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教養主義の検索結果1 - 40 件 / 53件

  • 54. 「そんなの知らない」と誇らしげに言う人たち。 ~「下から目線」と「負の教養主義」(2):日経ビジネスオンライン

    日直のチノボーシカです。 前回、下から目線の人たちの「負の教養主義」について予告しておいたとおり、その話をさせてもらおう。 ドイツ哲学やクラシック音楽や世界文学の名作や近代美術といったものを背負った「旧・教養主義」は、大正時代に誕生し、その後少しずつ性格を変えながら昭和初期に拡大、第2次世界大戦後も昭和30年代までは元気だった。1960年代の学生運動の盛り上がりと終焉は、いわば教養主義の自己解体作業だった。1980年代半ばの「ニューアカデミズム」を、旧・教養主義の最後の輝きと位置づける論者もいる。 旧・教養主義が退潮すると、1970年代には「サブカルチャー教養主義」と「負の教養主義」が若者の文化を牽引する。

      54. 「そんなの知らない」と誇らしげに言う人たち。 ~「下から目線」と「負の教養主義」(2):日経ビジネスオンライン
    • 宇野常寛『ゼロ年代の想像力』と山形・稲葉の新教養主義 - 韓流好きなtanakaの過疎日記

      何度もアマゾンのおすすめに出てきたのでたまたま書店で手に取る。毎回思うが、「時代」を語る上で必修である経済問題に対する想像力というか理解というか知識というかが、この種の論者には決定的に不足していることだ。 それは単純に不勉強だからだろう。どんなに取り繕ってもこの不勉強は今後この若い論者の可能性の足枷になる。本人が「時代」と格闘しようとすればするだけこの取り繕いが彼の論説の限界を設定していく。それは高原基彰氏にも感じたことだ。それは残念なことだ。いや、むしろ僕はその不勉強ぶりを少し怒ってもいる。 例えば、その想像力、理解、知識の不足をなんとか補っても、話はよくあるパターン(小泉政権がもたらした構造なんとかのなんとか変化というベタなストーリー)に落ち込むのがせきのやまだろう。 以下に引用するように、「想像力、理解、知識の不足」は、例えば本書の基本的な認識を奇妙なものにするのに十分である。 「こ

        宇野常寛『ゼロ年代の想像力』と山形・稲葉の新教養主義 - 韓流好きなtanakaの過疎日記
      • 54. 「そんなの知らない」と誇らしげに言う人たち。 ~「下から目線」と「負の教養主義」(2):日経ビジネスオンライン

        日直のチノボーシカです。 前回、下から目線の人たちの「負の教養主義」について予告しておいたとおり、その話をさせてもらおう。 ドイツ哲学やクラシック音楽や世界文学の名作や近代美術といったものを背負った「旧・教養主義」は、大正時代に誕生し、その後少しずつ性格を変えながら昭和初期に拡大、第2次世界大戦後も昭和30年代までは元気だった。1960年代の学生運動の盛り上がりと終焉は、いわば教養主義の自己解体作業だった。1980年代半ばの「ニューアカデミズム」を、旧・教養主義の最後の輝きと位置づける論者もいる。 旧・教養主義が退潮すると、1970年代には「サブカルチャー教養主義」と「負の教養主義」が若者の文化を牽引する。

          54. 「そんなの知らない」と誇らしげに言う人たち。 ~「下から目線」と「負の教養主義」(2):日経ビジネスオンライン
        • コペル君と豊田正子 - 1930年代の教養主義と格差 - ohnosakiko’s blog

          『君たちはどう生きるか』のエリーティズム 最近、4年前に書かれた『グロテスクな教養』(高田理惠子、ちくま新書)の書評のブログ記事をたまたま見かけた。私がこの本を読んだのもやはり4年ほど前だったが、第一章の「教養、あるいは「男の子、いかに生くべきか」」の中で、戦前の教養主義の一典型として、吉野源三郎著の『君たちはどう生きるか』が何度か言及されていたことを、この書評を読むまですっかり忘れていた。 君たちはどう生きるか (岩波文庫) 作者:吉野 源三郎岩波書店Amazon1937年(昭和12年)に刊行された、小説仕立ての少年向け教養書、啓発書である。主人公のコペル君(ニックネーム)が、日常の出来事や中学校生活のさまざまな体験を通して、世界と自己との関わりについて目を開き、成長していく様が描かれている。 著者の吉野源三郎は戦後、総合雑誌『世界』の初代編集長になり、反戦平和主義者としての活動もした所

            コペル君と豊田正子 - 1930年代の教養主義と格差 - ohnosakiko’s blog
          • ・山形浩生『新教養主義宣言』 10代でこれ読んで、本読まなきゃ勉強しなき..

            ・山形浩生『新教養主義宣言』 10代でこれ読んで、本読まなきゃ勉強しなきゃと思った ・J.Gバラード『千年王国ユーザーズガイド』 小説家だとバラードに一番影響を受けた。現実の見え方が変わった。 ・ロイバウマイスター『WILLPOWER』 意志力は筋肉のようなもので、使うと疲れるし、鍛えることができる。という本。 俺はこれ読むまで努力ができないし、我慢もできないし、自制心のない人間で、もうこれはずっと続くと思ってたんだよね。 でも、これ読んで少しづつ自己コントロールができるようになってきた。 嫌いな説教臭い体育会系的な根性論じゃなくて、心理学の実験を踏まえた、科学的な内容なのですんなり受け入れられた。 ・二村ヒトシ『全てはモテるためである』 ずっと女、特に若い女性とコミュニケーションが取れなかった。 今もうまくはないけど、この本を読んだら少しはマシになって、職場とかで雑談できるぐらいにはなっ

              ・山形浩生『新教養主義宣言』 10代でこれ読んで、本読まなきゃ勉強しなき..
            • 日本で「教養主義」が失われた2つの納得する訳

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                日本で「教養主義」が失われた2つの納得する訳
              • Amazon.co.jp: 訳者解説 -新教養主義宣言リターンズ-: 山形 浩生: 本

                  Amazon.co.jp: 訳者解説 -新教養主義宣言リターンズ-: 山形 浩生: 本
                • kemofure on Twitter: "山本弘さんが評論「扉を開けて、目を開けて」で、山形浩生さんが「新教養主義宣言」で、筒井康隆さんが「文学部唯野教授」で、批判したタイプの言説そのものなんですが、これをSFファンが揃って褒め称えているというのは、物凄い後退なのでは..… https://t.co/4ZKj8dBePV"

                  山本弘さんが評論「扉を開けて、目を開けて」で、山形浩生さんが「新教養主義宣言」で、筒井康隆さんが「文学部唯野教授」で、批判したタイプの言説そのものなんですが、これをSFファンが揃って褒め称えているというのは、物凄い後退なのでは..… https://t.co/4ZKj8dBePV

                    kemofure on Twitter: "山本弘さんが評論「扉を開けて、目を開けて」で、山形浩生さんが「新教養主義宣言」で、筒井康隆さんが「文学部唯野教授」で、批判したタイプの言説そのものなんですが、これをSFファンが揃って褒め称えているというのは、物凄い後退なのでは..… https://t.co/4ZKj8dBePV"
                  • 渡邊芳之先生ynabe39の「日本におけるクラシック音楽が「ハイカルチャーではない」というのはその通りで、むしろその市場を支えていたのは「貧乏人の教養主義」である。」

                    渡邊芳之 @ynabe39 日本におけるクラシック音楽が「ハイカルチャーではない」というのはその通りで、むしろその市場を支えていたのは「貧乏人の教養主義」である。だからこそ教養主義が滅びつつあるいま日本のクラシックが危機なのだと思う。 2012-02-19 06:23:20 渡邊芳之 @ynabe39 「歌謡曲やポップスよりも高級な音楽としてジャスやクラシックがある」というイメージはもちろんナンセンスなんだけど、日本のジャズやクラシックの市場がそういうイメージによって支えられてきたのも無視できない事実だ。 2012-02-19 06:30:50

                      渡邊芳之先生ynabe39の「日本におけるクラシック音楽が「ハイカルチャーではない」というのはその通りで、むしろその市場を支えていたのは「貧乏人の教養主義」である。」
                    • Amazon.co.jp: 教養主義の没落: 変わりゆくエリ-ト学生文化 (中公新書 1704): 竹内洋: 本

                        Amazon.co.jp: 教養主義の没落: 変わりゆくエリ-ト学生文化 (中公新書 1704): 竹内洋: 本
                      • Amazon.co.jp: 新教養主義宣言 (河出文庫): 山形浩生: 本

                          Amazon.co.jp: 新教養主義宣言 (河出文庫): 山形浩生: 本
                        • 若林 宣 on Twitter: "「民族主義=民族自決主義は左側のロジック」 教養主義の衰退や国立大学「改革」などについて、いろいろと考えさせられる文言だな。 https://t.co/cTbpTvWjDG"

                          「民族主義=民族自決主義は左側のロジック」 教養主義の衰退や国立大学「改革」などについて、いろいろと考えさせられる文言だな。 https://t.co/cTbpTvWjDG

                            若林 宣 on Twitter: "「民族主義=民族自決主義は左側のロジック」 教養主義の衰退や国立大学「改革」などについて、いろいろと考えさせられる文言だな。 https://t.co/cTbpTvWjDG"
                          • 53. 坂道にハマるように、純文学にハマることもある。 ~「下から目線」と「負の教養主義」(1):日経ビジネスオンライン

                            あくまで個人的な経験からですが、古いミステリ好き(特に翻訳ミステリ好き)って、ジャンル問わず面白そうなものならなんでも食いつく人が多いように思うんですがねえ。十年ぐらい前に、ハヤカワミステリの編集長だった方も、そんなこと言っていましたし。「面白いかどうかだけが判断基準のジャンルを問わない読書家で、シニカルなロマンチストが多い」だったかな。あとミステリ小説というジャンル内でもメジャーマイナーはありましてですね・・・ ぜったい翻訳が出ないような英国ミステリのマニアとかいるんですよ。で、そういうマニアの中には、「自分たちこそがハイブロウである」と思い上がってる人もいないわけでもなかったり。(わたしもマイナー系ミステリマニアなんですが、あの雰囲気にはついていけない・・・)(2009/11/20)

                              53. 坂道にハマるように、純文学にハマることもある。 ~「下から目線」と「負の教養主義」(1):日経ビジネスオンライン
                            • 【正論】「台風を放棄する」と憲法に書けば台風が来なくなるのか? 危惧抱く教養主義の衰退 平川祐弘(東大名誉教授)

                              「台風を放棄する」と憲法に書けば、台風は日本に来なくなりますか、と田中美知太郎は問うた。世間には「戦争を放棄する」と憲法9条に書いてあるから戦争がないような言辞を弄する者がいる。田中は戦争被害者で焼夷弾で焼かれた顔は恐ろしかったが、そう問うことで蒙を啓く発言には笑いと真実があった。 今も通じる竹山道雄の判断55年前、国会前は「安保反対」で荒れた。多くの名士はデモを支持した。だが大内兵衛、清水幾太郎など社会科学者の主張は傾向的だったものだから今では古びて読むにたえない。ところがギリシャ哲学者、田中の発言は古びない。今年の国会でも維新の党の議員が「台風放棄」説を引用した。 興味あるのは論壇名士の賞味期限だ。人民民主主義を擁護した社会科学者の期限はとうに切れたが、田中は違う。複数の外国語に通じた人文学者の常識-プラトンの対話を講ずる一見、浮世離れの田中の論壇時評のコモン・センスを私は信用した。

                                【正論】「台風を放棄する」と憲法に書けば台風が来なくなるのか? 危惧抱く教養主義の衰退 平川祐弘(東大名誉教授)
                              • 司馬遼太郎人気を支えた「大衆歴史ブーム」はなぜ生まれたのか?福間良明『司馬遼太郎の時代 歴史と大衆教養主義』 - 明晰夢工房

                                司馬遼太郎の時代-歴史と大衆教養主義 (中公新書 2720) 作者:福間 良明 中央公論新社 Amazon 「司馬さんの書かれるものは日本外史とでも呼ぶべき種類の史書ではあるまいか」とは、有吉佐和子の『坂の上の雲』評だ。このように、司馬遼太郎作品はたんなる歴史小説の枠をこえ、一種の教養本として読まれている。司馬作品は物語中にしばしば「余談」がさしはさまれ、そこでは司馬の政治や軍事、世論などへの見解が自在に語られる。こうした特徴は吉川英治や山岡荘八といった、それまでの歴史作家の作品にはないもので、読者の歴史への知的関心をかきたてるものだった。なぜ司馬の「歴史教養本」は時代に求められたのか。『司馬遼太郎の時代 歴史と大衆教養主義』によれば、司馬作品の人気を支えていたのは、昭和50年代に起きた「大衆歴史ブーム」だという。 昭和50年代に司馬作品を愛読していたのはおもに中年男性だが、かれらは教養主

                                  司馬遼太郎人気を支えた「大衆歴史ブーム」はなぜ生まれたのか?福間良明『司馬遼太郎の時代 歴史と大衆教養主義』 - 明晰夢工房
                                • 教養主義の没落―変わりゆくエリート学生文化 - 雑記帳

                                  内容の濃い本。これが新書であることが信じられないほどに内容が充実しており、日本におけるこれまでの教養主義の変遷がまとめられている。以前の日本の大学には、「読まなければならない本、というものがあった……」。何故、それらの本が読まれなければならなかったのか。その疑問に対する、解答の一つがここにある。 序章 教養主義が輝いたとき 筆者は学生時代の頃を回想しながら、本を読むことが至極当然のことであった当時の雰囲気を描き出している。夏目漱石の『こころ』の主人公のように本を抱えて田舎で読書をするというのが、筆者の夏休みの過ごし方だった。 ……閑静な田舎で、読書を含めてゆっくりと過ごすことができたことは、なんとも贅沢な時間と経験だった。いまにしてあらためておもう。こうした都会を離れる大学生の夏休みの「正しい」過ごし方が消えたのは、なんといってもクーラーの登場が大きい。多くのすぐれた書物を読むという夏休み

                                    教養主義の没落―変わりゆくエリート学生文化 - 雑記帳
                                  • 教養主義 - Wikipedia

                                    教養主義には、これら6つの教養をそれぞれ第一と考える6つの考え方がある。 これらのうち、A1の習得を第一とする立場はあれもこれもと学問、芸術、生活知識などを漁る生き方であり、いわば俗界教養主義と言うべきものである。A2の習得を第一とする立場はリベラル・アーツ主義とも言うべきものである。この場合はB1をも尊重することにつながりやすい。 B1の習得を第一とする立場は人文主義[注釈 5]であり、科学主義[注釈 6]とは対照的立場にある。この場合、学問を第一とすれば、それは主知主義[注釈 7]であり、学問主義(的生活)であって、芸術主義(的生活)や宗教主義(的生活)とは対照的である。B2の習得を第一とする立場は人格主義[注釈 8]である。Bの2つの立場は思想上の教養主義であり、従来とかく問題となってきたのはこの教養主義である。Bの2つの思想は哲学的には理想主義 (アイディアリズム)[注釈 9]、人

                                    • サブカルとインターネットと教養主義と反知性主義 - mizchi's blog

                                      大人になるにつれ文化的な教養に対してある種の精神的成熟を要求されるようになる圧力なんとなく感じてて、面倒なんだけど自分も他人に対してそういうの要求している気がしているし、自分に対して自分は要求を満たしていないという不満があり、いろいろ面倒臭い感じになってる— もっと大きな存在の一部 (@mizchi) 2013, 11月 23 サブカル界隈って地元の文化的な圧力から逃げ出してきた人が多いと思うんだけど、「良い大人はJ-POPなんか聞かない。クラブミュージックを抑えてて当たり前」みたいな雰囲気を彼ら自身が作ってしまっており、音楽嫌いじゃないが深く掘ることを諦めてつべランダム再生してるような自分は知識がない— もっと大きな存在の一部 (@mizchi) 2013, 11月 23 会話である種の文化資本を要求されて、それに応えられないと落胆させてしまうのである程度は応えたいと思うんだけど、ある程

                                        サブカルとインターネットと教養主義と反知性主義 - mizchi's blog
                                      • 「屈辱」というゲームが面白そうだぜ/どうせだから教養主義を楽しみながらいこうぜ - 万来堂日記3rd(仮)

                                        読んでいない本について堂々と語る方法 作者:ピエール・バイヤール筑摩書房Amazon 少し前に話題になった本だけれども、ピエール・バイヤールの「読んでいない本について堂々と語る方法」を少しずつ読み進めている。 その本の中で「屈辱」というゲームが紹介されている。 このゲーム、デイヴィッド・ロッジの「交換教授」という小説に出てくるものだそうで、孫引きになるが「交換教授」から該当箇所を引用すると 彼は一同に大学院時代に発明したゲームを教えた。自分がまだ読んでいない有名な本を各人で挙げ、すでにそれを読んだほかの者一人につき一点獲得、というゲームであった。南軍兵士とキャロルの二人が、それぞれ『荒野の狼』と『O嬢の物語』で六点満点のうち五点を取って勝った。どちらの場合もフィリップがいたために満点とはならなかったのである。彼自身が挙げた『オリヴァー・ツウィスト』――たいていはこれで勝つのだが――は全然駄

                                          「屈辱」というゲームが面白そうだぜ/どうせだから教養主義を楽しみながらいこうぜ - 万来堂日記3rd(仮)
                                        • 『新教養主義宣言』発刊記念 山形・宮崎対談

                                          初の単独著書『新教養主義宣言』を上梓し、いよいよ「啓蒙家」としての本領を発揮しはじめた山形浩生氏。近刊『放談の王道』『愛と幻想の日本主義』で、呉智英氏、福田和也氏を相手に抜群の舌鋒の冴えをみせてくれた時論家の宮崎哲弥氏。21世紀の日本のゆくえを占うつもりなら、この2人の知識人の言動からは目がはなせない。山形氏の提唱する「新教養」の可能性をめぐって、64年生まれと62年生まれの2つの知性がいまぶつかりあう。 ■若いコたちに読んでもらいたくて書いた 宮崎 タイトルにある「教養」というのは、非常に古風な、しかし手垢にまみれすぎた言葉ですよね。それをあえて打ち出して、こういうかたちで挑発をやってやろうと目論んだんでしょ(笑)。でもその意図はどこらへんにあるの。 山形 誰でも「いま勉強したい」とか「あのときもっと勉強しておけばよかったな」と思う瞬間があると思うんだ。大学に入ったばかりのときとか、就職

                                          • yomoyomoの読書記録 - 山形浩生『訳者解説 新教養主義宣言リターンズ』(バジリコ)

                                            山形浩生『訳者解説 新教養主義宣言リターンズ』(バジリコ) 訳者名で客を呼べると言われる山形浩生の、これまた本編よりも面白くて分かりやすいとすら言われる訳者解説を集めた本である。 ワタシは少し前に Twitter で速水健朗さんに「山形信者のyomoyomo」と書かれたことがあり、アニリール・セルカンと並んで2009年のキーパーソンに選ばれた評論界の瑛太に軽侮されて落ち込んでしまったのだが、本書に訳者解説が収録された14冊のうち、レッシグや esr など元々かかわりのあった分野の本をのぞけば全滅に近い未読率で、まったく忠誠心の低い信者もいたものである。 だから本書に収録された文章の多くは今回初めて読んだが、確かにどの本の訳者解説も面白い。本の概要にとどまらず、作品の原著者にとっての、また社会的な位置づけ、そして忌憚ない評価まで含め、読み応えのある文章が並んでいる。その語り口を痛快とみるか、

                                            • 教養主義の罠

                                              先日、柄谷行人+浅田彰他の編者による「必読書150」という本を読んで、いろいろと考えさせられたことを備忘録代わりに。 この本、いわゆる「教養主義」の本なんですよね。一応ことわっておくととても面白いです。一度読んだ本についても「おお、そういう視点があったか」と思わせる紹介があってとても刺激になる。 で、こういった本をまとめて紹介しているというのはつまり、そういった名著を読め、ということなのですが、そのように強く主張する柄谷さんの論拠が奇妙で「こんなものすら読んでいないのはサルである」ということなんですね。サルでいるのがイヤだったら読め、とまあそういうことらしいのです。 この一節を読んでまず思ったことが、こういった名著を読んできたことで、本人たちに言わせると「サル以上の何者か」になった著者+編者の皆様の「生」が、どれくらい善く、充実したものになっているのだろうか、という点なんですが、それがどう

                                                教養主義の罠
                                              • 54. 「そんなの知らない」と誇らしげに言う人たち。 ~「下から目線」と「負の教養主義」(2) (4ページ目):日経ビジネスオンライン

                                                バッハだってモーツァルトシェイクスピアだって、当時は最先端のPOP、サブカル扱いでしょ?▼3Bにビートルズを加えて4Bなんて呼び方もする向きもありますし。▼メインカルチャー、サブカルチャーと分けるのは、受け手次第だと思います。▼iPodでカラヤンも木下伸市もモー娘。も全部ひっくるめてシャッフルで聞くと、ちょっと面白いですよ。(2009/11/30)

                                                  54. 「そんなの知らない」と誇らしげに言う人たち。 ~「下から目線」と「負の教養主義」(2) (4ページ目):日経ビジネスオンライン
                                                • 山形浩生『訳者解説 新教養主義宣言リターンズ』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

                                                  個人的にも嬉しい山形さんの最近訳した本の解説の一挙収録+その解説の解説つき。 しかし考えてみれば、山形さんや稲葉さんたちと知り合わなければ僕の人生もつまんないものだったろう。彼らの翻訳や本を読んだ人も同じ感想を抱くに違いないと信じている。特にこの解説が付された翻訳には一貫したテーマが流れていると思う。それは「人間の選択の意味」というものだ。無意識、意識、そして外部からの条件付けなど、それらの話題の中で、常に問われているのが、人の平平凡凡な日々の選択とそれが伴う興味深い(あるいはこれまた凡庸な)結果の意味を、よ〜く考えていこう、というのが、僕が最近の一連の山形さんの訳業から得ている重要なメッセージである。 ちょうど「新教養主義」とはどんな意味なのか考えていたこともあり、本書でその最新の全貌を知ることができるのも嬉しいことである。 ところで本書に収録された解説がついた訳書について、このブログで

                                                    山形浩生『訳者解説 新教養主義宣言リターンズ』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
                                                  • 教養主義という逃避

                                                    ここ数年、ビジネスパーソンの間で「教養」というブームが起きています。私自身は学部も大学院も出身が哲学科ですから、いわゆるリベラルアーツがどれほど知的生産の現場においてパワフルな武器になるかということを身にしみて理解していつるもりですから、このブームに対しては「ま、別にいいんじゃないの?」と思っていたのですが、実際にそういうブームの波に思いっきり乗っている数人の人と直接に話す機会があった後、これはもしかしたら一種の逃避なんじゃないかと思うようになっています。 わかりやすく考えてもらうために、こういう図をイメージしてください。縦軸は「仕事ができる・できない」、横軸が「教養がある・ない」というマトリックスです。この中で一番望ましいのは、もちろん「仕事ができて教養もある」というマトリックスでしょうが、まあこういう人はめったに出てこないわけですし、出てきてもどうせ勝てないので問題にもならない。 逆に

                                                    • 文学部をめぐる病い教養主義・ナチス・旧制高校 本

                                                        文学部をめぐる病い教養主義・ナチス・旧制高校 本
                                                      • 教養主義と感性の対立構図は、普遍的なモノ/『萌えカルチャーと教養主義』海燕さんよりいろいろ思う | 旧館:物語三昧~できればより深く物語を楽しむために

                                                        教養主義と感性の対立構図は、普遍的なモノ/『萌えカルチャーと教養主義』海燕さんよりいろいろ思う | 旧館:物語三昧~できればより深く物語を楽しむために ■教養主義と感性はいつの時代も対立構図となりやすい~しかし、それは本当に対立しているのか?(もちろん反語法) この記事を書いたときに、実は、リアクションでいろいろ興味深かったのだが、非常に感情的な反発が多い感じがして、なぜだろう?と思ったいた。というは、僕自身も、非常に感情的にこの記事を書いているからだ(笑)。 ■物語を読むのに必要な教養~ネギまをもっと楽しむには http://ameblo.jp/petronius/entry-10014435836.html これは、実は、分析や評価という名ののもとに、自分の「生き方宣言」・・・・いいかえると実存(自分の生きる目的や価値・実感、、、と読み替えてもいい)を仮託しているんじゃないかな、と思う

                                                          教養主義と感性の対立構図は、普遍的なモノ/『萌えカルチャーと教養主義』海燕さんよりいろいろ思う | 旧館:物語三昧~できればより深く物語を楽しむために
                                                        • Amazon.co.jp: 断言 読むべき本・ダメな本―新教養主義書評集成・経済社会編 (ele-king books): 山形浩生: 本

                                                            Amazon.co.jp: 断言 読むべき本・ダメな本―新教養主義書評集成・経済社会編 (ele-king books): 山形浩生: 本
                                                          • スゴ本を読む時間のない人のための「新教養主義宣言リターンズ 訳者解説」山形浩生 - FutureInsight.info

                                                            山形浩生が最近訳した本の解説をひたすら集めた「新教養主義宣言リターンズ 訳者解説」山形浩生を読みました。訳者解説 -新教養主義宣言リターンズ- (木星叢書) おすすめ平均 世界を日本に紹介してくれる貴重な訳者による解説本 山形さん、良い意味で変態だ�0 (^o^)/ これを読んで元の本を読んだ気になりそう 「訳者のあとがき」だけを集めた珍しい本。 Amazonで詳しく見る by G-Toolsこれはかなりの変化球ですが、おもしろい本です。山形浩生氏というと、50ページにおよぶ解説を書いたりすることで有名なのですが、この解説を読むとあら不思議、その本を全部読んだ気になります。たとえば、サイバー法やインターネット上での著作権、これからの規制の方向性、果てはインターネットを利用して実現する新しい民主主義に関して述べたレッシグのCODEという書籍があります。CODE VERSION 2.0山形 浩

                                                              スゴ本を読む時間のない人のための「新教養主義宣言リターンズ 訳者解説」山形浩生 - FutureInsight.info
                                                            • 「教養主義を克服して利用者志向の図書館を」という繰り返される話 - 29Lib 分館

                                                              山口浩「「TSUTAYA図書館」と「図書館論争」のゆくえ」(Synodos, 2015.11.27)という記事を読んだのでコメント。TSUTAYA図書館からはじまり近年まで図書館利用者の偏りまで多岐にわたって図書館問題を指摘する長い論考である。著者はH-Yamaguchi.netの方ようで。 僕が専門家ぶるのも気が引けるが、少々補足したくなる点があった。著者は図書館について建設的な態度で提言してくれている。この点は評価したい。けれども、著者のアドバイスは特に目新しいものではなく、「そういう考えではまずいのではないか」と近年の図書館関係者が見直してきた考えそのものだ。記事中、要点の一つとして"19世紀の技術と社会を前提とした生まれた現代の図書館のあり方は、それらが大きく変化した21世紀の状況に合わせて変えていく必要がある"と掲げられている。これと似たような話は、図書館関係者ならばさんざん内輪

                                                                「教養主義を克服して利用者志向の図書館を」という繰り返される話 - 29Lib 分館
                                                              • 教養主義? 良心的な出版? ナンボのもんじゃ? - HALTANの日記

                                                                32 :無名草子さん:2009/09/11(金) 12:59:58業界外の一般人だけど、再販制度が無茶な出版戦略を後押ししてるってことない? あっちやりこっちやりだけでもムダなコストになるし。 まぁネット書店の利用がもっと増えていえば、再販制度の意義もなくなっていって変わるのかもしれんけど。 中の人たちはどんな風に考えとるのん? 33 :無名草子さん:2009/09/11(金) 13:40:23>32 再販制に加えて、取次制度な。 雑誌や書籍を取次に送ると、とりあえず翌月に入金がある。 後日、正確な売上げを元に支払いを調整するけど、これが自転車操業の誘惑をもたらす。 ゴマブックスも、最後は新刊出しまくってたらしいし。 年間の新刊の発行点数が1990年代前半に3万点くらいで、すでにこの時点で多すぎると言われていたのに、いまは年間8万点を超えてる。 市場が縮小してるのに、新商品乱発っておかしい

                                                                • Amazon.co.jp: 新教養主義宣言: 山形浩生: 本

                                                                    Amazon.co.jp: 新教養主義宣言: 山形浩生: 本
                                                                  • Something Orange[その他][教養] 萌えカルチャーと教養主義 その1

                                                                    きょう、ペトロニウスさんのサイトでこんな記事を見かけた。 いつも思うのだが、ネギま野関連のブログを読んでいると、いろいろなFFがしたいとか、「つよきす」とかマンガの話が出てくる。 が、なぜ、トルストイを読んだ!とか、プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神を読んだ!とか(どちらも作中に出てくる本)とか言う意見も、読んで見たいな、という意見がまったくない。せめて児童書の名作『トムは真夜中の庭に』や、エヴァが好きだから、吸血鬼のことが知りたくてブラムストーカーやイシュトバーン王の伝説を調べるとかしてもいい。 (中略) 昨今のヲタクカルチャーや萌え文化には、オリジナリティー追求と古典への回帰意欲が弱すぎる。 オタク文化に見る教養主義の衰退、といった話題ですね。さて、これはなかなかむずかしい問題で、また語りはじめると長くなりそうだけれど、できるだけかんたんにふれてみることにしましょう。 まず、「

                                                                      Something Orange[その他][教養] 萌えカルチャーと教養主義 その1
                                                                    • asahi.com(朝日新聞社):「教養主義」没落後の教養とは - 書評 - BOOK

                                                                      「教養主義」没落後の教養とは[掲載]2008年8月17日[評者]竹内洋(関西大学教授)■夏の読書特集 新書を読もう! 『教養主義の没落』の執筆前のこと。授業で、『三太郎の日記』(阿部次郎、角川文庫など)などを紹介しながら、旧制高校の教養を説明した。学生が手をあげて質問した。「昔の学生はなぜ難しい本を読まなければならないと思ったのか?」 この虚を衝(つ)く質問が近代日本の読書=教養について考えてみるきっかけになった。たしかに、読書による真善美の追求や人格の向上、社会の改良は、近代日本の学生文化だった。しかし、岩波文庫を何冊読んだというように知識の量を誇る、いやみなところもあった。 とすれば、近代日本の教養は、強迫的な教養主義、教養の強要主義として解明すべきものとおもうようになった。こうした教養主義がどうして学生文化になったのか、また1970年代以後の教養主義殺しの犯人は……これが『教養主義の

                                                                      • 「対話的教養」の時代へ!教養主義のリハビリテーション 大澤 聡

                                                                        リーダー・フレンドリー?試し読み 日常のことばで考える パッシブにならない コミュニケーション圏の外へ タコツボ化と総合 水平の深みとパララックス のっぺりした世界に歴史性を アートの新しい活用法 1949年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、京都市立芸術大学理事長・学長。大阪大学名誉教授。せんだいメディアテーク館長。臨床哲学・倫理学を専攻。主な著書に『モードの迷宮』『「聴く」ことの力』(以上、ちくま学芸文庫)、『現象学の視線』(講談社学術文庫)、『「ぐずぐず」の理由』(角川選書)など。

                                                                          「対話的教養」の時代へ!教養主義のリハビリテーション 大澤 聡
                                                                        • 54. 「そんなの知らない」と誇らしげに言う人たち。 ~「下から目線」と「負の教養主義」(2) (2ページ目):日経ビジネスオンライン

                                                                          いっぽう「負の教養主義」は、「旧・教養主義」にたいする反感・揶揄のみでなりたっている。ここには特定分野の文化への「のめりこみ」はさほど見られない。ときには、そういった「のめりこみ」自体を避けようとする傾向がある。 今回は取り上げるのは、この「負の教養主義」の定着を克明に記録した小説、小谷野敦の『ミゼラブル・ハイスクール一九七八』(2008年発表、2009年改稿)だ。 *   *   * この作品は、小説集『童貞放浪記』(幻冬舎文庫)に収録されている。タイトルは比較文学者・映画史家の四方田犬彦が高校時代を回想した『ハイスクール1968』(新潮文庫)のもじりだ。

                                                                            54. 「そんなの知らない」と誇らしげに言う人たち。 ~「下から目線」と「負の教養主義」(2) (2ページ目):日経ビジネスオンライン
                                                                          • 【新教養主義的読書術No.3】10月23日(金曜)21:00〜:山形浩生『世界を支配する隠された秩序について』   新教養主義宣言・トークイベント vol.10

                                                                            【新教養主義的読書術No.3】10月23日(金曜)21:00〜:山形浩生『世界を支配する隠された秩序について』   新教養主義宣言・トークイベント vol.10 2020.10.21 Updated by on October 21, 2020, 17:44 pm JST 今回の山形浩生的・新教養主義的読書術(第三回)は、彼自身が翻訳した『スケール』(ジョフリー・ウエスト著、早川書房)を精読します。この書籍では生命・組織・企業・都市・経済成長などは全て同じ統一原理で説明できる、と主張します。トンデモ本の香りが漂ってきますが、著者のジェフリー・ウェスト(Geoffrey West)はケンブリッジ大学で学士号、そしてスタンフォード大学で博士号を取得し、原爆の開発で有名なロスアラモス研究所(LANL)での勤務を経て、2009年まで複雑系(complex system)のメッカとして有名なサンタフ

                                                                              【新教養主義的読書術No.3】10月23日(金曜)21:00〜:山形浩生『世界を支配する隠された秩序について』   新教養主義宣言・トークイベント vol.10
                                                                            • エリートと教養 2 大正教養主義と藤村操

                                                                              エリートと教養 2 大正教養主義と藤村操 2019.04.03 Updated by Yoichiro Murakami on April 3, 2019, 16:04 pm JST 前回はエリートの原点とでも言うべき論点を考えてみました。今回は、教養ということになりますが、これは一筋縄ではいかない。そもそも「教養」という熟語は、漢語としては已に『後漢書』に現れると言いますが、文字通り「教え育てる」ことの意でありました。近代日本の文章の中では、クリスチャンであり、かつ社会主義的な活動家であり、かつまた作家でもあった木下尚江(一八六九~一九三七)の『良人の告白』という長編小説(明治三十八年刊)の中で、主人公の弁護士が、ある事情で引き取った子供を、「君の子供として教養してくれ」と妻に言う表現に出会うことができます。明治二四年版の『大言海』(大槻文彦監修)には、そもそもエントリーがありません。つ

                                                                                エリートと教養 2 大正教養主義と藤村操
                                                                              • 負の教養主義 - ◆ 紅色猫模様 ◆

                                                                                面白かったのでメモ。▼ 千野帽子「「下から目線」と「負の教養主義」(2)」 「サブカルチャー教養主義」は旧・教養主義同様に、「こんなことも知らないで音楽(漫画、アニメ)を語るな」という、知識による恫喝の形をとったが、「負の教養主義」は、「そんな(漫画、アニメ)なんか知らないよ」と言ってのけることに本意がある。恫喝ではなく、同調圧力なのだ。だから〈知らない〉ことが〈名誉〉になる。わたしは旧型なのかサブカルチャー型なのかはよくわかりませんが、教養主義の成れの果てみたいなメンタリティは確かに持っていて、人と話してて知らないことがあるとやっぱそれは多少は恥ずべきことだと感じてしまいます。なので、ちょっと背伸びして知ってるふりなどしてみることもある。最近はネットでいろんな知識がすぐ得られることもあって、知ってるふりをするのはわりと簡単にできます。wikipediaをちゃちゃっと読めば、そこそこのお話

                                                                                • 山形浩生「新教養主義宣言」

                                                                                  山形浩生「新教養主義宣言」(晶文社) 山形浩生氏の初(!)の著作集。プロローグ、第一章「人間・情報・メディアを考える」における「情報処理で世界は変わるか?」、そしてあとがきが書き下ろしで、それ以外は(あとがきも含め)著者の Web サイトで読むことが可能である。しかし、著者自身があとがきで書く通り、ダウンロードにかかるコストや紙媒体の侮れない強みを考えれば買うべき価値を持った本である。やはり縦書きは読みやすい。 僕は本書を一読し、二点不満を持った。 まず第一点は、プロローグである「心ときめくミームを求めて」が、全体的に本書に収録された他の文章ほどのエレガントさを獲得できてないこと。エレガントさというのはお上品、ということではなく(そんなもん山形浩生の文章には求めない)、数学・物理などの方程式の解答がすっきりいったときのたとえでのエレガントさ、という意味だ。これが実に惜しい。 本書のタイトル