームを起こした症例があったと報告されています2)。 大阪府のコロナ第4波では、特に4月以降、医師の間で「いくら何でもCRP高くね?」という意見が増えてきました。その患者の電子カルテを一人ひとり見ていくと、確かに2ケタmg/dLになっている症例が目立ちます。ひどいものでは、40mg/dL近くあります。「血培陽性の肺炎球菌性肺炎か!」というくらい高いのです。 第3波までも、確かに重症になると採血デ

          コロナ第4波、検査値と画像に見られる異変 | 呼吸器内科医
        • シェーグレン症候群に伴う間質性肺炎 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

          シェーグレン症候群は、唾液腺炎や涙腺炎を主体とし、様々な自己抗体の出現を伴う原因不明の自己免疫性疾患です。間質性肺炎は重要な臓器病変の一つであり、間質性肺炎合併のシェーグレン症候群は国の指定難病でも重症に分類されています。 シェーグレン症候群に伴う間質性肺炎の難病制度に関しては、以下の記事をご覧ください。 シェーグレン症候群の間質性肺炎の合併頻度 間質性肺炎合併は経年的に増加 間質性肺炎合併リスク因子 シェーグレン症候群の間質性肺炎の合併頻度 日本からの研究ですが、101例のシェーグレン症候群を対象に胸部CT検査を行ったところ32%の患者さんが間質性肺炎を合併していたという報告です。また、画像のパターンのほとんどは、非特異性間質性肺炎(NSIP)パターンでした。 Kakugawa T, et al. Lymphocytic focus score is positively related

            シェーグレン症候群に伴う間質性肺炎 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
          • COVID-19:China CDCによる72314人の解析結果 | 呼吸器内科医

            これまでで一番多い症例を報告したものです。 ※2020年2月24日 JAMAに掲載されました。 Zunyou Wu, et al. Characteristics of and Important Lessons From the Coronavirus Disease 2019 (COVID-19) Outbreak in China Summary of a Report of 72314 Cases From the Chinese Center for Disease Control and Prevention JAMA. Published online February 24, 2020. doi:10.1001/jama.2020.2648 背景: 中国湖北省武漢におけるCOVID-19のアウトブレイクは、世界的に流行した。そこで、われわれは2020年2月11日時点で診断さ

              COVID-19:China CDCによる72314人の解析結果 | 呼吸器内科医
            • 間質性肺炎全体の有病率は?欧米のデータから引用 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

              間質性肺炎の有病率は、国ごとに異なります。 2021年にアメリカ(USA)、ベルギー(Belgium)、ギリシャ(Greece)、マルタ(Malta)、フランス(France)の各国における間質性肺炎の有病率が報告されました。 Olson A, et al. Estimation of the Prevalence of Progressive Fibrosing Interstitial Lung Diseases: Systematic Literature Review and Data from a Physician Survey. Adv Ther 2021;38:854–67. 欧米における間質性肺炎の有病率 本研究の結果から、欧米における間質性肺炎全体の有病率は、それぞれ以下のように報告されました。 アメリカは10万人あたり74.3人 ベルギーは10万人あたり6.3人 ギリ

                間質性肺炎全体の有病率は?欧米のデータから引用 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
              • ANCA関連血管炎、特に画像UIPパターンは予後不良 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                ANCA関連血管炎の再燃、画像パターンに関する研究が、フランスの血管炎グループから報告されました。 Maillet T, et al. Usual interstitial pneumonia in ANCA-associated vasculitis: A poor prognostic factor. J Autoimmun 2020;106:102338. 結果 ANCA関連血管炎において、間質性肺炎合併の有無で再燃までの期間は変わらない。 画像UIPパターンは予後不良な経過をたどり、多変量解析でも予後不良因子であった。 <まとめ> ANCA関連血管炎では、間質性肺炎は注意すべき合併症であるが、特に画像UIPパターンは予後不良である。 クリックお願いします!

                  ANCA関連血管炎、特に画像UIPパターンは予後不良 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                • 重症COVID-19後に肺の線維化が残存する危険因子 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                  重症COVID-19後の線維化をきたす予測因子を検討した研究がRadiology2021に報告されています。 Han X, et al. Six-month Follow-up Chest CT Findings after Severe COVID-19 Pneumonia. Radiology 2021;299:E177–86.S 背景 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)から回復した患者、特に重症の患者における長期的な肺の変化については、ほとんど知られていない。 研究の目的:重症COVID-19肺炎の生存者の6か月後の胸部CTを前向きに評価し、肺の線維化様の変化の危険因子を調べること。 方法 重症COVID-19の114人の患者(70%が男性、平均年齢54±12歳)を前向きに調査した。 初回およびフォローのCTは、症状発現後、それぞれ平均17±11日および175±20日に撮影

                    重症COVID-19後に肺の線維化が残存する危険因子 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                  • 重症喘息に対する気管支サーモプラスティの長期データ - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                    気管支喘息の治療の一つに気管支サーモプラスティ(BT; bronchial thermoplasty)があります。 気管支サーモプラスティは、重症喘息を治療するための気管支鏡下の手技の一つであり、高周波電流により気管支壁を加熱することで、気管支平滑筋を減少させ、喘息発作を抑える効果が期待されています。 今回、この気管支サーモプラスティを行った患者の長期的な観察データをまとめた研究がLancet Respir Medに報告されました。 Chaudhuri R, et al. Safety and effectiveness of bronchial thermoplasty after 10 years in patients with persistent asthma (BT10+): a follow-up of three randomised controlled trials.

                      重症喘息に対する気管支サーモプラスティの長期データ - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                    • 急性増悪にも原因があるものと原因不明のものがある - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                      急性増悪(AE, acute exacerbation)は、かつては原因不明とされていましたが、最近では感染や検査手技、外科的肺手術、薬剤などが誘因となることが知られています。 2016年にこれらをまとめた報告がなされ、 原因が不明なものをidiopathic AE 原因があるものをtriggered AE と呼ぶことが提案されました。 Collard HR, et al. Acute Exacerbation of Idiopathic Pulmonary Fibrosis. An International Working Group Report. Am J Respir Crit Care Med 2016;194:265–75. 日本語に直すと、 idiopathic AE →特発性急性増悪 triggered AE  →誘因のある急性増悪 でしょうか。 実際の臨床では、急性増悪

                        急性増悪にも原因があるものと原因不明のものがある - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                      • 経過中にANCAが陽性となる頻度はどの程度か - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                        ANCA(anti-neutrophil cytoplasmic antibody)は抗好中球細胞質抗体と呼ばれる自己抗体の総称で、これと関連の深い血管炎をANCA関連血管炎と総称しています。 間質性肺炎において、経過でANCAがどの程度陽性となるかを検討した研究は報告されました。 Hozumi H, et al. Clinical significance of myeloperoxidase-anti-neutrophil cytoplasmic antibody in idiopathic interstitial pneumonias. PLoS One 2018;13:e0199659. 305例の特発性間質性肺炎(IIP: idiopathic interstitial pneumonia)のうち、診断時にMPO-ANCAが陽性であったのは26例(8.5%)でした。 観察期間中

                          経過中にANCAが陽性となる頻度はどの程度か - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                        • 【保存版】間質性肺炎ってどんな病気?概要を詳しく解説します - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                          この記事では、間質性肺炎についての基本的な情報をまとめまています。 とても難しい病気ではありますが、なるべくわかりやすく説明しますので、ぜひご覧ください。ちょっと長いですが、下のもくじから少しずつご覧いただけましたら嬉しく思います。 (最終アップデート:2022年04月02日) 間質性肺炎の概論 ○○肺炎とは? 間質性肺炎の間質とは? 肺が硬くなる?肺の線維化? 間質性肺炎の原因 間質性肺炎の主な症状 咳 動いた時の息切れ 修正MRC息切れスケール質問票 間質性肺炎の問診と診察 問診 身体診察 聴診 ばち指 膠原病に伴う全身症状 間質性肺炎の検査 血液検査 動脈血液ガス検査 画像検査 胸部レントゲン写真 胸部CT検査 肺機能検査 6分間歩行試験 気管支鏡検査 ビデオ補助胸腔鏡手術(VATS) 間質性肺炎の診断までの流れ 間質性肺炎の分類 間質性肺炎の概論 ○○肺炎とは? 〇〇肺炎といっても

                            【保存版】間質性肺炎ってどんな病気?概要を詳しく解説します - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                          • 口唇腺生検、シェーグレン症候群診断のための重要な検査 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                            シェーグレン症候群の診断基準の一つに、口唇腺生検の組織所見が含まれています。 口の中には小唾液腺というが存在し、その中でも口唇に分布するものを口唇腺といいます。つまり唇に存在する小唾液腺を狙って生検するものです。 (図. シェーグレン症候群の診断のための下唇腺(矢印)の生検。Shen D, et al. Clinical anatomy of the inferior labial gland: a narrative review. Gland Surg 2021.より引用掲載) 具体的には、 下唇を引っ張り 麻酔をして、 1.5-2.0cmほどの切開を入れて組織を採取 します。 この組織所見で、 4mm2あたり1focus以上の単核細胞浸潤を認める 場合を陽性と判断します。 この所見は、日本の診断基準だけでなく、 米国・ヨーロッパ改訂分類基準(2002年) 米国リウマチ学会分類基準(2

                              口唇腺生検、シェーグレン症候群診断のための重要な検査 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                            • ラインブロットでの自己抗体測定の限界 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                              間質性肺炎の原因の一つに膠原病がありますが、肺以外の症状がない場合もあり、スクリーニングとして膠原病に伴う自己抗体を測定します。 しかし、どの測定法で行うかがとても重要であり、検査によっては偽陽性、偽陰性の問題があります。今回はその検査に関して言及したとても重要な日本からの報告です。 Hamaguchi Y, et al. Performance evaluation of a commercial line blot assay system for detection of myositis- and systemic sclerosis-related autoantibodies. Clin Rheumatol 2020;39:3489–97. 目的 ラインブロット(LB)アッセイは、複数の抗核抗体の特異性を同時に検出することができるが、その精度が問題視されている。 研究課題:筋炎

                                ラインブロットでの自己抗体測定の限界 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                              • 強皮症に伴う間質性肺疾患に対するニンテダニブの効果(SENSCIS試験) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                特発性肺線維症(IPF)の治療薬の一つであるニンテダニブ(商品名:オフェブ)ですが、その後2019年に全身性強皮症関連間質性肺疾患にも適応が追加されました。その根拠となったのが、SENSCIS試験(国際共同第3相試験)です。 Distler O, et al. Nintedanib for Systemic Sclerosis-Associated Interstitial Lung Disease. N Engl J Med 2019;380:2518–28. SENSCIS試験の概要 登録された患者の背景 SENSCIS試験の結果 SENSCIS試験の概要 576例の全身性強皮症に伴う間質性肺疾患を対象にした試験で、 ニンテダニブ群とプラセボ群にわけ、 52週時点での努力性肺活量(FVC)の変化を比較しました。 登録された患者の背景 女性が全体の75% 平均年齢が54歳 びまん皮膚硬化

                                  強皮症に伴う間質性肺疾患に対するニンテダニブの効果(SENSCIS試験) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                • 抗ARS抗体陽性の間質性肺炎は、カルシニューリン阻害薬の中止後の再燃に注意 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                  昨日の記事で「抗ARS抗体陽性の間質性肺炎では、ほとんどの症例で初期治療へは反応を示すが、経過で約60%が再燃を経験した。KL-6は疾患挙動を反映するバイオマーカーとして有用な可能性があり、特に最良値から2倍以上の上昇を認める場合には再燃に注意する必要がある。」と報告しました。 詳しくは以下の記事をご覧ください。 抗ARS抗体陽性の間質性肺炎の治療経過をまとめた同論文をもう少し詳しく見てみたいと思います。 Takei R, et al. Predictive factors for the recurrence of anti-aminoacyl-tRNA synthetase antibody-associated interstitial lung disease. Respir Investig 2020;58:83–90. 治療の内容 本研究では、抗ARS抗体陽性の間質性肺炎に対す

                                    抗ARS抗体陽性の間質性肺炎は、カルシニューリン阻害薬の中止後の再燃に注意 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                  • COVID-19 | 町田市の循環器・呼吸器内科:しながわ内科循環器科クリニック

                                    明けましておめでとうございます。院長の品川弥人です。 本年もよろしくお願いいたします。 新型コロナウイルスの感染拡大がより一層厳しい状況となり、予断を許さない状況が続いていますね。改めて気を引き締めて感染対策と体調管理を行っていきましょう。 さて、この感染拡大の制御に向けて、大きな期待がかかるのが欧米で接種が始まったCOVID-19のワクチンです。国内でも本年度上半期には接種が始まる見込みです。 今回このワクチンに対する情報をまとめたのでお役立ていただければ幸いです。動画の他に書きおこしの文章も少し長いですが動画リンクの後にすべてupしておきますね。 このブログ、動画では2020年12月末の時点でわかっている新型コロナウイルス(COVID-19)のワクチンについての情報を整理してお伝えします。 お伝えする情報は4つです。 1)ワクチン開発の現状と有効性 2)これまでのワクチンとどこが違うの

                                      COVID-19 | 町田市の循環器・呼吸器内科:しながわ内科循環器科クリニック
                                    • ANCA関連血管炎は種類ごとに各臓器の発症頻度は異なる - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                      ANCA関連血管炎の種類には、 顕微鏡的多発血管炎 (Microscopic Polyangitis; MPA) 多発血管炎性肉芽腫症(Granulomatosis with Polyangitis;  GPA) 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(Eosinophilic Granulomatosis with Polyangitis; EGPA) の3種類があります。詳しくは以下の記事をご覧ください。 ANCA関連血管炎は全身の臓器に症状を起こすことが報告されていますが、しかし、この病型によって、各臓器の発症頻度は異なります。 例えば肺病変は、EGPA>GPA>MPAの順に認める頻度が多いようです。 注意:EGPAに関しては喘息やアレルギー症状を含んだ結果 腎病変(Kidneys、右列、下)はMPA>GPA>>EGPA、消化管は(Gastrointerstinal tract、右列下)はEG

                                        ANCA関連血管炎は種類ごとに各臓器の発症頻度は異なる - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                      • 「PF-ILDと診断した後も肺機能は低下する(PROGRESS試験)」 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                        間質性肺炎の一部では進行性に線維化が悪化する一群が存在します。 日本ではPF-ILDとして認識され、2019年にはPF-ILDに対して抗線維化薬であるニンテダニブ(商品名:オフェブ)の有効性が報告されました。 PF-ILDに関しては以下の記事もご覧ください。 2021年にフランスのグループからこのPF-ILDを満たした165例の研究が報告されています(PROGRESS試験)。 Nasser M, et al. Progressive fibrosing interstitial lung disease: a clinical cohort (the PROGRESS study). Eur Respir J 2021;57. 対象 PF-ILDを満たした165例の特発性肺線維症(IPF)以外の線維化性間質性肺炎 CHP 8.5% (n=14), IIP 7.3% (n=12), UC-I

                                          「PF-ILDと診断した後も肺機能は低下する(PROGRESS試験)」 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                        • ANCA関連血管炎の画像、病理の特徴は?(特発性肺線維症との比較) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                          間質性肺炎の検査ではANCAを測定しますが、その臨床的な意義についてはまだわかっていないことは多いです。このANCA陽性の間質性肺炎について、2016年に日本の単施設からの画像所見、病理所見の特徴が報告されました。 Hosoda et al. Clinical features of usual interstitial pneumonia with anti-neutrophil cytoplasmic antibody in comparison with idiopathic pulmonary fibrosis. Respirology 2016;21:920–6. 対象 ANCA/UIP:ANCA陽性の間質性肺炎(病理UIPパターン)の12例とIPF/UIP:特発性肺線維症(病理UIPパターン)の108例を比較 病理UIPパターンは外科的肺生検で診断 IPF;特発性肺線維症、UI

                                            ANCA関連血管炎の画像、病理の特徴は?(特発性肺線維症との比較) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                          • サルコイドーシスの有病率には地域性がある - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                            サルコイドーシスは、全身の様々な臓器を病変とする原因不明の疾患で、日本ではとても稀な疾患です。 特に間質性肺炎は重要な臓器病変の一つといわれており、サルコイドーシスにおける間質性肺炎の有病率に関しては、以下の記事でも報告しています。 しかし、実はサルコイドーシスは国によってその有病率が極めて多彩であることはご存じでしょうか。 サルコイドーシスの有病率についてビックデータを用いたレビューが報告されました。 Brito-Zerón P, Kostov B, Superville D, Baughman RP, Ramos-Casals M, Autoimmune Big Data Study Group. Geoepidemiological big data approach to sarcoidosis: geographical and ethnic determinants. Clin

                                              サルコイドーシスの有病率には地域性がある - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                            • 全身性強皮症に対するトシリズマブの長期データ(focusSSced試験の長期観察データ) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                              全身性強皮症(SSc)に対するトシリズマブ(商品名:アクテムラ)の効果を示した重要な臨床試験であるfocuSSced試験が報告されましたが、その後の96週まで観察した長期データが報告されました。 Khanna D, et al. Long-Term Safety and Efficacy of Tocilizumab in Early Systemic Sclerosis-Interstitial Lung Disease: Open Label Extension of a Phase 3 Randomized Controlled Trial. Am J Respir Crit Care Med 2021. 試験の概要 48週のfocuSSced試験後、プラセボ群はトシリズマブ群に移行が可能で、96週までのmRSSとFVCの経過をフォローした(プラセボ→トシリズマブ群 vs トシリズマ

                                                全身性強皮症に対するトシリズマブの長期データ(focusSSced試験の長期観察データ) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                              • 『誰かこの素人を黙らせてくれ「岡田晴恵教授 都医師会のPCRセンターに「早急に東京都をモデルケース | 東京医大八王子医療センター呼吸器内科  「教授」の つぶやき』へのコメント

                                                世の中 誰かこの素人を黙らせてくれ「岡田晴恵教授 都医師会のPCRセンターに「早急に東京都をモデルケース | 東京医大八王子医療センター呼吸器内科  「教授」の つぶやき

                                                  『誰かこの素人を黙らせてくれ「岡田晴恵教授 都医師会のPCRセンターに「早急に東京都をモデルケース | 東京医大八王子医療センター呼吸器内科  「教授」の つぶやき』へのコメント
                                                • NIVO score:COPDの院内死亡の予測スコアリングシステム - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                  本日は間質性肺炎ではなく、慢性閉塞性肺疾患(COPD; chronic obstructive pulmonary disease)に関する報告です。 COPDとは、タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することなどにより生ずる肺疾患です。時に感染などにより増悪することが知られ、呼吸困難などを生じて入院、時に人工呼吸器管理が必要となることがあります。 COPD増悪と急性呼吸不全で入院した患者を対象に、院内死亡の予測因子を検討した研究が報告されました。 Hartley T, et al. The Noninvasive Ventilation Outcomes (NIVO) score: prediction of in-hospital mortality in exacerbations of COPD requiring assisted ventilation. Eur Resp

                                                    NIVO score:COPDの院内死亡の予測スコアリングシステム - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                  • 肺病変合併のシェーグレン症候群の予後 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                    シェーグレン症候群の間質性肺炎の合併については、昨日の記事でまとめさせていただきました。詳しくは以下の記事をご覧ください。 それでは、シェーグレン症候群に伴う間質性肺炎の予後はどのような報告があるのでしょうか。 シェーグレン症候群と肺病変合併の予後 2013年にはノルウェーから200例を超えるコホートで研究が行われました。 Palm O, et al. Clinical pulmonary involvement in primary Sjogren’s syndrome: prevalence, quality of life and mortality--a retrospective study based on registry data. Rheumatology 2013;52:173–9 対象は、1999年から2010年にノルウェーの膠原病・血管炎コホート(NOSVAR)に登

                                                      肺病変合併のシェーグレン症候群の予後 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                    • ニンテダニブの臨床試験③「TOMORROW試験とINPULSIS試験の統合解析」 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                      ニンテダニブ(商品名:オフェブ)は臨床試験の結果をうけて、2015年から特発性肺線維症での使用が可能となりました。 それがTOMORROW試験とINPULSIS試験ですが、これら両試験を統合解析した結果が2016年に報告されています。 Richeldi L, et al. Nintedanib in patients with idiopathic pulmonary fibrosis: Combined evidence from the TOMORROW and INPULSIS(®) trials. Respir Med 2016;113:74–9. この両試験を統合解析した結果、52週時点での年間努力肺活量(FVC)の変化は、 ニンテダニブ群:-112.4ml プラセボ群:-223.3ml であり、年間のFVC低下を約110.9ml程度減少しました。 (図. 年間のFVC低下の比較

                                                        ニンテダニブの臨床試験③「TOMORROW試験とINPULSIS試験の統合解析」 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                      • PF-ILDの実臨床データ(PROGRESS試験) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                        進行性線維化を伴う間質性肺疾患(PF-ILD)におけるオフェブの有効性と安全性が報告されました。この重要な試験であるINBUILD試験に関しては、以下の記事をご覧ください。 このPF-ILDは現在間質性肺炎の領域で脚光を浴びている重要な概念ですが、まだ実臨床でのデータは不足しています。 2021年2月に実臨床におけるPF-ILDの臨床像がフランスから報告されました(PROGRESS試験)。 Nasser M, et al. Progressive fibrosing interstitial lung disease: a clinical cohort (the PROGRESS study). Eur Respir J 2021;57. 対象患者の背景 フランスの実臨床におけるPF-ILDを示した165名の間質性肺炎の患者 年齢は61歳、57%が女性、努力肺活量(FVC)は74% 抗線

                                                          PF-ILDの実臨床データ(PROGRESS試験) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                        • 全身性強皮症に伴う間質性肺炎の画像所見 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                            全身性強皮症に伴う間質性肺炎の画像所見 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                          • IPFの急性増悪に対するリコンビナントトロンボモジュリンの効果 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                            特発性肺線維症(IPF)の急性増悪に対するリコンビナントトロンボモジュリン(商品名:リコモジュリン)についての報告です。有効性が乏しいとする結果でしたが、何より世界で初めて急性増悪に対するランダム化二重盲検プラセボ対照試験を日本で行えたことが大変すばらしいと思います。 Kondoh Y, et al. Thrombomodulin Alfa for Acute Exacerbation of Idiopathic Pulmonary Fibrosis. A Randomized, Double-Blind Placebo-controlled Trial. Am J Respir Crit Care Med 2020;201:1110–9. 背景 特発性肺線維症の経過中に発症する急性増悪は予後不良である。 急性増悪の病態には、凝固異常と内皮障害が関与しているといわれているが、リコンビナント

                                                              IPFの急性増悪に対するリコンビナントトロンボモジュリンの効果 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                            • 抗がん剤治療中の発熱、大血管炎にも注意を - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                              抗がん剤治療中の大血管炎の発症、私自身はまだ経験したことはありません。 Taimen K, et al. Granulocyte colony-stimulating factor- and chemotherapy-induced large-vessel vasculitis: six patient cases and a systematic literature review. Rheumatol Adv Pract 2020. 目的 抗がん剤治療中は、感染による発熱や炎症反応上昇をきたすリスクがあるが、大血管炎も同様の症状を呈することがあり、鑑別診断に含める必要がある。 大血管炎と顆粒球コロニー形成刺激因子製剤(G-CSF)および化学療法の使用との因果関係を示唆する症例報告や有害事象報告がいくつか発表されている。 そこで、大血管炎とG-CSFおよび化学療法との関連性を評価するこ

                                                                抗がん剤治療中の発熱、大血管炎にも注意を - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                              • COVID-19:大阪府の現状(6月1日) | 呼吸器内科医

                                                                大阪府の現状です。軽症中等症病床で診ている重症患者さんは7人にまで減少し(図の緑色の部分)、これは重症化後に長期化してしまった症例であろうと推察されます。重症者総数は5月4日に449人に到達しましたが、現在230人と半減しています。

                                                                  COVID-19:大阪府の現状(6月1日) | 呼吸器内科医
                                                                • 咳が止まらなくて夜眠れない時の対処法と予防法 | 横浜弘明寺呼吸器内科クリニック健康情報局

                                                                  しつこい咳で夜も眠れないことが続くと、寝不足で体力を消耗するほか、ひどくなると咳による刺激を受け続けた肋骨が折れたりヒビが入ったりすることもあります。 この記事では、夜になると咳が出る原因を解説し、その場でできる対処法とのどを守って咳を予防する方法を紹介します。 風邪を引いた後に咳だけがしつこく残っている人や、ちょっとした刺激で咳込んでしまう人は、ぜひ読んでください。 1.なぜ夜になると咳が出るのか 咳は、ホコリや細菌、ウイルスなどの異物が体に入らないようにする為の防衛機能です。空気の通り道である気道に侵入した異物を外に出すために、咳が出ます。 また、気道に炎症が起こると粘り気の強い痰が生じるので、溜まった痰を外に排出するときにも咳が出ます。 咳が出る病気の例として、風邪や気管支炎、咳喘息、肺炎、副鼻腔炎、胃食道逆流症があります。 この章では、夜に咳が出る理由ついて紹介します。 ◆「風邪を

                                                                  • 間質性肺炎でも特に低肺機能や肥満の患者はCOVID-19の感染に注意が必要 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                                    2020年12月にヨーロッパから間質性肺炎患者でCOVID-19に感染した場合のリスクが研究され、Am J Respir Crit Care Medに報告されました。 Drake TM, et al. Outcome of Hospitalization for COVID-19 in Patients with Interstitial Lung Disease. An International Multicenter Study. Am J Respir Crit Care Med 2020;202:1656–65. 背景と目的 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が間質性肺炎の患者に与える影響は確立されていない。 研究課題:年齢、性別、合併症をマッチさせた集団において、COVID-19のために入院した間質性肺炎患者と間質性肺炎でない患者の転帰を評価する。 方法 2020年3

                                                                      間質性肺炎でも特に低肺機能や肥満の患者はCOVID-19の感染に注意が必要 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                                    • 肺腺癌の遺伝子異常の発現率(日本人) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                                      今日は間質性肺炎、ではなく肺腺癌の遺伝子異常についての報告です。 Saito M, et al. Gene aberrations for precision medicine against lung adenocarcinoma. Cancer Sci 2016;107:713–20. 肺癌の中で最も頻度の高い組織型である肺腺癌は、EGFR遺伝子変異やALK融合遺伝子などのドライバー遺伝子の異常が発生に関与していることが多いといわれています。 このような遺伝子変異を標的とした分子標的薬が開発されており、現在も様々な遺伝子異常が報告されています。 2016年に日本人において、肺腺癌の遺伝子異常の発現率を調べた研究が報告されていますが、EGFR遺伝子変異は肺腺癌の約半数で認める可能性も指摘されています。 (図. 遺伝子異常の発現率。文献より引用掲載) 特に、非喫煙者では遺伝子異常の発現率は

                                                                        肺腺癌の遺伝子異常の発現率(日本人) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                                      • 症状やQOLの質問票:CAT(COPDアセスメントテスト) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                                        COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)とは、いわゆるたばこなどの原因で肺が破壊されて機能が低下し、悪化するとせき・たん・息切れが強くなり生活に支障をきたす病気のことです。 COPDの状態が健康と日常生活にどのような影響を与えているか、COPD患者と主治医が知り、共有する質問票として、CAT(COPDアセスメントテスト)があります。 咳や痰の程度、息切れの程度などを指標とした8項目を、それぞれ0-5点で点数化した質問票(40点満点)です。 例えば、 まったく痰がでない0点 →→→→ いつも痰がでている5点 で咳の症状を自己評価し、「4点」など点数づけを行います。 点数が高いほど症状が強く、日常生活に大きな影響を与えていることがわかります。 用紙に関しては以下ホームページからダウンロードできますので、ご参考ください。 http://www.gol

                                                                          症状やQOLの質問票:CAT(COPDアセスメントテスト) - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                                        • ニンテダニブの臨床試験①「TOMORROW試験」 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                                          ニンテダニブ(商品名:オフェブ)は臨床試験の結果をうけて、2015年から特発性肺線維症での使用が可能となりました。 それがTOMORROW試験とINPULSIS試験です。 ①TOMORROW試験 TOMORROW試験は、40歳以上の特発性肺線維症の患者さんを対象とした試験で、1年間の努力肺活量(FVC)の低下率を比較した試験です。 Richeldi L, et al. Efficacy of a tyrosine kinase inhibitor in idiopathic pulmonary fibrosis. N Engl J Med 2011;365:1079–87. TOMORROW試験の結果 ニンテダニブ群は、プラセボ群と比較してFVC低下を有意に抑制しました。 ニンテダニブ群:FVCは年間60ml低下 プラセボ群:FVCは年間190ml低下 さらに急性増悪の頻度低下やQOL低下

                                                                            ニンテダニブの臨床試験①「TOMORROW試験」 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                                          • 心筋炎と新型コロナウイルス| 町田市の循環器・呼吸器内科:しながわ内科循環器科クリニック

                                                                            こんにちは。院長の品川弥人です。 心筋炎という病気を知っていますか?最近新型コロナウイルス感染症に合併する心臓障害として耳にする方も多いのではないでしょうか? 心筋炎とは心臓の筋肉に炎症を起こす病気です。軽症の場合は無症状であることも多いですが、重症になると心不全やショックを引き起こし命にかかわる重大な病気です。原因は様々ですが、その一つとしてウイルス感染症があります。のどの風邪やおなかの風邪症状の1~2週間後に、胸の痛み、動悸、息苦しさ、失神などで発症することが多いとされています。風邪が治った後にこのような胸の症状が出てきた場合は要注意ですので、必ず病院を受診するようにしましょう。 最近、新型コロナウイルスによる心臓の障害、心筋炎の報告が相次いでいます。通常の風邪ウイルスと同じく心筋炎を引き起こす報告は以前からあったのですが、新型コロナウイルス感染症から回復した患者さん100例に心臓MR

                                                                              心筋炎と新型コロナウイルス| 町田市の循環器・呼吸器内科:しながわ内科循環器科クリニック
                                                                            • COVID-19:大阪府と東京都の現状(8月15日現在) | 呼吸器内科医

                                                                              東京都の感染者数が未曽有の事態となってきました。救急搬送困難例が相次いでおり、このままいくと、軽症中等症病床で人工呼吸器装着患者さんを診る事例が右肩上がりに増えてくるかもしれません。 西浦先生のシミュレーションを見ていると、背筋がゾっとします。退院基準の緩和も重要ですが、重症病床の積み増しはこれ以上難しいのでしょうか、壊れていく医療を目の当たりにするのはつらいですね・・・。 大阪府は全体の感染者数は第4波のアルファ型変異ウイルスほどの水準にはないものの、入院患者数が同じくらいになっています。第4波のときに厳しくハードルが上がった入院基準が、今回なぜか少し閾値を下げて入院してくるケースが多いような気がします。若い人が多いから私がそう感じるだけかもしれませんが、大阪府入院フォローアップセンター、もう少し厳しくしなくても、大丈夫でしょうか?

                                                                                COVID-19:大阪府と東京都の現状(8月15日現在) | 呼吸器内科医
                                                                              • 過敏性肺炎:抗原曝露が原因で発症する間質性肺炎 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                                                間質性肺炎の一つに過敏性肺炎(hypersensitivity pneumonitis; HP)という疾患があります。 過敏性肺炎は、なんらかの抗原を繰り返し吸入することで免疫学的な反応により生じる間質性肺炎ですが、 抗原の種類 曝露状況 発症形式 は様々であり、さらに、臨床的な経過も不均一な疾患です。 過敏性肺炎の原因物質にはこれまで多くの抗原が指摘されてきました。例えば、 微生物:真菌、カンジタなどの酵母、食用キノコ、バクテリア、ダニなどの原生動物 羽毛などの動物性たんぱく質、植物タンパク質 化学薬品や医療品、ベリリウムなどの金属 などが過敏性肺炎を生じうる抗原として挙げられています。これら抗原は患者の趣味や生活環境、ペット、国や地域、文化、季節など様々な影響を受けますが、実際には約100種類以上存在するともいわれています。 Raghu G, et al. Diagnosis of H

                                                                                  過敏性肺炎:抗原曝露が原因で発症する間質性肺炎 - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ
                                                                                • 特発性肺線維症(IPF)と合併症との関係は? - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ

                                                                                  特発性肺線維症(IPF)の合併症には、肺だけでなく、肺外の病変としても様々なものが報告されています。 これら合併症は、無症状のこともあるため、特発性肺線維症(IPF)の診療を行う際にどの程度合併症を検索するか、によって大きく頻度は異なります。 また、合併症に関しては、IPFの進行や死亡率の悪化に影響することも報告されていますので、注意が必要です。 2017年には日本からIPFとこれら合併症との関係をまとめたレビューが報告されました。 Suzuki A, Kondoh Y. The clinical impact of major comorbidities on idiopathic pulmonary fibrosis. Respir Investig 2017;55:94–103. 例えば、喫煙は、特発性肺線維症(IPF)の発症リスク因子といわれています。また、もちろん喫煙は肺癌の発症

                                                                                    特発性肺線維症(IPF)と合併症との関係は? - 呼吸器内科専門医の間質性肺炎ブログ