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学問の検索結果1 - 10 件 / 10件

  • ジョセフ・ヒース「学問としてのマルクス主義はなぜ凋落したのか」(2024年9月15日)

    先日投稿した「ジョン・ロールズと西洋マルクス主義の死」(原文はここ、邦訳はここで読める)という記事が、このブログ(In Due Course – substak)に投稿してきたこれまでのどのエントリより数倍も多くの読者に読まれた。私はこの事実を突き付けられ、最近の人が何を読みたがっているのかについて、自分が根本的に何も分かっていないことを認めざるを得なくなった。これほどたくさん読まれると分かっていたら、このエントリはもうちょっと違った形で、カジュアルさを落として書いていただろう。 具体的に言うと、先のエントリは、私の人生の一時期に政治哲学の分野で起こった1つの論争を説明しようとしただけだった。西洋マルクス主義の運命について全般的な説明を行おうとしていたわけではなかったのだ。そこで私が述べたのはある意味で、(少なくとも哲学者の間における)マルクス主義理論へのとどめの一撃である。だが、マルクス

    • プロの研究者によるレベル1000のデイリーポータルZ~「みんなの民俗学 ヴァナキュラーってなんだ?」

      デイリーポータルZのライター、関係者が愛読している本を語ります。 今回はライターのこーだいさん。レコメンドは「みんなの民俗学 ヴァナキュラーってなんだ?(平凡社新書)」 聞き手はまこまこまこっちゃん、拙攻、石川です。 ではこーだいさん、お願いします。 こーだい: 民俗学の入門書です。 石川: 今回の収録、すごい本のチョイスに偏りがありませんか(笑) ※同じ収録回の記事 地球の歩き方インドの編集者が世界を旅して集めたものたち~ひとりみんぱく 1969年、別に行きたくなかった人によるソ連旅行記~犬が星見た-ロシア旅行 こーだい: メンバー的に、絶対こうなるだろうなって思ってました(笑) でも、すごくデイリーポータルZ的なんですよ、これ。 まこ: へー。 こーだい: B級グルメのことをひたすら調べたりとか、喫茶店のモーニング文化ばっかりひたすら調べたりとか。 拙攻さんがオランダで船の上で生活して

        プロの研究者によるレベル1000のデイリーポータルZ~「みんなの民俗学 ヴァナキュラーってなんだ?」
      • 「夜食べると太る」魚の養殖に応用、脂が乗って美味に 長崎大が研究:朝日新聞デジタル

        ダイエット本でよく見かける「夜食べると太りますよ」という警告。その仕組みを逆手にとれば、脂の乗った魚を短い期間で育てることができるのではないか。そんなユニークな着想の研究が、長崎大学水産学部で進められている。 取り組んでいるのは「時間栄養学」を研究している平坂勝也教授(46)。時間栄養学とは、「何をどれだけ食べるか」を重視してきた従来の栄養学の視点を変えて、「いつ食べるか」に着目した新しい学問だという。 人間であれば、朝食時にたんぱく質を取れば、筋肉が付きやすいという手法をアスリートが取り入れている。平坂教授は発想を転換して、その手法を魚に応用しようとしている。 実証実験は2022年に本格…

          「夜食べると太る」魚の養殖に応用、脂が乗って美味に 長崎大が研究:朝日新聞デジタル
        • 街コンでは幾何学の話をしている

          街コンに行くと、いつも何を話すべきか迷う。 人が集まる場だし、みんな軽い話題で盛り上がってるんだろうけど、俺はいつも違う。 俺には誇りがあるから、もっと深い話をしたいんだ。 今回も例に漏れず、気付けば幾何学の話をしていた。 「幾何学って、本当に美しいですよね」と、最初に口火を切る。 女性たちは不思議そうな顔をしていたけど、そんなのはお構いなしだ。 だって、これは美の根本に関わる話なんだから。誰でも分かるだろう。いや、分からなきゃおかしい。 「たとえば、ピタゴラスの定理。a² + b² = c² なんて、中学生でも知ってるでしょ?でも、あの定理が持つ幾何学的な美しさ、理解してます?ただの数式じゃないんですよ、これは宇宙の秩序そのものを象徴してるんです。直角三角形の辺の比が、どうしてあんなに完璧に収まるのか、その背後にあるシンメトリーとバランス、これはただの計算じゃ説明できないんです。幾何学は

            街コンでは幾何学の話をしている
          • 歴史家が手の内をさらしてみる|ちくま新書|松沢 裕作|webちくま

            史料とはなにか。それをどう読んでいるのか。そこからオリジナルな議論をいかに組み立てるのか。歴史学がやっていることを明らかにした『歴史学はこう考える』の「はじめに」を公開します。 私は歴史家です。「歴史家」という日本語の単語の響きは、「歴史学者」よりも少し重々しく響くので、自称するのはちょっと気恥ずかしいという同業者もいるのですが、とりあえず本書では、私や、私の同業者と言えそうな人たちを広く「歴史家」と呼ぶことにします。 そして、本書は「ちくま新書」という新書シリーズの1冊です。歴史家が書いた新書というのは、それぞれの新書レーベルからそれなりの点数が出版されています。大規模書店の新書コーナーにいけば、そうした本を何十冊と見つけることができるはずです。あるいは、この本を手に取っているみなさんも、そのうちの何冊かを手にしたり読んだりしたことがあるかもしれません。歴史家が書いた新書は、たいてい、過

              歴史家が手の内をさらしてみる|ちくま新書|松沢 裕作|webちくま
            • ベンジャミン・クリッツァー著『モヤモヤする正義』まえがき|晶文社

              『21世紀の道徳』が好評だった哲学者・書評家ベンジャミン・クリッツァーさんの第二作『モヤモヤする正義──感情と理性の公共哲学』が9月25日より発売になります。 さまざまな「正義」について、紛糾し炎上も起きる現在、揶揄やあてこすりではなく、正面から「規範」について考え、堂々と「正義」を主張し合えるようになるためのテキストです。 発売に先立ち、本書のなかから、著者の執筆意図が込められた「まえがき」を公開いたします。このまえがきに関心を持たれた方は、ぜひ本書を手にとってみてください。 ネットを眺めたりテレビを見たり雑誌を読んだりしていると、「マイノリティばかり優遇されている」とか「フェミニストの横暴は目に余る」とかいった意見が目に入ってくる。「過剰なポリティカル・コレクトネス」は以前から騒がれていたし、最近ではキャンセル・カルチャーという言葉もすっかり定着した。こういった意見を言っている人たちは

                ベンジャミン・クリッツァー著『モヤモヤする正義』まえがき|晶文社
              • かつてGoogleは検索インデックスが作成できなくなるという致命的な障害に遭遇していた

                何か知りたいことやアクセスしたいページがあるとき、検索したいフレーズをブラウザで入力するだけで、即座に最新の結果を返してくれます。情報検索には検索エンジンインデックスというさまざまな学問の概念を組み込んだ複雑な仕組みが活躍していますが、かつてGoogleでは検索エンジンのインデックスを作成するシステムが停止するという致命的な障害に直面しており、その経緯や原因についてThe New Yorkerが解説しています。 The Friendship That Made Google Huge | The New Yorker https://www.newyorker.com/magazine/2018/12/10/the-friendship-that-made-google-huge ウェブをクロールして検索エンジンインデックスを作成するGoogleのコアシステムが停止したのは、1999年10

                  かつてGoogleは検索インデックスが作成できなくなるという致命的な障害に遭遇していた
                • 北村紗衣氏による『ダーティハリー』感想への異論というだけで反発されている事例がどこにあるのだろう? - 法華狼の日記

                  もしも北村紗衣氏の『ダーティハリー』感想におけるアメリカンニューシネマの説明がまちがっていたとしても、あまり感想の良し悪しとは関係がないし、ウソをついたことを意味しない - 法華狼の日記 Wkipediaの「アメリカン・ニューシネマ」項目から『ダーティハリー』が削除されたことに大月隆寛氏らが何らかの陰謀を見いだしているらしい - 法華狼の日記 上記エントリで言及したように、北村氏*1の感想への批判として注目されたのは「ニューシネマ」という言葉についての独自主張であって、『ダーティハリー』について北村氏と異なる感想ではなかった。 このことは異論をとなえた当事者の映画にわか氏も表明している。末尾に書かれた北村氏の文章についての読解はともかく*2、さすがに争点については妥当な説明になっていると思う。 図らずも火元になってしまったnote記事でもちゃんとそう書いてるけど俺は北村さんのダーティハリー

                    北村紗衣氏による『ダーティハリー』感想への異論というだけで反発されている事例がどこにあるのだろう? - 法華狼の日記
                  • 萌え絵やグラドルで受忍限度を突破するフェミニストへ嘲笑相次ぐ。瀬地山角「2000円の差額は受忍限度の範囲内」発言をうけて。

                    すもも @sumomodane 庶民にとって外食で数千円の差は大きいのですが、フェミニストの東大教授にとっては「この程度」の差とのこと。「男性はこの程度我慢しろ」と。庶民感覚もフェアネスもない人たちが大学や政府などの権力の中枢にいるから男性が生きづらくなるのが端的にわかる動画。 pic.x.com/y32kj33ms8 Henry @HighWiz 社会学者 瀬地山角氏『2千円程度は我慢しろ』 程度問題に矮小化すると、じゃあ5千円なら?1万円なら?5万円なら?ってなって、その境目を決められないことくらいわからないもんかな。 社会学ってやっぱ学問じゃないんじゃないかな。 そもそも金額が論点ではないんだけどね。pic.x.com/58pd9qqnzk

                      萌え絵やグラドルで受忍限度を突破するフェミニストへ嘲笑相次ぐ。瀬地山角「2000円の差額は受忍限度の範囲内」発言をうけて。
                    • 「個人商店スタイル」で世界規模システムに挑む 競争なしで成長するMicrosoft流エンジニア文化

                      「Developer eXperience Day 2024」においてMicrosoftの牛尾剛氏が、アメリカのテック企業における独特な開発文化や評価システムについて語りました。個人の裁量を重視する「個人商店スタイル」の開発手法、競争よりも個人の成長に焦点を当てた評価システム、日米のエンジニアのレベル比較、そしてサポーター的役割を果たすマネージャーの働き方など、日本とは違うSilicon Valleyの実態に迫りました。前回の記事はこちら。 個人商店スタイルの開発手法 牛尾剛氏:あとは開発のスタイルなんですけど、これはけっこう興味深くて、僕も来た時はびっくりしましたけど、めっちゃ個人商店スタイルです。だから、先ほどルールとかがないって言いましたけど、会社の全社のルールもないし、ぜんぜんルールとかがありません。 どんな感じで開発するかっていうと、もちろんフェーズとかもないわけですよ。どうやる

                        「個人商店スタイル」で世界規模システムに挑む 競争なしで成長するMicrosoft流エンジニア文化
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