連載目次 第五福竜丸展示館 開館40周年レセプションより(安部公房作品を元にした小劇) 写真提供:公益財団法人第五福竜丸平和協会 去る5月29日、神田の学士会館で開かれた東京都立第五福竜丸展示館、開館40周年レセプションに足を運んだ(*1)。会場はたいへんな盛況で、円卓の随所に、長く数奇な運命を辿ってきたこの船をめぐる歴史的な証言者と呼びうる顔ぶれが見かけられた。その中には、事件から約2ヶ月後の5月、事故と被曝の実態解明のため、有志の各分野科学者たちによる急ごしらえの調査船、俊鶻丸(しゅんこつまる)に乗り組み、ビキニ海域現地で「死の灰」の採取と分析に当たった岡野眞治(*2)の顔も見えた。そう、今年は1976年6月10日にこの施設が江東区夢の島に開いてから40年という、大きな節目を迎える年にあたっているのだ。 上:第五福竜丸展示館 下:館内の第五福竜丸船体 写真提供:公益財団法人第五福竜丸平