Appleの主要サプライヤーである台湾TSMCは、現地時間2022年7月14日に開催した投資家向け説明会において、半導体サプライチェーンで過剰な在庫が見られ、同社の顧客による在庫調整が今後数四半期にわたって行われるとの見方を明らかにしました。 2023年前半まで在庫調整が続く見通し TSMCの最高経営責任者(CEO)である魏哲家氏は、半導体サプライチェーンにおける過剰在庫のため、少なくとも2023年前半(1月〜6月)頃までは、同社の顧客が在庫を減らす努力を続けるだろうと発言しました。 ただし現在の需要はTSMCの供給能力を上回っており、2022年末までは供給が厳しい状態が続くとも、魏CEOは述べています。 2022年の設備投資計画は一部先送りに またTSMCは、長期的な需要に対する見通しを反映する、設備投資計画を先送りすることも明らかにしました。 同社は、当初発表していた2022年の設備投
台湾の首都・台北市街と、それを取り巻く緑に覆われた山々を見下ろすオフィスで、モリス・チャン(張忠謀、92)はテクニカラーのパターンが刻印された古い本を手にとった。 『超LSIシステム入門』(培風館)と題されたその本は、難解なコンピューターチップの設計を解説した大学院レベルの教科書だ。チャンはその本をうやうやしくこちらに見せた。 「重要なのは、1980年という出版年です」 同書はパズルの「最初の1ピース」となり、チャン自身のキャリアのみならず、世界の電子産業を変えた。 「最も不安定な場所」にある巨大企業 チャンはこの教科書を読み、コンピューターの頭脳として機能するマイクロチップ(半導体素子)の生産工程を設計と製造に分けることができるかもしれないとひらめいた。それは、当時の半導体業界の常識とは正反対の発想だった。 当時エンジニアだったチャンは54歳で、多くの人が引退を考えはじめる年齢に達してい
「iPhone 14 Pro」と「iPhone 14 Pro Max」に搭載された新しいA16 Bionicチップの製造コストは110ドルとなり、昨年発売された「iPhone 13 Pro」シリーズのA15チップの2.4倍以上のコストになっていることをNikkei Asiaが報じています。 また、iPhone 14、iPhone 14 Pro、iPhone 14 Pro Maxの平均製造コストが前世代モデルと比べて約20%増加していることも明らかになっています。 iPhone 14 ProA16のコストが高いのは、A15がTSMCの5nmチップであるのに対し、新たに4nmプロセスをベースに製造されていることが一因と思われます。 来年、iPhone 15 Proシリーズに搭載されるであろうA17チップはTSMCの3nmプロセスをベースにしているという噂や、DigiTimesの新しい報道ではT
中国・上海に新たにオープンしたファーウェイの最大旗艦店に集まった上海市民(2020年6月24日、写真:アフロ) (湯之上 隆:技術経営コンサルタント、微細加工研究所所長) TSMCの公開データが突然修正された? 筆者は定期的に、台湾のファンドリーTSMCが公開する「投資家向け情報」をウォッチしている。その中で最も注視しているのは、「過去の決算情報」内のエクセル形式でダウンロードできる“Historical Operating Data”である。このデータには、テクノロジーノード(微細加工技術)ごとのウエハ・キャパシティの割合、アプリケーション別の売上高比率、地域別の売上高比率などが漏れなく記載されているからである。 ところが最近、2020年第1四半期の地域別売上高比率のデータが修正されていることに気づいた。修正される前のデータを基にしたグラフを図1に示す。2019年第4四半期に22%あった
半導体を受託生産するファウンドリーの世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、圧倒的な技術力を持ち、サプライチェーンを支配する“化け物”のような企業だ。 なぜそこまで力を持つようになったのか。強さの秘訣は何なのか。世界政治を左右する戦略物資となった半導体を巡って各国が激しく争う最前線を、30年以上にわたって国際報道に携わってきた太田泰彦氏(日本経済新聞編集委員)の著書、『2030 半導体の地政学 戦略物資を支配するのは誰か』(日本経済新聞出版)から一部を抜粋、再編集して解説する(敬称略。肩書は執筆当時のもの)。 時価総額はトヨタの2倍 「化け物のような会社」 台湾の台湾積体電路製造(TSMC)は、今、最も地政学的に重要な企業である。これまで世間には同社の名前はあまり知られていなかったが、米中の対立が深刻化するにつれて存在感が高まり、国際政治のカギを握るプレーヤーとして表舞台に躍り出た。
半導体分析会社TechInsightsが、M1とA14 Bionicのダイ比較写真を掲載し、両チップの相違点を説明しています M1のダイサイズはA14 Bionicより37%大きい M1とA14 Bionicはどちらも台湾TSMCの5nmプロセスで製造され、アーキテクチャも共通する部分が多いようですが、両チップは搭載デバイスに対して最適化されているようです。 TechInsightsによれば、高性能コアであるFirestormコアの数が、M1は4つでA14 Bionicは2つ、高効率コアであるIcestormコアの数は両チップ4つで同じ、M1のCPU1コアとGPUコアはA14 Bionicから倍増し、DDRインターフェースはA14 Bionicの2倍(8対4)になっているとのことです。 また、M1にはT2チップやその他のコントローラーも統合されているため、ダイサイズがA14 Bionicよ
2030年までに1nm製造へ、TSMCがロードマップ実現に自信:Intel、Samsungの動きにも注目 TSMCは2023年12月に開催された「IEDM 2023」で、半導体製造プロセスのロードマップについて言及した。同社は2030年までに、1nm世代での製造を開始する予定で、それまでに技術面や財務面での課題を解決できると自信を見せた。 TSMCは、2023年12月9日から13日まで米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催された「IEDM 2023」で2nm、1.4nm、1nm各世代の製造プロセスの技術ロードマップを発表した。同社は将来的に1nm世代の製造プロセスを開始するというコミットメントをあらためて主張する一方、2030年までに技術面や財務上の課題を克服することを確信しているという。 TSMCは2023年7月、台湾・新竹市に研究開発(R&D)センターを開設した。同センターでは、約
台湾に拠点を置く世界最大の半導体ファウンドリ・TSMCと、同じく台湾に拠点を置く世界最大の電子機器受託生産企業・Foxconnの創設者である郭台銘(テリー・ゴウ)氏が設立した慈善団体「YongLin Foundation」が、ファイザーとビオンテックが開発した新型コロナウイルスワクチン「BNT162b2」を合計1000万回分購入したことを発表しました。また、購入した1000万回分のワクチンは、台湾当局へ無償提供される予定であることも明かされています。 TSMC, Hon Hai/YongLin Foundation Donate BNT Vaccine to Taiwan CDC for COVID-19 Epidemic Prevention https://pr.tsmc.com/japanese/news/2847 TSMC and Hon Hai/YongLin Foundatio
PlayStation 5のSoCやApple独自設計のM1といったチップの製造を担当する世界最大の半導体ファウンドリ「TSMC」が、台湾全土に渡る水不足の影響を受けて大量の水を購入したことが判明しています。新型コロナウイルスの感染拡大による半導体産業への影響が報じられていますが、新たに、台湾の水不足による半導体産業への影響が懸念されています。 Taiwanese Chipmakers Told to Cut Water Usage Due to Ongoing Shortages - ExtremeTech https://www.extremetech.com/computing/320263-taiwanese-chipmakers-told-to-cut-water-usage-due-to-ongoing-shortages Report: TSMC and UMC Are Tr
Intelはチップ製造の委託について、TSMCおよびSamsungと協議を進めているようです。しかしまだ、自社開発・製造への最後の望みは捨てていないようだと、Bloombergが報じています。 7nmプロセス開発に遅れ Intelは2020年第2四半期(4月〜6月)の決算発表会で、7ナノメートル(nm)プロセス開発に1年ほどの遅延が生じていることを認めました。同時に同社のボブ・スワン最高経営責任者(CEO)が、チップ製造の外部委託を検討していると発言、翌日Intelの株価は大幅に下落しています。 関係者によると、Intelは現地時間1月21日の業績発表において今後の計画を明らかにする予定ですが、チップ製造を外部委託するかどうかの最終決断はまだ下していない模様です。 TSMCは年内に宝山新工場を稼働開始 Intelとの正式な製造委託契約が締結された場合、TSMCはまず5nmプロセスで試験生産
2021年のパソコンはどう進化する? 注目はやはりApple、Intel、Microsoftのプラットフォーム変革:本田雅一のクロスオーバーデジタル(1/3 ページ) 2021年のパソコンはどう進化していくのか。年始のコラムはそれを支えるプラットフォームの変革について話を進めていきたい。昨年末のコラムから続く内容となるので、合わせてご覧いただきたい。 昨年、第11世代Coreプロセッサを中心とする「Intel Evo」プラットフォームでモバイルコンピュータを大きく前進させたIntelだが、想定外だったのはAppleが独自に開発したMac向けSoC(System on a Chip)の「Apple M1」が予想以上の高性能だったことだろう。 あれぐらいは想定内だった? いやいや、限られたスペックの範囲内において、そして「電力あたりのパフォーマンス」という視点において、M1は確かに予想以上の性
世界的な半導体不足が続く中、いま、熊本県がアツい。世界最大の半導体受託製造企業、台湾積体電路製造(TSMC)が、熊本県菊陽町への進出を発表。投資額は1兆円超(日本政府が最大4760億円補助)と巨額だ。 以降、同町と周辺自治体への進出を希望する企業が相次ぎ、工業地をはじめとする地価が急上昇している。さながら菊陽町を中心とした"半導体バブル”の様相を呈している。 TSMCの工場は2023年後半に完成、2024年に出荷開始を計画している。昨年12月にはアップルのティム・クックCEOが菊陽町のソニーグループ企業の工場などを訪問、今年に入ると熊本県知事が台湾のTSMC本社を訪れるなど、ここへきてにわかに動きが活発化している。 水、アクセス、安価な土地、半導体関連企業が揃う TSMCが進出を決めた菊陽町は、総人口が4万3714人(2022年12月末)。昭和の時代には1万~2万人という規模だったが、半導
天野眞也氏が業界をリードするイノベーターたちと対談を行い、「日本の未来」「製造業の未来」について発信していくチャンネル「AMANO SCOPE(アマノスコープ)」。今回のゲストは、東芝チーフエバンジェリストの大幸秀成氏と、ものづくり系YouTuberのものづくり太郎氏。台湾の半導体大手TSMCの日本進出について、鼎談しました。全2回。前半は、今、2世代遅れのプロセスを誘致する理由について。 核心に迫るスペシャルゲスト編・第2弾 天野眞也氏(以下、天野眞也):みなさん、こんにちは。 ものづくり太郎氏(以下、ものづくり太郎):こんにちは。 大幸秀成氏(以下、大幸):こんにちは。 一同:AMANO SCOPEのお時間です。 天野:イェーイ。スペシャルゲスト編・第2弾ということで、すみません、前回メッチャメチャ大盛り上がりのところで、切ってしまいました。今回は、核心に触れていきたいと思います。 大
China Timesが、TSMCが3nmプロセスでの半導体量産を今年後半に開始、最初の製品はM2 Proになると報じました。来年には、iPhone15シリーズ(仮称:2023年モデル)用のA17やM3の製造が始まると、同メディアは伝えています。 M2 Proが3nmプロセスで製造開始へ China TimesはTSMCの3nmプロセスでのAppleシリコンの製造開始時期について、M2 Proが今年後半、iPhone15シリーズ用A17やM2系のチップ(M2 Max、Ultra、Extremeか)およびM3系のチップが2023年になると記しています。 Appleは、M2およびM2 Proを搭載する新型Mac miniと、M2 ProおよびM2 Maxを搭載する新型MacBook Proの発売を計画しているとみられています。 iPhone15シリーズでのA17搭載機種は、iPhone14シリ
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半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の株価が17日の取引で2%超下落した。写真は2023年7月、台湾の新竹で撮影(2024年 ロイター/Ann Wang) [台北 17日 ロイター] - 米大統領選共和党候補のトランプ前大統領が「台湾は防衛費を支払うべきだ」と述べたことが伝わり、半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)(2330.TW), opens new tabの株価が17日の取引で3%超下落している。 トランプ氏はブルームバーグ・ビジネスウィークのインタビューで「私は(台湾の)人々をよく知っており、彼らを非常に尊敬している。彼らはわれわれのチップビジネスの約100%を取った。私は台湾がわれわれに防衛費を支払うべきだと思う」と語った。
TSMCが熊本第二工場建設を発表、6nmプロセス導入 27年末の操業開始へ:トヨタも少数株主として出資 TSMC、ソニーセミコンダクタソリューションズ、デンソー、トヨタ自動車は2024年2月6日、TSMCの半導体受託製造子会社Japan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)の熊本第二工場を建設する計画を正式に発表した。 TSMC、ソニーセミコンダクタソリューションズ(以下、SSS)、デンソー、トヨタ自動車(以下、トヨタ)は2024年2月6日、TSMCの半導体受託製造子会社Japan Advanced Semiconductor Manufacturing(以下、JASM)の熊本第二工場を建設する計画を正式に発表した。2024年末までに着工し、2027年の操業開始を目指す。また、トヨタが少数株主として参画することも発表した。 設備投資は2工場で
受託生産で世界最大手の台湾の「TSMC」が、国内2か所目となる先端半導体の設計支援を行う拠点を大阪 中央区に設立しました。会社では、大阪を含む国内の拠点で雇用を拡大する方針で、半導体人材の育成につながることが期待されます。 大阪に拠点を設立したのは、半導体の受託生産で世界最大手のTSMCで、1日からの稼働を前に、内部が報道陣向けに公開されました。 新たに設けた拠点では、各国の企業が3ナノメートルを中心とした最先端の半導体を導入するための設計支援を行います。 TSMCが国内に拠点を設けるのは横浜に次いで2か所目で、2026年に大阪と横浜の拠点で働く従業員を、今の倍となる400人以上にまで増やすことにしています。 先端半導体をめぐっては、アメリカや台湾などのメーカーとの技術力の差が大きいことから、こうした拠点の開設によって、半導体人材の育成につながると期待されます。 「TSMCジャパンデザイン
「魔法の半導体」で不動産価格も高騰 リー・ターセンは少年時代、見上げるようなサトウキビ畑を歩いて学校に通っていた。それから約40年。大人になった彼は不動産ブームに湧く故郷の善化で、その畑を売って生活している。 善化は台湾南部の町だ。さびれた田舎町だったが、世界最先端の半導体工場の建設が決まって以来、建設ラッシュが続く。 この町に、3nm(ナノメートル)プロセスの半導体チップ製造工場を建設しているのは、半導体受託生産の世界最大手、TSMC(台湾積体電路製造)だ。現在の最先端チップよりも動作速度が最大70%速く、消費電力も少ないとされる3nmチップは、スマートフォンからスーパーコンピュータまで、あらゆる用途への利用が期待されている。 「昨年は工場に隣接する農地の価格が3倍にはね上がった。当社は創立10年だが、昨年の取引高は過去最高だった」とリーは言う。不動産会社センチュリー21の現地支店を率い
せいだんしゃ/紙媒体、WEBメディアの企画、編集、原稿執筆などを手がける編集プロダクション。特徴はオフィスに猫が4匹いること。http://seidansha.com News&Analysis 刻々と動く、国内外の経済動向・業界情報・政治や時事など、注目のテーマを徹底取材し、独自に分析。内外のネットワークを駆使し、「今」を伝えるニュース&解説コーナー。 バックナンバー一覧 昨年来、猛威を振るい続ける新型コロナウイルスの封じ込めに成功したことで、世界中から称賛を浴びている台湾。2020年のGDP成長率は前年比2.98%を記録し、約30年ぶりに中国を上回るなど、経済面でも活況を呈している。台湾経済に好況をもたらしている要因は何なのだろうか。ジェトロ・アジア経済研究所にて地域研究センター長を務める、川上桃子氏に解説してもらった。(清談社 山田剛志) コロナ禍で需要アップの 半導体が産業の要 台
台湾積体電路製造(TSMC)新工場建設地付近の渋滞(5月・菊陽町) Photographer: Toru Hanai/Bloomberg 半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)が新工場建設を決めた熊本県菊陽町。人口4万人余りの小さな町では関連企業も含めて大量の人口流入が見込まれ、不動産価格が高騰するなど特需に沸き立つ。その一方で町の交通渋滞の深刻化が予想されるなど、地元からは期待と不安の声が交錯する。 4月中旬の夕方の通勤ラッシュの時間帯、菊陽町の主要道路である国道443号や県道は軒並み車で埋め尽くされるほどの大渋滞だった。町の中心部にあるJR原水駅は無人駅にも関わらず、周辺で働く通勤客であふれ、首都圏の通勤ラッシュさながらの光景が見られた。 菊陽町と隣接する益城町に本社を構え、半導体関連分野を含めさまざまな事業を手掛けるマイスティアで働く台湾出身の侯偉芳さん(38)は今年2月に来日した
STRATECHERYより。 ブルームバーグのマーク・ガーマンは、Appleが来週開催されるWorldwide Developer Conference(WWDC)で、ついにMacがARMチップへの移行を発表することをレポートしている。 その計画に詳しい関係者によると、Appleは、早ければ今月の年次開発者会議で、インテルのチップに取って代わる、Macコンピュータの独自のメインプロセッサへの移行を発表する準備をしていると言う。同社は6月22日の週にWWDCを開催する。Kalamataと名付けられたこの取り組みをイベントで発表することで、2021年に新しいMacが発売される前に外部の開発者に調整の時間を与えることができる、と関係者は述べている。ハードウェアの移行はまだ数か月先のことなので、発表のタイミングは変わる可能性があると付け加え、プライベートな計画を議論していることを特定しないよう求め
AppleやAMDに半導体を供給している世界最大の半導体ファウンドリ「TSMC」は、2020年6月から5nmプロセスによる半導体製品の製造を正式に開始しています。そんな中、TSMCのC・C・ウェイCEOが、次世代5nmプロセス&3nmプロセスの大量生産開始時期や2nmプロセスの研究開発状況について語っています。 Q1 2021 Taiwan Semiconductor Manufacturing Co Ltd Earnings Call on April 15, 2021 / 6:00AM - TSMC 1Q21 transcript.pdf (PDFファイル)https://investor.tsmc.com/english/encrypt/files/encrypt_file/reports/2021-04/8b5438593d7b5d2181406a1b92d7304d6944c09
米中デカップリング(分断)が進む中で、華為技術(ファーウェイ)が米国を驚愕させるほどの微細化した半導体チップを最新スマートフォンに搭載し、独自に技術を「ブレークスルー」させた。その背景には、日本人が目を剥く破格の高待遇で世界から「天才技術者」たちを集めてきたことがあった。 前編記事『《年俸は20代で4000万円》ファーウェイが進行中の「天才少年計画」がヤバすぎる…!日本が到底かなわない人材争奪戦の「熾烈」』につづき、その実態を紹介しよう。 台湾からやって来た「救世主」 中国の半導体業界から「救世主」と呼ばれる、台湾出身の人物が2人いる。 半導体受託生産の世界最大手・台湾積体電路製造(TSMC)出身のエンジニアである、梁孟松氏と蒋尚義氏だ。 2人とも、中国の半導体大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)に最高幹部としてヘッドハンティングされ、同社がそれまで何年もかかって実現できなかった14ナノ
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