最も有名なのが2004(平成16)年始めに行なわれた大規模な市場介入である。 この前年夏頃より、イラク情勢の影響を受け、投資ファンドは近く円高ドル安が来るだろうことを見越し、円買いを進めていた。このため、1ドル=117円程度で落ち着いていた円は高騰、1ドル=105円まで値上がりした。 こうして、遂に伝説の日銀砲は火を噴いた。黒幕はもちろん日本政府、より正確には財務省であり、当時の大臣は谷垣禎一(後の自民党総裁)、立案と主導は財務官だった溝口善兵衛(後の島根県知事)だった。 かくして、2003(平成15)年末頃から正月を挟み2004(平成16)年3月まで、この介入が続けられた。 投機筋、いわゆるヘッジファンドの円買い攻勢は止むことが無く、円の高騰は続いた。 そこで、最も威力のある時には日銀ディーリングルームから10億円単位の円売りドル買い注文が、切れ目無く出された。介入枠が尽きると、財務省が