自民党総裁選で河野太郎候補が年末調整を廃止し、国民全員が確定申告する方式に変えたいと公約を発表し物議を醸しています。河野氏が総裁選で負けたとしても、デジタル庁による今後の政策課題として残り、いつか税制改正で日の目を見る可能性があります。今回は年末調整が廃止されたらどうなるのか考えてみます。 ■税金に無知な国民を量産する源泉徴収と年末調整の仕組みお勤めの人なら誰でも知っている仕組みの1つに年末調整があります。毎年勤務先に所定の書類を出すと、12月か1月の給与支給の際に払いすぎた税金が戻って来る。そんなイメージの人もいるでしょう。 年末調整は、簡単に説明すると毎月の供与から天引きされすぎた所得税を、正しく計算し直し、余剰分を還付する手続きです。勤務先が年内に確定申告する仕組みと言えます。なお確定申告は個々の税金(所得税、相続税など)で行い、今回のテーマでは所得税の確定申告となります。 年末調整