プロデューサー・近藤さん決意 七尾市の「能登演劇堂」で来年3月に催される能登半島地震後初の演劇「まつとおね」のプロデューサー近藤由紀子さん(75)。「七尾を忘れたら駄目やよ」。大学進学の時、七尾市の地区住民が総出で見送りに来た。亡くなった母のこの言葉を今も忘れていない。能登の里山と里海に育てられた恩も。地震で一変した故郷を見て自分にできることは何か。来春、七尾市中島町の能登演劇堂で開演する演劇「まつとおね」を通した「被災者の心の復興」だった。(染谷明良) 12月上旬に自身がプロデュースする韓国人歌手グループの七尾公演を実施。日本だけでなく、韓国からも「おっかけ」が多数来場した。地震があったのは、それから約2週間後だった。火災や津波、倒壊した家屋など被災状況がテレビに映り「しばらく、言葉も出ず、体が硬直した状態だった」と振り返る。 幼い頃の思い出は七尾市内だけではなく、奥能登にもある。父が現