『OUT』『グロテスク』など社会に顧みられることのない女性たちと、その“痛み”を圧倒的な筆力で浮かび上がらせてきた作家・桐野夏生さん。最新作『燕は戻ってこない』では女性の貧困と生殖医療を題材にし、相次いで女性誌の特集が組まれています。人や物事をひとくくりにする「『安易なラベリング』に抵抗するために仕事をしている」と語る桐野さん。単独インタビューで、桐野さんが見据える現代社会と“痛み”に迫りました。
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「顔に降りかかる雨」「OUT」「柔らかな頬」「グロテスク」…先の読めないストーリー展開と衝撃的な結末で時代を生き抜く人々の苦悩や“痛み”を描き続けてきた作家・桐野夏生さん、70歳。いま女性誌を中心に桐野さんの特集が組まれて大きな反響を呼んでいます。私(ディレクター)もまた、桐野さんの物語や語られる言葉にハッとさせられてきた1人。インタビューで話を伺うと、桐野さんの言葉や作品の裏には物語で社会に抗おうとする彼女の信念や覚悟がありました。(「クローズアップ現代」ディレクター 山崎真穂) この春、ファッション誌に掲載された桐野さんの最新作『燕は戻ってこない』をめぐる特集に多くの反響が寄せられました。 「あなたに責任はないよ、と言ってあげたい」(「SPUR」より) コロナ禍で深刻化する「女性の貧困」について、その責任が本人にあるとする“自己責任論”がはびこる世の中に対し桐野夏生さんが語った言葉。4
日本ペンクラブの会長に女性で初めて就任した作家の桐野夏生さんが、19日、日本記者クラブで記者会見を開き、「ジェンダーが欠かせない視点であるという認識は広がっているが、それでも反動や差別はあると思うので、それとは闘っていきたい」と決意を語りました。 「日本ペンクラブ」は言論や表現の自由などを訴える作家や詩人らで作るNGOで、ことし5月、18代の会長に桐野夏生さんが女性で初めて就任しました。 桐野さんは石川県出身の69歳。 平成11年に「柔らかな頬」で直木賞を受賞し、海外でも作品が翻訳されるなど国内外で幅広く支持を集める人気作家です。 19日、オンライン配信で行われた日本記者クラブでの記者会見に臨んだ桐野さんは「コロナ禍で社会が変化する中、ペンクラブも変わっていかなければいけない。会員の高齢化が進む一方、若い人たちが入ってこない状況を変えるために、これまであった垣根をフラットにして、若い人たち
インタビューに答える日本ペンクラブ会長で作家の桐野夏生さん=東京都千代田区で2022年2月17日、吉田航太撮影 「苦しみ悩む人たちの中に入って、彼らの物語を書くしかないと思っています」。小説を生み出す自らの取り組みを、作家の桐野夏生さん(70)はそう話す。男性中心の格差社会であえぐ女性たちの怒りや痛みをすくい取り、時に衝撃的な筆致で表現してきた。最新刊でも若い女性の貧困と生殖医療に焦点を当てる。一方、昨年には日本ペンクラブ初の女性会長に就任。女性の仕事やジェンダー格差、ネット上での中傷などに関する発信にも意欲を見せている。桐野さんの“現在地”とは。詳しく聞いた。【和田浩明/デジタル報道センター】 若い貧困女性の代理母で新作 3月4日刊行の新刊「燕(つばめ)は戻ってこない」(集英社)。まず、物語のあらすじを簡単に説明しておこう。 主な登場人物の一人は、東京都内で暮らす地方出身の契約社員で29
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作家・ジャーナリスト団体の本格的取り組み 芥川賞を受賞した『ハンチバック』作者・市川沙央さんの告発は衝撃だった。 これまで障害者の問題にはいろいろ関わってきたつもりだったが、私たちが読書という営みから障害者を排除し、しかもそのことに全く無自覚だという告発は、「目からうろこ」でもあった。 この告発を受けて、私が所属する日本ペンクラブの言論表現委員会で、読書バリアフリーの問題に取り組むべきではないかという意見が出て、この何カ月か、日本文藝家協会とも話し合いを重ねてきた。そして、いよいよ11月20日(月)、日本ペンクラブの会議室に桐野夏生会長や文藝家協会の三田誠広・副理事長らが顔を揃え、市川さんもオンラインで参加するという試みを行うことになった。その一部始終はYouTubeで配信を行うので、ぜひ多くの人に視聴してほしい。 ペンクラブでは今、日本推理作家協会にも呼びかけを行っているが、作家・ジャー
イマドキのJKビジネスを題材に 韓国で明らかになった「n番部屋事件」をご存じですか。 年少者を勧誘し、個人情報を聞き出して脅し、虐待動画を撮影して有料会員に配信したというものです。 ネットを使った悪質な事件、日本では無縁でしょうか? 年若い世代をモノのように商品化するケースは、私たちが知らないだけで実は横行しているのかも知れません。 桐野夏生の小説「路上のX」は、お子さんをお持ちの親御さんにぜひ読んでほしい冊。 本の感想をネタバレせずに、お伝えします。 スポンサーリンク n番部屋事件とは? 路上のX どう守るのか まとめ n番部屋事件とは? 心理的に巧妙に支配 テレグラムというアプリを使った韓国の事件です。 被害者のなかには中学生も含まれていました。 最初は親しげに若年者に近づいて、心理的に支配するグルーミングの手法が利用されたとのこと。 事件の内容は凄惨としか言いようがない。 舞台となっ
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武田 これまでも社会の閉塞感を吸収した作品を書かれてきた桐野さんが、今回の『日没』では作家を主人公として、これまで以上にストレートにその閉塞感を直視したように感じました。執筆にあたっての動機は何だったのでしょうか。 桐野 この十年近くの傾向だと思うのですが、小説が「純文学」と「エンタメ」に二分されて、私自身も「小説家」ではなく「エンタメ作家」と呼ばれることが増えました。ただ普通の小説を書いているつもりなのに、なぜそうやって〈文化的なもの〉と〈売れるもの〉に分けられてしまうのか。「純文学」と「エンタメ」のあわいにいる小説家はたくさんいるにもかかわらず、そのあわいが取り払われていることの意味について、ずっと考えてきたんです。何かに都合がよくなっているのではないか、と。 その背後にあるのは新自由主義とグローバリズムではないかと感じたのは、アメリカで本を出版した時のことでした。『OUT』という、主
先日、主人の散髪について行って待っている間にひとり入ってみたカフェが素敵なお店だったのでご紹介します。 Google mapで見つけたこちらのカフェ。 この看板が目印です。 【Jazzy Café】86 P. Linh Lang, Cống Vị, Ba Đình, Hà Nội 路地の奥に入ったら、ビルの入り口に看板が続いているのでそのまま中へ。 エレベーターで7Fへ行くと階段があるのでそれを登ったら到着です。 入ると開放的な店内が広がっていて、店員さんが席に案内してくれます。 すごーーい。見晴らしも最高だし、広くてお洒落な店内は冷房もきいてて涼しい。 テラス席からはこんな景色が一望できます。 ロッテタワーも目の前に見えました。 暑い季節を外せばテラス席でのお茶も気持ち良さそうですね。 メニューはこちら。 こちらのドリンクがシグネチャーメニューらしいので、今回はこちらをオーダー。 【BẠ
「私たち作家が困惑しているのは、今、人々の中に強くなっている、この「正しい」ものだけを求める気持ちだ。コンプライアンスは必要だが、表現においての規制は危険である。」 桐野夏生「大衆的検閲について」は、ジャカルタで開催された国際出版会議で行われた基調講演。#岩波世界 pic.twitter.com/vMQC3iMgOR— 岩波書店『世界』編集部 (@WEB_SEKAI) January 9, 2023 世界 2023年2月号 岩波書店Amazon 「あたかも人民裁判のごとく過去を裁くには、人権的配慮も必要なのに、その配慮を誰もしなくなったのはなぜか。なぜ急に日本は、そして世界は、そのようにモラリスティックな「正義」を行使するようになったのか」(桐野夏生「大衆的検閲について」『世界』二月号) pic.twitter.com/Ii6XEWR15N— 河野有理 (@konoy541) Januar
1933年の焚書1933年(昭和8年)5月10日、ベアリーンの歌劇場広場(Platz am Opernhaus)で、民界社会主義ドイチュン学生協会(Nationalsozialistischen Deutschen Studentenbunds)の成績優秀な大学生たちがエーリヒ・ケストゥナー(Erich Kästner、1899年2月23日~1974年7月29日)の著書を含む有害書の焚書をおこなった。 2023年(令和5年)8月10日、京都で、松井健人(1992年~)著『教養・読書・図書館:ヴァイマル・ナチス期ドイツの教養理念と民衆図書館』(晃洋書房、本体3,500円)が刊行された。 カバー表紙に、1933年(昭和8年)5月10日、ベアリーンでの焚書の写真が使われた。 2000年の『人間の汚点』1998年(平成10年)9月27日、ウェブ検索エンジンのGoogle Serchがウェブ検索サー
たまたま「王様のブランチ」で内容を紹介されてから、当方の興味は一貫している。 桐野夏生氏の新作『日没』は「表現の不自由」がテーマ(王様のブランチ放映)/戦前的検閲か、ポリコレか… m-dojo.hatenadiary.com ま、タイトル通りなわけです。物語作家が、書いたものを理由に、どこかから圧迫、抑圧を受けて恐怖し、苦しむ…というモチーフだと。 その圧迫のモデルというかモチーフは「戦前の再来的なもの」なのか?「ポリティカル・コレクトとかキャンセル・カルチャーと称されるもの」、要は『差別的だ』といった形での抑圧か? それについて、実際に読む前に、この本の噂を耳にした多くの人が、どっちだろーかと議論をしているように見えるのであります。 このまとめと、そのまとめについた、はてブでもそれでにぎやかでしょ。 ※追記 このリンク先のまとめは現在消滅していて読めません。 togetter.com b
代理出産をテーマにした桐野夏生さんの書籍『燕は戻ってこない』が話題を呼んでいる。「生殖医療の進歩で選択肢が広がった」という声もあるが、選択肢を得ているのは「持つ側の人間」だけ。選択肢となる側の気持ちを考えさせられる問題作だ。以前から社会問題や女性の不利益を描き続けてきた桐野さんは「女性が不利な立場に置かれていると考えていく訓練、習慣が必要」という――。(前編/全2回) 「女に生まれて損をしている」と思うことが多かった ——新刊『燕は戻ってこない』では代理出産をテーマに物語が進んでいきます。なぜ本作でこのテーマを選んだのでしょうか? 【桐野夏生さん(以下、桐野)】ここ数年の生殖医療の進歩に興味を持ったこと、またその背景に女性の貧困があるのではないかと感じたのがきっかけです。生殖医療について調べていくと、世界でも貧しい国の女性が代理母や卵子提供を行っていることが分かります。 ここ数年、日本でも
※注意!桐野夏生『夜の谷を行く』のネタバレがあります。 以前にお伝えしていたプライベートでのバタバタがひと段落して、ようやく自宅に戻ってきた。一ヶ月ほど家を離れて故郷にいたことになる。今は久しぶりの我が家でダラダラしているところだ。「とにかくゆっくり休んで疲れを癒して」と言ってくれている夫には感謝しかない。はい、のろけてすみません。 というわけで、疲れが抜けるまでもう少しだけ、レビューではなく、簡単な雑記のアップを続けようと思う。 今回は故郷に滞在中に読んでいた『夜の谷を行く』についての雑感である。 あらすじは以下の通り。 連合赤軍事件の山岳ベースで行われた「総括」と称する凄惨なリンチにより、十二人の仲間が次々に死んだ。 アジトから逃げ出し、警察に逮捕されたメンバーの西田啓子は五年間の服役を終え、人目を忍んで慎ましく暮らしていた。 しかし、ある日突然、元同志の熊谷から連絡が入り、決別したは
犯罪に手を染めてしまう主婦、代理出産を迫られた貧困女子…社会に顧みられることのない女性たちと、その痛みを鋭い視点で描き続ける作家・桐野夏生さん。『婦人公論』2022年12月号よりスタートした新連載「オパールの火」は、#MeToo運動のはるか昔、ピル解禁を訴え活動を始めた一人の女性が主人公。彼女はなぜ人々に奇異の目で見られ、やがて世間から忘れ去られていったか……。フェミニズム黎明期にスポットをあてた小説です。精力的な執筆活動をしながら、2021年に女性初のペンクラブ会長に就任した桐野さんが、インドネシアのジャカルタで行われた国際出版連合世界大会のゲストとして招かれました。現地での模様をレポートします。(文・写真=中央公論新社・書籍編集部) 3年ぶりの開催となった国際出版連合世界大会 2022年11月10日から3日間、国際出版連合世界大会が、インドネシアのジャカルタでコロナ禍を経て3年ぶりに開
この本の出版に際して、PRの対談が版元のWEBマガジンで行われていた。 日没 作者:桐野 夏生発売日: 2020/09/30メディア: 単行本小説家・マッツ夢井のもとに届いた一通の手紙。それは「文化文芸倫理向上委員会」と名乗る政府組織からの召喚状だった。出頭先に向かった彼女は、断崖に建つ海辺の療養所へと収容される。「社会に適応した小説」を書けと命ずる所長。終わりの見えない軟禁の悪夢。「更生」との孤独な闘いの行く末は――。 ■推薦のことば これはただの不条理文学ではない。文学論や作家論や大衆社会論を内包した現代のリアリズム小説である。国家が正義を振りかざして蹂躙する表現の自由。その恐ろしさに、読むことを中断するのは絶対に不可能だ。 筒井康隆 息苦しいのに、読み進めずにはいられない。桐野作品の読後には、いつも鈍い目眩が残ると知っていても――。自粛によって表現を奪い、相互監視を強める隔離施設。絶
オパールの炎 作者:桐野夏生 中央公論新社 Amazon 桐野夏生のインタビューを読んだことをきっかけに、ずっと読みたいと思っていた「オパールの炎」を読んだ。 一気読みしてしまった。 桐野夏生の作品は、何よりまず創作として抜群に面白い。先が気になって、読み終わらないと本が置けない。 「オパールの炎」は五十年前に、中絶を禁止した法律に反対しピル解禁を求めた、女性活動家・榎美沙子(小説では塙玲衣子)をモデルにしたセミフィクションである。 塙に興味を持ったライターの女性が、かつて塙の周りにいた人たちにインタビューをしていく形式で話は進む。 「塙玲衣子」は五十年前は有名だったものの、消息が絶えてから長い時間が経っている。 多くの人は関心も記憶も薄れている。 インタビューを受ける人たちは、性別、年代、学歴、生きてきた環境、性格、物の考え方、塙との関わりかたなどすべてが違う。 思い出して懐かしむ人もい
そのラストシーンは、衝撃的で救いがない。作家・桐野夏生さんの最新刊「日没」(岩波書店)である。これまでも社会の閉塞(へいそく)感を映した作品を描いてきた。だが、今作の不穏さは群を抜く。小説のディストピアと、現実社会が「リンク」しているからだ。なぜ今、桐野さんはこの作品を世に出したのか。 「日没」の舞台は、近未来の日本とおぼしき場所。物語は、主人公の女性作家・マッツ夢井が、「総務省文化局・文化文芸倫理向上委員会」から召喚状を受け、携帯電話も通じない辺ぴな“療養所”という名の作家収容所に入れられるシーンから始まる。タブーに挑む性愛を描いてきたマッツは、所長の多田から「社会に適応した作品」を書くよう求められ、矯正しない限り元の世界に戻れないと言い渡される。「B98」。それが療養所でのマッツの呼び名だ。 国家権力による表現の自由への弾圧――。あくまでもフィクションだが、ひたひたと迫りくる恐怖は生々
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