常に論争を呼ぶネット論客「白饅頭」として知られる著者の久々の新著です。 とりあえず他の積ん読本もあるし手を出さずにいたのですが、フォローしてる方々も次々に読まれてる様子なのと、特にデビット・ライス氏が辛辣な批判をされてるのを見て、やっぱどんなものか読んでみようかしらと思い立ったのでした。 「不快な思考実験」的ケーススタディ本読んだ率直な感想としては、まず「不快な思考実験」的な本だなと思いました。 有名な「トロッコ問題」を始めとして、倫理の議論では「思考実験」というのがしばしば登場します。思考実験というのは大抵の場合、どうしたものか途方にくれさせる不愉快というか意地悪な設定が施されています。 「正しくあろう」としても「正しくなれない」。人はそのジレンマを突きつけられると、モヤモヤし、不快感を覚えます。 この手の「思考実験」は特に「自分は絶対に正しい」もしくは「正しくないといけない」と信じてる