第0章 はじまり 0 2010年11月19日。僕は新しい朝を迎えた。なんか清々しい気持ちである。朝起きて、机に向かう。いつもだったら煙草を一服するのだが、全く吸いたくもない。今から歩き始めるのだから、もう酩酊する必要がないのだ、とその瞬間に気付いた。パソコンを起動し、メールを開く。日記を今まで書いてくれてありがとうというたくさんのメールに僕は本当に泣いてしまった。おつかれさまでしたと書いてあった。そして始まるのですね、と。かと言って何をするのかは僕にはまだよく分かっていない。しかし、とにかく零塾を始めようではないか。一昨日の佐々木中とのトークショーのことを思い出す。そこで出てきたジャック・ラカン、サミュエル・ベケット、ジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオという三人の作家のことが気になり、ウィキペディアでまずはチェックと思って開いた途端に、僕は鳥肌が立ってしまった。なんと、その三人の作家