土地が狭くて庭がつくれなくても、身近に自然を感じながら暮らしたい。そんなときにオススメなのが「坪庭」だ。小さなスペースでも明るく開放的な空間を演出することができ、暮らしを豊かなものにしてくれる。そこで、坪庭の特徴やメリット・デメリット、プランニングの注意点について、一級建築士の横山浩介さんに解説してもらった。 坪庭とは? 坪庭とは、周囲を壁や塀、垣根で囲われた2~3坪程度の小規模な庭のこと。 元々神社や仏閣、武家屋敷などにあった日本庭園を、安土桃山時代に庶民の民家に取り入れたのが始まりと言われている。 当時、京都の町屋は同じ形状の建物が隣家と近接し、間口が狭く奥行きが広いことから鰻の寝床とも呼ばれていた。採光と通風の悪さを解消するために、住居の間に草木や竹、灯篭(とうろう)や飛び石、鹿威し(ししおどし)などを配して小さな日本庭園をつくるようになった。 最初は和風住宅に取り入れられたものだが